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カーテンコールはきみと 幽霊部長の銀河鉄道
神戸遥真/作 井田千秋/絵
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刊行日 2025/02/07 | 掲載終了日 2025/02/16
ハッシュタグ:#カーテンコールはきみと幽霊部長の銀河鉄道 #NetGalleyJP
内容紹介
一度、逃げだしたわたしでも、
また、ステージに立っていいのかな……。
幽霊部員だった過去をもつ演劇部部長の
卒業公演のゆくえは? 青春部活シリーズ第2作!
部員がつぎつぎやめて自分も幽霊部員になってしまった過去をもつ冴島。
部長なのに、と悔やみつづける彼女は、真意の読めない後輩、高科から
卒業公演で主演をするよう勧められる。
とまどいながらも、冴島は部員たちとともに中学最後の舞台にのぞむ。
好評、演劇部シリーズ第2作!
出版社からの備考・コメント
ここに掲載している作品データは刊行前のものです。
刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。
【ご注意下さい】
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おすすめコメント
たくさんのものをみんながくれた。
おかげで、こうしてここに立てた。
わたしは、こんなふうにみんなと作る演劇が大好きだ。
ツラいこともあった。けど、それでもやっぱり演劇が好きなのだ。
幽霊部員になっても、退部届はだせなかった。それくらいには好きだった。
やめなくてよかった。
つづけられてよかった。
そう思えるようになれて、本当によかった。
(本文より)
販促プラン
【著者紹介】
作 神戸遥真(こうべはるま)
千葉県生まれ。著書に「ぼくのまつり縫い」シリーズ、『25センチの恋とヒミツ』(偕成社)、『休日に奏でるプレクトラム』(メディアワークス文庫)、「藤白くんのヘビーな恋」シリーズ(青い鳥文庫)、『笹森くんのスカート』(児童福祉文化賞)、「恋ポテ」シリーズ(日本児童文芸家協会賞・以上講談社)などがある。
絵 井田千秋(いだちあき)
イラストレーター。書籍の挿絵、装画などで活躍中。装画作品に「ぼくのまつり縫い」シリーズ、『25センチの恋とヒミツ』『ブレーメン通りのふたご』、著書に『家が好きな人』『ごはんが楽しみ』『わたしの塗り絵 POST CARD BOOK 森の少女の物語』。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784036492602 |
本体価格 | ¥900 (JPY) |
ページ数 | 188 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
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嬉しい続編です。今回の主人公は冴島部長。タイトルにある「きみ」は2年生の高科。自分の代になってから部員が減り、自らも幽霊部員となってしまっていたことに負い目を感じている冴島。主役に押されてもどこか自信なさげだけれど、高科の計らいで赤ずきんちゃんのエチュードをした時、ちゃんと設定や自分の役のキャラクターを掴んで、演じることに真剣な姿に、冴島を応援する気持ちが湧いてきました。部長や主役という立場に自信が持てないのも、高校で演劇を続けるかどうか迷って進路に悩むのも、勇気を振り絞って過去と向き合うことで、乗り越えられて良かった。ひとりじゃなかったと思えて良かったです。まだ解決してない関係性の2人がいるので、きっとまたこのメンバーに会える気がします。
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今回の主人公は廃部寸前だった演劇部の生き残りで元幽霊部員だった、部長の冴島結海。穏やかで周りをよく見ているし、なんだかんだで責任感もあるのに、それを上回るほどのネガティブを発動しまくりながら、なんとか定期公演を成功させたところから物語は始まります。
次は10月の文化発表会。そこで3年生は引退となり受験一色になるので、大切な最後の舞台は無難にこなし波風たてずフェードアウトしようとしてたのに脚本担当の高科くんが『引退公演になるんだし主演やったらどうです?』って提案してくるから迷いに迷って考えさせて欲しいと言うことに…。
元気な後輩のりっちゃん&カホちゃん、どっしり構えた芥川くんはもちろん、新キャラも登場して更に彩り豊かに賑やかになる演劇部の様子が伺えるのも楽しかったし、自分に自信がなくうじうじしがちな冴島が腹をくくって和紗に向き合おうとする姿に目頭があつくなったり、人との関係を育んでいく大切さが織り込まれてました。
『きみがいてくれてよかった。』と言える相手がいる幸せ。誰かにそう思ってもらえる幸せをかみしめながら最後まで彼女たちの青春を堪能しました。
そして、今作も井田千秋さんのイラストが物語を盛り上げてくれています!
