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潮出版社の創業は1960(昭和35)年7月2日。「60年安保」でまだ日本が騒然としていた時期の真っただ中で月刊『潮』が創刊され、その発行日を、のちに創業の日としました。60年安保というのは、左右の勢力の激突でありましたが、『潮』は右でもなく左でもない、新たなヒューマニズムを創造する総合月刊誌を目指してスタートを切りました。その編集方針はぶれることなく今日まで受け継がれています。
1964(昭和39)年には月刊少年誌『希望の友』を創刊し、コミック部門の開拓に乗り出します。今も読み継がれる横山光輝『三国志』や手塚治虫『ブッダ』はここから誕生しました。
さらに1988(昭和63)年には女性誌『パンプキン』を月2回刊で創刊(現在は月刊)。〝輝く世代をつなぐライフスタイルマガジン〟として幅広い読者層に支えられ、今や潮出版社の大きな柱となっています。
2015(平成27)年、古川智映子著『小説 土佐堀川』がNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」の原案になったことを契機に、潮文庫を復活。現在は文芸を中心に単行本、文庫、新書、手帖、家計簿など幅広いラインナップを刊行しています。
私たちの創業者は常々、「青年よ、心に読書と思索の暇をつくれ」(『戸田城聖全集』1)との師の言葉を引用し、「読書」の重要性について語られました。
また小説『新・人間革命』第8巻「清流」の章では、「言論は、人間の人間たる証である。暴力、武力に抗して、平和を築きゆく力こそ言論である」と訴えられました。人間性を形成する上での「読書」の重要性、混迷を極める世相においての「言論」の使命、この二点を常に問い続けながら、全社員一丸となって良書発刊に全力で努めて参ります。