
ぶたのしっぽ
海緒 裕
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刊行日 2025/04/10 | 掲載終了日 2025/03/05
ハッシュタグ:#ぶたのしっぽ #NetGalleyJP
内容紹介
// 第26回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品!//
「男らしさ」に悩む豪太郎は、「積極的不登校児」「ヤングケアラー」である篠田と出会い…
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中学二年生の豪太郎が熱中している趣味は、あみぐるみ。
特に最近はぶたのあみぐるみに凝っている。だけど、それはクラスメイトにも、幼なじみにも言えない秘密だ。なぜなら、その趣味は「男らしく」ないから。
そんなとき、職場体験をきっかけに「ヤングケアラー」で「不登校児」のクラスメイト、篠田と知り合うことになる。少しずつ知る、篠田の話。家族の事情もあるが、何より自分の意思で家にいること。宇宙に行くという将来の夢……。
「ふつうってなんだろう」という疑問が変化したとき、豪太郎の中にひとつの答えが生まれる。
それぞれの心の痛みを丁寧に描いた力作。
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著者/海緒 裕(うみお・ゆう)
神奈川県出身。2024年、デビュー作である本作『ぶたのしっぽ』にて、第26回ちゅうでん児童文学賞大賞を受賞。
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★★★
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★★
出版情報
ISBN | 9784065391723 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
ページ数 | 176 |
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閲覧オプション
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中学2年生の豪太郎は、あみぐるみを作るのが好き。けれど、みんなに変と思われたくなくて隠している。豪太郎のクラスには、きれいな長い黒髪の歩睦や、ヤングケアラーの篠田がいて、みんなの考える普通と違うことが受け入れられない雰囲気を感じるからだ。豪太郎はそんな場面になると、頭を悩ませ、自分自身も自分らしくいられない時には、何故か失禁してしまう。けれど、歩睦や篠田の、自分の大切な部分を曲げずに守る姿に勇気づけられ、少しずつ無理をしないことや、堂々と好きなことをすることに気持ちが向き始める。豪太郎の身近に、おばあちゃんや倉橋先生がいてくれてよかった。自分らしくいられないことへの苦しさや、ありのままの自分を受け入れてもらえた時のうれしさ、寄り添ってくれる友達がいることへの心強さなどが伝わってくる物語でした。

きんもちいいーっ!
心に巣食う霧も、ぶ厚い雲も
一気に吹き飛ばすような爽快さでした。
主人公はアリバイ野球部員の中学2年生。
密かに男らしくない趣味に没頭する彼が、
信念に正直な少年との出会いに、驚き、
刺激を受けて、思い切った決断をします。
取りつく島もなかった不登校男子が、
感情の揺れの激しい主人公との交流で、
心を開いていくさまも素晴らしく、
読んでいて清々しい気持ちになれましたよ。
物語にあふれていたのは、
まっすぐな優しさと、まわりくどい優しさ。
だから心に栄養がサーっと沁みるんです!
ときに悪意がグサリときますが、
そんなときの対処法は変わり者の少年が
教えてくれました。
間違いなく生きづらさを減らせる妙案は
さっそく私の生き方にもインストール!
気持ちが上向く予感しかしませんよ。
主人公の抱えるひとつの重大な苦悩は
物語では初めて出会うものでした。
もしも自分がその立場ならと考えずに
いられませんでしたね。
人が抱える未知の葛藤に触れることは
子供たちにも良い経験になりそうです。
共生の精神や動物愛護の仕事に
出会えるところもお薦めポイント。
想像力に働きかけ
優しい心を育んでくれる一冊ですね。
なんでこのタイトル?という印象は、
ラストでオセロのように
ひっくり返りましたよ。
無限の可能性を予感させる
心地よい余韻に満たされたまま
よい週末を過ごせそうです。
(対象年齢は11歳以上かな?)