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昨年度部員が2人まで減ったトラウマから、「銀河鉄道の夜」がモチーフの劇の主役は部長冴島には辛かった。新部員などとの交流の末、彼女はその結末をリクエストする。それはどんなもの?
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唯一の中学3年生、部長の冴島。廃部寸前にまでいった演劇部の、もと幽霊部員だった部長。真面目すぎて、奥手すぎて、自己肯定感が低い冴島。だから余計に、
〈舞台は、ひとりじゃ作れないのに〉
〈自分は見る専の部長だった〉
という、作中にでてくる言葉が頭の中を巡ってしまっているのだろう。
これでは、主役を務める『銀河鉄道の夜』をモチーフとした劇は、そのトラウマを刺激してしまうだけ。
でもこれで引退する部長としての責任感が、かろうじて彼女を動かしたのだろう。自分は部長としてどうだったのかを、知るために。様々な人にあやまりながら、それを訪ねていく。卑屈なほどの態度で。昨年度去っていった副部長だった同じ3年生の和紗までに。
そして、彼女が下した結論は、
〈部長だからこう、みたいな正解はない〉
それはまさに、演劇と同じだった。
〈演技に、正解なんてない〉
だから冴島は、現副部長で脚本担当で準主役の高科、冴島の反応にうろたえて結末を書けないでいた高科に、はっきりと結末のリクエストをしたのだろう。彼女の本音と劇の終末を一致させるために。
そして本番。その結末の最後にある高科のセリフは、きっと彼自身が付け加えたもの。そう信じる。冴島は気づかなかっただけで、たくさんの人々に支えられてきた〈見る専の部長〉だったのだろう。それは、自分からは気づくことのできななかった人徳。でも、これにむけての歩みと公演の成功により、彼女はそれに気づき、自分を肯定的に認めることができたはず。幽霊部長は見事に銀河鉄道を乗り切ったのだ。
だからこそ、冴島の進む道は決まった。そして、次世代の演劇部も新たなスタイルの部長のもと、しっかりとやっていくはず。
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続編ありがとうございます。
今回の主役はネガティブさマックスでした。そんなにうじうじしなくても!!と思いながらも少しずつ自分を受け入れていく姿は、読者としては応援してしまう。
分からない未来のことを決める難しさ、どんな結果になっても応援してくれる家族。
部員だけではなく家族との関係性も羨ましかったです。
即興劇が面白そうで、演劇を見たくなりました。
1巻も子どもたちに人気なので2巻も早く読ませたいです。
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『カーテンコールはきみと』の続編。
自分の責任で演劇部を廃部寸前においやってしまったと思い、自らも幽霊部員になってしまった演劇部の冴島部長。
負い目を感じながらも一年生の新入部員に引っ張られる形で定期公演を成功させた。
次の公演が、3年生の冴島部長にとって最後の舞台となる、
3年生は冴島部長しかいないのだし、最後だから主役をやったら、と2年生で脚本も書く高科くんに推される。
わたしに主役なんかやる資格はあるんだろうか、とうじうじ悩む冴島だが、部員の言葉や態度で、少しずつ前向きになっていく。
うじうじとネガティブ思考の冴島さんだが、部員の言葉や態度に感化され、幽霊部員になる原因となった過去の問題と対峙する。
自分とは違うものを持っている人と自分を比べて、自分はダメだなあ、と思うことは多々ある。
でも、あなたにはあなたの良さがあるんだよ、ということが伝わってきて、心が温かくなる物語だった。
物語自体も中学生らしく爽やかで好ましかったが、特に劇中劇が面白いと思った。
前作を読んでないと、どういう状態なのかつかみにくいと思うので、前作から、できれば、同じ中学の被服部のはなし『ぼくのまつり縫い』シリーズなども読んだら、よりこの物語の世界が広がって楽しめると思う。