わだかまってばかり日記 本と共に

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刊行日 2025/01/21 | 掲載終了日 2025/02/06

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内容紹介

子供の心を描いてきた作家岩瀬成子が、自身の子供時代を綴ったエッセイ集。就学前から大人に至るまで、たいていの大人が忘れてしまう、子供時代のままならない時間を語る。

その時の気持ちにつながる本30余冊についても引用しながら紹介。(巻末に書籍リスト掲載)

子供の心を描いてきた作家岩瀬成子が、自身の子供時代を綴ったエッセイ集。就学前から大人に至るまで、たいていの大人が忘れてしまう、子供時代のままならない時間を語る。

その時の気持ちにつながる本30余冊についても引用しながら紹介。(巻末に書籍リスト掲載)


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784652206614
本体価格 ¥2,000 (JPY)
ページ数 222

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NetGalley会員レビュー

著者は、子どもの心の澱を丁寧に映し出すことに定評のある作家だが、このエッセイを読んで、著者は子どもの気持ちがわかるのではなくて、自分が子どもだった頃の気持ちを全部覚えているのだとわかった。
子どものん頃の語彙力では、上手く周りに伝えられなかった気持ちが、言葉を操る作家となった今なら上手く現わせるのかというとそうでもなく、悶々とする心のうち。
著者は、いつもなぜか怒っているのだが、わたしも大概怒っていた。
穏やかに、笑顔で機嫌よく過ごす子どもではなかったから、著者の気持ちがよくわかる。
わたしもこうだったなあ、と自分の少女時代に思いを馳せた。
なんなら、今もそういう気持ちになるなあ、などと思う。
エッセイでありながら、その頃の気持ちにつながる本の紹介されている。
本の照会文を読むと、やっぱり、子どもの事もよくわかっているなと思う。
(冒頭で、子どもの心がわかるのではなく、子どもの頃の事を覚えているだけだ、と書いたけど)
子どもの心がよくわからない、という人は、読んでみたら面白い気づきが得られると思う。

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静謐な時間だった。本書に季語を付けるなら冬。降りやまない雪がBGM。誰もいない部屋でひとりに向きたい本だった。読了後のいま、心地よいデトックス感に包まれている。たいせつな記憶とこれから読みたい本のタイトルだけが抽出されている。気持ちがいい。

70代半ばを生きる著者の幼少期の鮮明な記憶や驚きを超えた美しさを印象つける。
亡くした記憶、ずっとずっと抱えてきたもどかしさ、いい子信仰への抑や、苦しさ、「こうしたい」に反対される思春期、母親とのわだかまり、「家族は残酷だ」と言い切る。そんな数々が「きょうのことはぜったいわすれない」と記憶に蓄積されていた。

人は去る。本は残る。
岩瀬さんの子ども時代の記憶を想起させるように、沢山の本当に沢山の本との出会いが人生にあった。私はこんな読み方してなかった。難解な言いまわしなく、すーと入ってくるのにじわーっと言葉は浸透する。いまちょっと類似する書籍が浮かばない。本に向き合う転機だった。たいせつに手元に置きいつでも読み返したい。願わくば棺桶にもご同行いただきたい。

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淡々とした日常の振り返り部分と本の紹介。
たくさん知らない本が紹介されていて興味深かった。
優しかった父の思い出、すぐ否定的なことを言う
母との関係。少し自分と重なるところがあって
胸がザワザワした。家族とは不思議なもの。
どんなにうまくいかなくても切れない縁。
どんなに好きでもいつか別れが来る。どxひらにしても
うまく上手につきあっていきたい、どんなことを
この本を読みながら思った。

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私にとっては謎の作家さん岩瀬成子さんのことが少しわかって、ほっとした。
そうかあ、そんな作家さんだったんだと、彼女の様々な作品をまた読み返したくなった。
中にこう書かれていた。
本を読んでいると、ときどき頭のなかで火花がぱちぱち散ったり、小さな竜巻が起きたりする。それが嬉しくて本を読むのだけれど、それだけでなく、本はときどき杖にもなってくれる。気づかないうちに支えられている。
この文章は、図書室に書き出して掲示したいと切に思った。
それにしても、読んだことのない本が多く引用されていて、この作家さん独特の感覚はこういった本から培われていったのだなあと思った。
もともとが、雑誌「飛ぶ教室」の連載だったとのこと。なるほどなあとさらに納得してしまった。

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大作家の由来が明るみになる書。

私が一番驚いたのは高校文芸部で
書くのが苦痛だったというくだりですね。

「いやこんな言葉じゃなく」と
すぐに打ち消す表現へのこだわり。

これは頑固で生きづらさを抱えていた
著者の性格と密接にリンクしますが、
だからこそ作家への道が開けたのだと
私は感じました。

父が遺した「本を読む賢い子になれ」
という言葉と、母の読書にだけは
目くじらを立てない独特の向き合い方も
その後の生き方を変えた印象です。

著者自身は誰にもわかってもらえない
苦悩をさんざんに抱え続けていた反面、
それがあったからこそ、のちの
たくさんの読者の共感を呼び覚ます
ストーリーたちが生まれたのですね。

鮮明な幼少時の記憶にも驚かされました。
圧倒されるしかない観察眼。
その芽は幼児の頃から際立っていいて
だから普通の感性では書けない気持ちを
掬い取れるのだと気づかされましたよ。

そして、自身のあゆみに絡めた
本の紹介がもたらす相乗効果たるや!

もう、読みたい本が増えすぎて困るほど。

特に破天荒少女が闊歩する筋書きという
『こちらあみ子』は即、お取り寄せ。

もう一つ挙げると『夜が明けるまで』。
戦時下の奇矯な反骨ぶりに惹かれました。

『エブリシング・フロウズ』や
『夕焼けの国』なども積読リスト入りです。

赤塚不二夫や二宮由紀子の漫画も
読んでみたくなりましたよ。

この本のおかげで、親として
良かれと思ってしていることを
今一度振り返りたいと感じました。

解りあえない不幸が残すしこりを
十二分に知ることができたので。

一方で、しこりは違った生き方へ導く
幸福の種になりうることも学べた気がします。

(対象年齢は12歳半以上かな?)

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