ホシムクドリがうたう歌
オクタヴィー・ウォルタース
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刊行日 2024/10/27 | 掲載終了日 未設定
ハッシュタグ:#ホシムクドリがうたう歌 #NetGalleyJP
内容紹介
◆2022年「銀の⽯筆賞」受賞作品
目の前にひろがる世界を見わたしてごらん。人生はこんなにも美しいものにあふれている。
歌をうたおう、ホシムクドリはおもった。
こうやってみわたせば、せかいはすてきなものにあふれているという歌。それをみんなのまえでうたうんだ。
ナラの木にすむキツツキにはなしてみた。
そういうことなら木についてかならずうたってもらいたい、とキツツキは言った。天と地のあいだにぴったりとおさまってどんなふうに空をささえているか。きをつけていると、みえてくるから…
自分が美しいと感じるものを歌にして、みんなにも教えたい。そんなホシムクドリに対して、「そういうことなら」とほかの鳥たちもそれぞれの見ている世界にある美しさ、素晴らしさを次々に教えてくれました。フクロウは夜の色の複雑さを、カモのお母さんは生きていくことの簡単さを、コマドリは命の終わりと始まりを。そうしてできた歌は…
なにを美しいと思うかは、ひとそれぞれに異なるもの。他者の多様な視点を受け入れ、少し見方をかえるだけでも、今まで気づかなかった美しさ、知らなかったすばらしい世界が、もっともっと見えてきます。
⽿をすませば、きこえる。⽬をこらせば、みえる。––きみにもみえる?
オランダの版画家で、作家でもある著者がはじめて手がけた児童書です。イエローが映えるモノクロの版画は、読み手の想像力を広げてくれます。文章もふくめて一つの絵のような、芸術的な絵本。
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オクタヴィー・ウォルタース作
オランダの作家、版画家、イラストレーター。大学で法律とオランダ語・オランダ文学を学び、2016年に小説『Voorland』で作家としてデビュー。2020年には自身のうつ克服の過程とコロナ禍のオランダを切り取った『Slot』を発表。3作目、初の絵本となる本書は、オランダ語の優れた児童書に贈られる「銀の石筆賞」を2022年に受賞したほか、各国で翻訳刊行され、さらに2024年のIBBY(国際児童図書評議会)オナーリストに推薦されるなど、国内外で高い評価を得ている。2024年初めに新作『Dit gaat nooit voorbij』が刊行された。オランダ南部のルールモントに在住。
塩﨑香織訳
翻訳・通訳者。オランダ語、英語、ドイツ語の翻訳を手がける。訳書に『トリはしんだ』『雪だるまルートヴィッヒのねがいごと』『ゆりかごになりたい、とヤナギは言った』『ふしぎの森のふしぎ』(化学同人)、『メタゾアの心身問題』『皮膚、人間のすべてを語る』(みすず書房)、『アウシュヴィッツで君を想う』(早川書房)、『世界一ゆかいな脳科学講義』(河出書房新社)などがある。オランダ南部、ベルギーとドイツとの国境近くに在住。
おすすめコメント
大空を飛ぶホシムクドリにとっての美しいものは、空から見下ろす景色。では、夜に活動するフクロウはなにを美しいと思っているのでしょうか。クジャクは?子連れのカモは?立場が違えば見えてくるものも変わります。あなたが誰かにお薦めしたいと思う身近な美しさはなんでしょうか。
大空を飛ぶホシムクドリにとっての美しいものは、空から見下ろす景色。では、夜に活動するフクロウはなにを美しいと思っているのでしょうか。クジャクは?子連れのカモは?立場が違えば見えてくるものも変わります。あなたが誰かにお薦めしたいと思う身近な美しさはなんでしょうか。
販促プラン
・オランダの優れた児童書に贈られる『銀の石筆賞』を受賞。
・黒を基調に差し色の黄色が美しい版画は、アート作品としての楽しみ方もできる。
・身近にある美しさを、自分なりの見方で発見し、人に伝えることの素晴らしさと、他者の多様な視点を受け入れることで広がるあらたな世界について。
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是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!楽しみにお待ちしております。また、SNSにも(#アチェロ絵本)にてレビューをご投稿おまちしております。
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3冊ご注文くださった書店様にはpopをお送りいたします。
order@acero-book.com
までお問い合せ下さいませ。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784911344026 |
本体価格 | ¥2,200 (JPY) |
ページ数 | 26 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
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淡々とした文章と、リアルな鳥の版画で、世界の美しさを描く。
ホシムクドリが歌うのは、キツツキが話す木のこと、フクロウが語る夜の色のこと、コマドリが教えてくれた枯れる花の美しさ、カモが語る生きることの簡単さなどなど、世界にあふれている美しいものたち。
黒と白が大部分の版画なのに、淡々とホシムクドリが集めていく素敵な世界の粒たちが、最後にはキラキラと輝いて見える不思議。
心が洗われる絵本でした。
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この絵本を開いてビックリしたのが、登場するいろんな種類の鳥が黒一色で描かれていたことです。調べてみたら、この本の作者は版画家なのだそうです。だからだったのですね。フクロウやツバメやコマドリは黒一色ですけど、ホシムクドリだけはクチバシと脚が黄色で、そのコントラストがとても美しいのです。
ホシムクドリという名前を初めて聞いたので、調べてみたら、普通のムクドリよりもやや小型で、暗い体色に星状の斑点があるので、こういう名前なのだそうです。
日本では街中で数多くのムクドリが集まって鳴くのがうるさくて害鳥扱いされていますけど、一羽で鳴くなら、きっと可愛いのでしょうね。
様々な鳥たちから、木についてとか、夜の色の複雑さについてとか、いろんなリクエストをもらいます。それぞれが大事だと思っていること、愛していることをホシムクドリに託したのですね。
ホシムクドリが歌ったのは、どんな歌だったのかしら?
