朝読みのライスおばさん
作:長江優子 絵::みずうちさとみ
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刊行日 2024/11/26 | 掲載終了日 2024/12/12
ハッシュタグ:#朝読みのライスおばさん #NetGalleyJP
内容紹介
「お礼は不要! 感想も不要!」
月曜の朝の朝読みタイム、五年二組の教室に突然やってきたなぞのおばさんは、ポカンとするクラスのみんなの前で、ヘンテコな話を踊りまでつけて読んだあと、そう言って帰っていった。──なぜ五年二組にだけ来るのか? クラスのだれかの家族でもないみたいなのに? ふくらむ疑問に先生も教えてくれないので、コースケたち新聞部員でおばさんに取材すると、自分たちの知らないところで問題が発生していたことがわかってくる。そこで「読み聞かせ」と「自由読書」とどちらがいいか、クラス全員のアンケートを取ることに……。
【もくじ】
1 ナゾのおばさん、あらわる!/2 朝読みのおばさんの正体は?/3 おばさん、ふたたびあらわる!/4 本当にこわい朝読み/5 ライスおばさん徹底解剖?/6 独占インタビュー/7 読み聞かせか?自主読書か?それとも……?/8 それぞれのものさし/9 夏休みの朝読みタイム/10 ライスおばさんのアシスタントになる/11 想定外の読み聞かせ/12 ライスおばさん、空を飛ぶ/13 米粟米子が〈ライスおばさん〉になったとき/14 朝ごはん作戦/15 ぼくたちの朝読みタイム/16 それからのこと
【プロフィール】
長江優子
東京都生まれ。子ども番組の構成作家として主にNHK/Eテレの制作に携わる。2006年「タイドプール」で講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、同作にて作家デビュー。主な作品に『ハンナの記憶 I may forgive you』『木曜日は曲がりくねった先にある』『百年後、ぼくらはここにいないけど』『サンドイッチクラブ』(第68回産経児童出版文化賞フジテレビ賞)『ぼくのちぃぱっぱ』などがある。
みずうちさとみ
埼玉県生まれ。イラストレーター・刺繍作家。絵本に『ちょっとそこまで』(作絵とも)『うえきやさんがやってきた』(片平直樹/作)『おしゃべりくらげ』(あまんきみこ/作)、挿画作品に『ケータイくんとフジワラさん』(市川宣子/作) 『詩人のための宇宙授業─金子みすゞの詩をめぐる夜想的逍遥』(佐治晴夫/著)などがある。
おすすめコメント
朝の読書の時間、「自主読書」と「読み聞かせ」どちらが好きですか。 読みたい本をひとりで読むほうが好きな人もいるでしょうし、おばさんみたいなパフォーマーが現れたら次回はどんなものを読んでくれるかと楽しみにする人もいるかもしれません。
例えば朝の読書の時間ひとつをとっても、意見は様々、その日の気分で違うことだってあります。同じクラスにいても、ひとりひとり別々のものさしを持って日々を生きているなかで、みんなが気持ち良く納得できる方法はあるでしょうか? コースケたちと一緒に考えてみてください。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784652206591 |
本体価格 | ¥0 (JPY) |
ページ数 | 187 |
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NetGalley会員レビュー
小学五年生のクラスに
突如現れた謎だらけのおばさん。
一度見たら絶対に忘れない姿で
ヘンテコ絵本を歌い踊って響かせる。
何もかもがインパクト全開の
パワフルおばさんと関わる中で
こどもたちの意識が変わっていきます。
掴みがエグイ!
グイグイ引き込まれるわ~。
嵐のように現れては去っていく
不審者感満載なおばさんのことが
気になって仕方がない子どもたち。
そりゃそうですよね。
私だって「なんで?なんで?」って
なりましたもの。
そして、子どもたちは取材までして
おばさんの秘密に近づいていく。
魅力に気づかされていく。
感化されていく!
こりゃあ面白いわ~。
笑って、笑って、笑い抜いて
スッキリ元気になれましたよ。
私もあんな楽しさいっぱいの
世話焼き屋になれたらって
思わずにいられませんでした。
心に栄養がジワジワ浸透してくる
一冊ですね。
バイタリティが歩いてるような
主人公より目立つ凄キャラ。
不審者でしかなかったおばさんは
やがてどんな存在になっていくのか?