主人公の豪太郎の趣味はあみぐるみです。だけどその熱中している趣味について幼馴染にも言えないでいます。むしろそれを隠すように野球部に入っています。しかも試合の時は誰にも言えない秘密を抱えてプレーするのです。豪太郎の秘密に胸が詰まりました。
そんなとき不登校の篠田と知り合い、彼と関わるうちに豪太郎の気持ちが変わっていきます。
男らしくしなさい、女らしくしなさい、そう言われたことはありませんか?
誰かの外見や趣味に対して男らしくない、女らしくないと言ったことはありませんか?男らしく・女らしくと言われたことのある人、言ったことのある人ならこの物語は刺さると思います。
私は豪太郎の幼馴染の花奈と同じように、多数の男子部員のなかに二人だけ女子部員として武道をしていました。当たり前のように受け入れてもらっていたと思っていたのですが、もし逆に多数の女子部員のなかに男子部員が一人入ったら?という発想を持ったことはありませんでした。もしそうなったら男らしくないと言われてしまうのかな?変な目で見られてしまうのかな?好きなこと、自分がやりたいことをやりたいだけなのに、男らしさ女らしさを求められることにモヤモヤしました。
でも、豪太郎の祖母や担任の先生の言葉に救われたような気持ちになりました。
篠田がなぜ不登校なのか、ヤングケアラーとなった理由に苦しくなりました。
篠田の言い方は最初は距離感を感じさせるものでしたが、何度も会い篠田を知ると筋の通った言動と、家族への思いの深さを感じました。
豪太郎が男らしくしなきゃと思うようになった経緯、篠田が宇宙に行きたいと言った言葉の真相は、あまりにも切ないものでした。
一人ではどうしようもない思いも、言葉にすることで分かってくれる人がいる。豪太郎も篠田もきっとお互いこれからもいい友人であり続けるでしょう。
真っ直ぐに進めなくて、ぶたのしっぽのように丸まった道を歩むとしても、二人に光が当たるようなラストに爽やかな風が吹いたような気持ちになりました。

「積極的不登校児」とは?と思いながら読んでいましたが、そういう想いがあってのことだったんですね。でもそれも主人公との交流を重ね、ラストシーンへ…。
男らしく女らしくなんて取っ払って自分らしく生きれる社会になって欲しい。学校でも少しずつ認められてきたけど、やっぱり「変わってる」と言われることが多い。自分の好きなものを堂々と言いたい。人の好きなものを否定しない人になりたい。
「命の舞台はここだ」必ず誰かが助けてくれるから。
中学生以上かな。

「ちゅうでん児童文学賞大賞」、この受賞作品は読み応えのある児童文学として読み逃がすわけにはいきません。本作も、いくつもの問題提起と掘り下げがしっかりされていておもしろく読みました。
豪太郎の秘密、同級生でヤングケアラーで不登校の篠田の自主性に満ちた生活が交錯していくあたりは、スリリングでさえあった。
変わり者として見られたくない豪太郎の仮面生活、対して自ら変わり者で結構と我が道を行く篠田。
中2男子の胸の内はなかなかに複雑だ。人に言えないこと、言わないこと、その間で揺れる心。ひと並びが是とされる学校は息苦しい。好きなことや理想を掲げることは、他人の目が光る。
男らしさって何⁉︎普通って何⁉︎もがく豪太郎と篠田の間に流れたものは、「友情」ということばで表されるもの。
ぶたのしっぽ、上等ではないですか⁉︎

女子が野球部に入るのは良いけど、ロングヘアの男子が野球部に入るのはダメ。
男子でつやつやのロングヘアというだけで、きもいと言われ、クラスではじかれることになった転校生を見て、もやもやしている豪太郎。
豪太郎はあみぐるみを編むことが好きなのだけど、周りでそういうことを見ているので、言えないでいる。
そんなある日、豪太郎は、不登校の篠田と一緒に動物愛護センターでの職場体験をすることになった。
篠田はヤングケアラーで学校に来られないという噂だったが、自分の意思で家にいることを選んでいるのだった。
悩み多き年頃の少年の心の内をとても繊細に描写してあった。
とても爽やかな話で、読後はポジティブな気持ちになった。
ただ、ロングヘア―の歩陸については、もう少し掘り下げて欲しかった。