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モノクロなのに鮮やかな美しい色を感じる絵本でした。
「歌をうたおう、ホシムクドリはおもった」そう思いついたホシムクドリは、ほかの鳥たちに美しいものはなにか?と聞いていきます。
鳥たちは自分が美しいと思うものを教えてくれます。
モノクロの世界の鳥たちなのに、それぞれの鳥たちの美しい色や景色の美しさを感じました。
鳥たちの話を聞き、ホシムクドリはいったいどんな歌を歌うのでしょうか。
最近美しいと感じたものはありますか?私が最近美しいと感じたのは満開に咲いている椿です。よく見ると身の回りにはたくさんの美しいものであふれています。美しいと思う基準は人それぞれですよね。ホシムクドリは鳥たちと話すうちに大切なものを見つけていきます。
私にもホシムクドリの歌を通して美しい景色が見えました。素敵な歌をありがとうございました。
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世界の素晴らしさを歌いたいホシムクドリ。様々な鳥に、それは何かを聞いて回る。そして、素晴らしいのは世界だけではないことを知り、歌う。それはどんな歌だろう?
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白と黒のコントラストの絵が、物語をくっきりと浮き立たせている。空の白さが眩しいほどに。その中で、ホシムクドリのクチバシと脚の色がチャームポイントになっている。
ホシムクドリは歌いたかったのだろう。どれほど「世界」が素晴らしいかと言うことを。ホシムクドリは様々な鳥にリクエストを尋ねていく。きっと、世界の素晴らしさをより具体的に知り、それをはっきりと歌にしたかったからだろう。
そして、素晴らしいのは「世界」だけでないこと、内面にもそれがあることに気づいていく。そのきっかけを与えてくれた、カモのお母さんに感謝を。
だからホシムクドリは、あれほどはっきりと、「全て」の素晴らしさを、空の高みから高らかに歌うことができたのだろう。
そして、ホシムクドリの最後の一言。それは、本当に大切なこと。私達がこれから見つけていくこと。ホシムクドリに追いつくために。
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ホシムクドリが歌う自然の声が、聞こえてくるような版画の絵の世界に魅了されました。
読んでいて、見過ごしていた自分の身近なことを、見直したくなりました。
黒と白のシンプルな色使いは、かえってそれぞれの鳥の特徴がより明確に伝わり、一つの世界観の美しさがとても心に残りました。
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極力色を抑えた版画が、逆に色彩を想像させるという不思議を味わいました。
ホシムクドリの嘴の差し色は、歌を歌うということの象徴でしょうか?自分の歌のために、ヒントをくれたたくさんの鳥たち。美しいと思うもの、大切だと思うものの違いが世界を重層的に見せてくれます。わたしたちの生きているこの世界は、こんなにも美しいものがあると気づかせてくれる歌になtたことでしょう。
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モノクロ版画に黄色が映える絵本。豊かな森を軽やかに飛びまわり、キツツキ、カワセミ、コマドリなど、たくさんの鳥に話しかけている。この星を支えているすべてのものへの感謝を歌で伝えるために。作者の住むオランダの街には、今年も北の空からホシムクドリがやってきたのだろうか。夏羽の光沢、星状の斑点、季節によって色が変わるという印象的な黄色いくちばしを版画にして残したかったのだろう。やさしい瞳のフクロウに教わった夜、闇はあらゆる色が混じりあっている、その趣深さをどう歌で表現したのだろう。森の囀りに私たちも癒されている。
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せかいはすてきなものにあふれているという歌をうたう。
それだけでも素敵なアイデアなのに、ホシムクドリはいろいろな鳥にそのはなしをする。
すると鳥たちは自分のせかいのすてきなものを、はなしてくれる。
鳥たちは翼があってどこにでも飛んでいける存在だと、私は思っていたけれど
それぞれが生きる世界のなかできちんと地に足を付けて自分の周りに感謝しながら
生きているということに驚き、嬉しくなった。
きっとホシムクドリもそう。
そしていろいろな鳥に話をする。「アイデアの共有」だ。
教えを乞うということでもなく、一方的にあなたの話を歌に盛り込むからということでもなく。
立場の平等と視野の広さ。
まわりのすてきなものには、「モノ」「心」とあることを知り、そして歌い上げる。
まるい大地の歌。
これをみなで歌える、みながきこえる世の中であれと、願う。