煙のように消えるねこ
リンダ・ニューベリー
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刊行日 2025/03/20 | 掲載終了日 2025/03/27
ハッシュタグ:#煙のように消えるねこ #NetGalleyJP
内容紹介
サイモンが、ある日、
隣の家の裏庭をのぞくと、
ひとりのおばあさんが、庭の草花に、
「ウィリアム」「シャーロット」と、
話しかけていました。
その日からサイモンは、
隣の庭でふしぎな出来事が
起きていることに気づきます。
とりわけ、ブルーというねこは、
いつも突然あらわれて、
煙のように、すーっと消えてしまうのです。
でも、ブルーには悲しい秘密があって……?
ふしぎなねこと、おばあさんをめぐって、
奔走する少年の姿を描く、胸にしみいる物語。
『おもちゃ屋のねこ』の姉妹編。
イラストレーター・丹地陽子さんによる、
猫への愛が伝わってくる挿絵を
たっぷりと入れました。
【対象年齢】
小学校中学年~
__
【作者】
リンダ・ニューベリー(Linda Newbery)
1952年イギリス、エセックス生まれ。8歳のころから作家をめざして物語を書き始める。いつも物語を書いたノートを自分の洋服だんすに隠していた。国語の教師をしながら、作品を出版社に持ち込むようになり、1988年YA小説でデビュー。『Set in Stone』(未訳)でコスタ賞受賞、『The Shell House』『Sisterland』(共に未訳)がカーネギー賞最終候補に選ばれるなど、その作品は本国で高い評価を受けている。日本で紹介されている作品に、『おもちゃ屋のねこ』(徳間書店)がある。
【訳者】
田中薫子(たなかかおるこ)
慶応義塾大学理工学部物理学科卒業。訳書に、『おもちゃ屋のねこ』、「バンダービーカー家は五人きょうだい」シリーズ、『大魔法使いクレストマンシー クリストファーの魔法の旅」『同 魔女と暮らせば』『同 魔法の館にやとわれて』『同 キャットと魔法の卵』『賢女ひきいる魔法の旅は』『時の町の伝説』『花の魔法、白のドラゴン』『アーヤと魔女』(以上、徳間書店)などがある。
【画家】
丹地陽子(たんじようこ)
東京藝術大学美術学部卒業。イラストレーター。書籍・雑誌・広告などで活躍中。児童書の装画・挿絵の仕事に『つくしちゃんとおねえちゃん』『つくしちゃんとながれぼし』(共に福音館書店)、「マジックアウト」シリーズ(フレーベル館)など多数。作品集に、『丹地陽子作品集』(パイ インターナショナル)がある。
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【類書】
『おもちゃ屋のねこ』(作 リンダ・ニューベリー/訳 田中薫子/絵 くらはしれい)
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784198659745 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 80 |
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NetGalley会員レビュー

築百年以上の家に両親と引っ越してきたサイモン。隣の家の庭で、その植物一つ一つに、時にはたくさんの猫達に優しく呼びかけるおばあさんを彼は見る。でも1匹の猫だけは……
その不可思議に、皆の優しさにほろりする物語。
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となりのおばあさんが花一つ一つに呼びかけている。月明かりにすうっと消える猫のブルーがいる。そんな不思議な雰囲気で物語が進んでいく。
サイモンにしか見えない、いつもがっかりした素振りを見せるブルー。その理由がわかった時、思わず頷いてしまった。だから、入れないのか。だから、寂しいのか。
ブルーを助けるために行動したサイモン、自分から呼びかけてくれた花「セアノサス・ブルークラウド」、そしてちゃんと察してくれたヘーゼルさん、その皆に感謝を。
こんな温かな気持ちになる幽霊譚があるなんて。人も猫も、そして植物達も、ずっとずっと在るんだと、ラストで思わず涙ぐんでしまった。

とても優しくて暖かくて美しい物語だった。
中学年向きということで、簡単に読める短い物語だったけれど、子供だましということはない。
庭についての話かと思っていたが、読み進むにつれ、おばあさんと猫の愛の物語だった。
隣の家に引っ越してきたサイモンも優しい子で、だから、サイモンには彼らの姿が見えたのだろうと思う。

古い家に引っ越してきたサイモンは、不思議なものを見るようになる。隣家のヘーゼルさんの庭を困ったように歩くおばあさんと、ブルーグレー色の猫をたびたび目にする。そして、猫は必ず不意に消えてしまう。おばあさんも、隣には住んではいないという。
謎は深まり、サイモンはおばあさんの生前のようすをヘーゼルさんの奥さんから聞くにつけて、ある憶測をする。悲しげなおばあさんの気持ちを推しはかり、ブルーと呼ばれる猫との間の愛情を感じるのだ。そこからのサイモンの行動は力強かった。やさしさと、止むに止まれぬ気持ちに背中を押されていく。心温まる幽霊譚に込み上げるものがありました。