神さまの通り道 よみがえらせてはいけません
村上しいこ/作 柴田ゆう/絵
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刊行日 2024/12/16 | 掲載終了日 2024/12/22
ハッシュタグ:#神さまの通り道よみがえらせてはいけません #NetGalleyJP
内容紹介
ギョウザが大好きで、人の道に反したことをすると
歯を痛くするヘンテコな神さまと、心優しいおきらく小学生の
ちょっといいはなし、シリーズ第2作。
小学生のガンちゃんのへやにはなぞの神さま、スーさんもすんでいる。
ガンちゃんは、クラスメイトから死んでしまったペットのウサギにあいたいという
ねがいをきいて、スーさんに相談したけれど、スーさんはだめ、というばかり。
そうこうするうち、スーさんのともだちの神さま、クニさんもやってきた。
ガンちゃんは、クラスメイトのおねがいをかなえることができるのか?
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「あいたいペットに、あえる場所が、神さまの国のどこかに、あるんじゃないのかなとか思って。」
「なかなか、いいカンをしておる。」
「えっ、やっぱり!」
頭のなかに、よろこぶ芽亜里ちゃんの顔がうかんだ。
「しかし、だめだ。」
スーさんが、ギュッと口もとをひきしめた。
(本文より)****************************************************************
出版社からの備考・コメント
ここに掲載している作品データは刊行前のものです。
刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。
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【著者紹介】
作 村上しいこ(むらかみしいこ)
1969年三重県生まれ。童話から小説まで幅広いジャンルで活躍。作品に『かめきちのおまかせ自由研究』(日本児童文学者協会新人賞)、『れいぞうこのなつやすみ』(ひろすけ童話賞)、『うたうとは小さな
絵 柴田ゆう(しばたゆう)
愛知県出身。イラストレーター。おもな装画作品に 「しゃばけ」シリーズ、「粗茶一服」シリーズなどがある。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784035307808 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
ページ数 | 151 |
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NetGalley会員レビュー
「お願い係」のガンちゃんに持ち込まれた、亡くなったペットのウサギと会いたいという願い。スーさん(スサノオトミコト)らはどうやって願いをかなえる?
大切な事を教えてくれるシリーズ第二弾。
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他力本願太ことガンちゃんのところにいるスーさんことスサノオトミコト。小さくて、ギョウザが大好物で、一見まがままで頼りなげだけど本当は? 更に今回は、同じ神様のクニさんことオオヌキヌシノミコトが手伝ってくれるた。
ただ、クニさん達は芽亜里ちゃんの願いをそのままかなえるのではなかった。
「かなしむのは、ぼんやり遠くからながめるくらいが、ちょうどいいのです。」「言葉にはたましいがあります。話せば話すほど、たましいは強くなります」というクニさんの言葉が胸に響いた。
それに続く「子どもは、わらっているのが、いちばんにあう」というスーさんの言葉も。
やっぱり神様達は優しい。本質を見抜いて物事を行い、真に言葉をかけてくれる。できることではあっても、それを文字通りかなえてしまっては本人にとって本当によいこととは限らないことを知っているから。ああ、だから今回はこのサブタイトルだったのか。
辛いことをそのまま背負いながら、人は前に進むほど強くはない。だから、本当に強い神様達はニコニコ楽しげにしながらも、しっかりと人の心を慮ってくれている。それが、神様がかなえてくれる、真の他力本願。
そう感じると、胸が温かくなった。そして、ガンちゃんとスーさんのこれからの物語を読みたくなった。
シリーズの二作目。
前作を読まずに本作を読んだが、老いていかれることなく読めた。
ヤマタノオロチを退治したことで知られるスサノオトミコトが、ギョウザが好きだったり、都合が悪くなると話を逸らしたり、おもしろいキャラクターで書かれていて親しみやすい。
ガサツで我儘なようでありながら、みんなが笑っている教室内で一人笑っていなかった芽亜里ちゃんの事を気にかけたり、その芽亜里ちゃんのことを思い、真実を伏せたり、神様らしい立ち振る舞いもあって安心する。
教室内の雰囲気が、小学生らしくて読んでいてほっこりした。
2021年『神さまの通り道 スサノオさんキレてるんですけど』(偕成社)に続く第二弾。私はこの第二弾から読んだのだが、小学生のガンちゃんとガンちゃんにしか見えない自称神さまのスーさん(スサノオノミコト)とのやりとりが十分、面白く、また微笑ましく伝わってきた。大好きな「ギョウザ」の話ばかりでガンちゃんのお願いなんて聞いてくれていなさそうなスーさんが実はガンちゃん想いで、色々と考えてくれていることが嬉しくもあった。今回はスーさんが神の国から連れてきたおだやかで上品なクニさん(オオクニヌシノミコト)が登場。この二人の神さま(スーさんとクニさん)の対比も面白い。2週間前に亡くなってしまったウサギの「プリン」にもう一度会わせてほしい、という「おねがい」をするガンちゃんのクラスメイトの芽亜里ちゃん。いくら「おねがい係」のガンちゃんでも死んだものをよみがえらせるなんてことはできるわけがない。でもそこは好きな女の子の「おねがい」だからちょっと頑張っちゃうところが小学生の男の子ガンちゃんらしい。スーさんに相談するけどいつものようにはぐらかされ、仕方なく紹介された霊媒師の人のところへ行って体験してみたりしたけど、芽亜里ちゃんの希望とは違う気がした。芽亜里ちゃんはどのような想いでもう一度、死んでしまった「プリン」に会いたい、と思ったのだろう。神さまは「プリン」をもう一度蘇らせて芽亜里ちゃんに会わせてあげることができるのだろうか。でももし神さまの力で生き返った「プリン」をこの手で抱きしめられたら?生きものの「生」と「死」ーとても難しいテーマだが、神さまだからこそ考えられた解決策がこの物語にはあった。
シリーズ第二弾。
第一弾を読んでいなかったため、読み始めは内容の理解にやや手間取った。本文の最初に、なんらかの説明があってもよいのかもと思いはしたが、物語が進むうちに少しずつ語られていくこの展開もさすがだなあと感じた。
作家さんらしい、いい意味での少し時代おくれのドタバタをまじえながら、軽快に進んでいく。なんだか吉本新喜劇っぽい印象。そこがいい!
そして、亡くなったウサギに会いたいという願い、つまり、死というものへの傾倒へと進みがちな内容を、楽しい展開のなかで、人生の喜び、生へとつなげていくあたりの語りの巧みさには、さすがにほれぼれ。
教室で大げさに読み聞かせするには最適かも。
待っていました!シリーズ2。
相変わらず掴みどころがなくてわがままでゴーイングマイウェイの神さま、スーさんとガンちゃんの掛け合いが楽しい。
クラスのお願い係であるガンちゃんに、友だちの芽亜里ちゃんがお願いした、死んだペットのうさぎに会いたいという件を巡って、てんやわんや。スーさんの友だちの神さま、クニさんまで連れてきての問題解決。死を巡る解釈を子どもたちに自ら考えさせる方法はなかなかデリケートで、個々人の経験値やこだわりの差で一律の答えを導き出すのは難しい。それでも、芽亜里ちゃんが自分で決断したことは一生彼女の宝になると思う。
スーさんの一見磊落な印象もその実神さまらしいぶれない芯が見えて、ますますわたしはスーさんが好きになりました。