まさかの事態でもてんでブレない
おばさんの生き様とは?
いくらでも楽しめてしまう
魅惑のおばさんストーリーに
みんなでアンコールを!
次回作は『人形劇団のライスおばさん』?
それとも『絵画教室のライスおばさん』?
(対象年齢は10歳以上かな?)
ある日、朝読みに突然あらわれたのは見知らぬおばさん。風貌も紙芝居の読み方も規格外で、読み終わると「お礼は不要! 感想も不要!」と去っていく。みんなは勢いにのみこまれ、さっきのは誰なんだと正体が気になるが、そこには大人たちの思惑があるようで…。
当たり前にあったから“ある”ことに疑問も持たなかったけど、ちょっとしたきっかけから“ある”ことの意味を考える、ってのは大切な行程だなぁ、と感じました。鵜呑みにせず、ひとつひとつ確認できるって生きていくスキルがあがっていくようで素敵です。
柔軟に考え、しなやかに行動するコースケをはじめとする五年二組のみんなの姿が頼もしく、米子さんの“読み聞かせは、ごはん一膳分にはならないけど、心の栄養の一粒になる”の言葉が最後までずっしりと効いてる物語でした。
親がボランティアで行う「読み聞かせ」への謎のライスおばさん登場がきっかけ。子ども達は自分達で考え、行動し、更に親の世代にも目を向けていく。横だけでなく縦の繋がりの中で、成長していく子ども達の様子を描いた物語。
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物語が始まって途端にコケた。「桃太郎」のオリジナル前日譚からラップとくるとは! 聞いていた幸助たち5年2組の子ども達もそうだったに違いない。
でも、流れが変わってきたのはライスおばさん(米子)への独占インタビューから。幸助達は「朝読みタイム」について考え始める。
それも、様々な考えを示すだけにとどまらなかった。幸助達の経験やトラブルを経て、米子の「読み聞かせ」への想いや、読み聞かせボランティアに対する親達の気持ち、更にはそんな親に向けた米子の気遣いにまで話が進んでいくとは。
「朝読みタイム」をきっかけとした、幸助達だけでなく米子や母親達を含めた、世代を超えたやりとり、気づき、理解。そして、子ども達の行動。それが、親が抱いていた壁を取り去っていくことになる。それだけでなく、子ども達が改めて「朝読みタイム」の在り方を考えていくことになるとは。
この本を読み始めた時には予想さえしなかった、世代を繋ぐ大きなやり取りがここにあった。そしてそれが、子ども達が自身を見つめ直すことにつながっていく。何という、大きなスパイラル。上に向かって回っていくスパイラル。
この物語は、子ども達の成長を描いていくだけのものではなかった。縦方向にも広がっている物語だった。このように世代が結ばれていく事が、子ども達が自分達でよりよく生きていくための大きな力添えになるのだな、と感じた。
突如、朝読みの時間にやってきたキョーレツなキャラクターの「ライスおばさん」。
五年二組の子どもたちと一緒に、読者の方でも謎に満ちたライスおばさんの正体が気になってくる。
読み聞かせをする方とされる方、同級生のあの子とこの子。
ライスおばさんの正体を探るうちに、自分と違う立場を思うことができるようになって、こうして成長にしていくのかと思った。
クラスの中で、ちょっと浮いた感じの子や、気の合わない子同士の描き方が、自然でよかった。
終わり方が少し中途半端なような気がした。
しかし、あの出来事の中はあんなようなことが、そこら中であっただろうから、リアルといえばリアルなのかもしれない。
今時の小学校では、朝の読書の時間があるのですね。自主読書と読み聞かせの両方があるなんて、羨ましいなぁ。
とはいっても、読み聞かせのボランティアとして自分の母親がやってくることに抵抗する子がいたり、そもそも読書の時間なんていらないっていう子もいます。
そんな彼らも、ライスおばさんの魅力に少しずつ気がついてきたし、彼女の秘密がわかるにつれて、彼女に対する親しみも感じるようになっていきました。
こういうお話を朝読みの時間に読み聞かせしてもらえたら、楽しそうね。