てまりのナゾほどき帳 出島と秘密の紅い石
荒川衣歩
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刊行日 2025/07/15 | 掲載終了日 2025/05/08
ミステリー/サスペンス | 児童書全般 | YA/児童読み物
ハッシュタグ:#てまりのナゾほどき帳出島と秘密の紅い石 #NetGalleyJP
内容紹介
// 第65回講談社児童文学新人賞《 満場一致 》の受賞作!//
舞台は江戸時代の鎖国が続く長崎。
父とふたりで古手屋を営む13歳の少女による
ひと夏の
「友情✕恋✕冒険」の青春物語、開幕!
※古手屋=古着や古道具を売買する店。
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❖ あらすじ ❖
今日もオランダの船が長崎の港につく。13歳の少女・てまりは、丘の上からその景色を眺めながら、けっして行くことの叶わない遠い異国に思いを馳せていた。
そんな夏のある日、父とふたりで営む古手屋(古着屋)に、分厚いはんてんを持ち込んできた客がやってくる。そして次の日、示し合わせたように別の客が、言い値でそのはんてんを買っていった。
それからしばらくして、またしても同じようにはんてんが持ち込まれた。不審に思ったてまりが裏地の縫い目をほどいてみると、なかから見たことのない紅い石が転がり落ちる。人づてに調べてもらうと、それは高値で取引されるルビーで、おそらく出島に出入りしているオランダ人が秘密裏に持ち込んだものだろうと判明。その取引現場として、てまりの店が使われていたのだ。
もしこれが明らかになれば、てまりの父も無実の罪で捕まってしまうかもしれない。てまりは真相を究明するべく、民間人として出島に出入りできる芸子に変装して、出島に潜入することを決意する――。
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著者/荒川衣歩(あらかわ・いほ)
福岡県在住。『梅雨空の流れ星』が第二十九回新美南吉童話賞特別賞(ミツカン賞)、『ぶうぶうおばけのぶうざえもん』が第二十回創作童話・絵本・デジタル絵本コンテスト厚生労働大臣賞・読み聞かせ大賞(創作童話部門)受賞(いずれも荒川衣歩子名義)。2024年に、本作で第65回講談社児童文学新人賞を受賞。
イラスト/じろ
イラストレーター。『痛快!マジック同盟ミスフィッツ』(静山社)シリーズや、『10代のきみに読んでほしい人生の教科書』(KADOKAWA)などの装画を担当。
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★★
出版情報
ISBN | 9784065398449 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 224 |
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江戸時代に唯一オランダと通商できた長崎。当時の文化を大切にする2人と国の外に目を向ける2人は、互いの良さを認め助け合う事で、立ち塞がるトラブルに挑んでいく。
様々な制限があった当時でも、前に向かって進む4人の姿は頼もしかった。
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江戸時代の長崎。日本文化とオランダを中心とした西洋文化の日本唯一の接点。発想力豊かなてまりがつくった化粧入れの、和布の紋様とレースの繊細さの組み合わせの妙が、それをよく表していた。
そんな長崎で出会った、国の内と外に目を向けた少女と少年達。それぞれに特技や志を持つ4人が手を携えながら、自分が定めた道へと進む。その過程で心の大切さに気付きながら。
長崎弁をはじめとする当時の長崎の庶民の生活が丁寧に描かれていることで、物語に人々の生活と言う厚みが与えられ、4人のストーリーがより生き生きとしていた。
その一方で、てまりと父が営む古手屋に持ち込まれた、分厚いはんてんの謎。それが、当時としてはあまりにも大きなトラブルに繋がっていくとは。でも、4人はそれぞれの持ち味を生かし、助け合い、理解者にも恵まれて立ち向かっていく。
てまりの真の願いは叶えることが禁止されている。でも、てまりの手づくりの品が、心を込めて作った品が、てまりの代わりとなってくれた。だから、てまりはこれからも進んでいける。閉じた日本の中でも自信をもって。そう、信じている。

江戸時代の長崎を舞台にしたお話では、いくら主人公が13歳といっても同世代の子どもには読みにくいだろうと思いながら読みはじめました。ところが、読みだしたらぐいぐい引っ張られ、気がついたら最後までノンストップで読んでしまっていました。古着屋の娘てまりが得意の裁縫の腕を活かし、夢を見つけるまでのお話ですが、気持ちのいいお話でした。続きのお話もぜひ読んでみたいです。

謎解き要素と長崎、長崎芸妓やオランダ商館といった、長崎の江戸時代末期の文化を交えた歴史的要素に加え、淡い思春期の恋の要素も混じえ、かつそれぞれの登場人物も魅力的でグイグイと読み進められました。歴史に興味を持ち始める小学校高学年から中学生が楽しんで読める作品と思います。

とても読みやすく、楽しく読めました。
古着屋、裁縫という題材がキャラの設定やシナリオ展開やトリックにまでフル活用されていたと思います。主人公が親友と一緒にぐいぐい進む感じで頼もしく、特技を活かしながら大活躍します。
周りの大人もいい味を出しており、特にひまりの父親やカピタンに暖かな「父性」を感じて良かったです(モラハラ的な父親がモンスター役を担わされる作品も、結構あるので……)。
選評で指摘されていたラストの展開も、あの時代としては仕方のないものだと感じました。むしろ自由に動けることのありがたさを、現代の読者が感じられるかもしれません。こういう時代物の児童文学、これからも読んでみたいです。