嘘泣き女王のクランクアップ
神戸遥真
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刊行日 2024/11/05 | 掲載終了日 2024/11/05
ハッシュタグ:#嘘泣き女王のクランクアップ #NetGalleyJP
内容紹介
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神戸遥真氏による、2024/11/5発売予定の最新刊『嘘泣き女王のクランクアップ』
カメラの前で、キャラを作って笑って泣いて…
「涙」をめぐる青春部活系ストーリー!
【あらすじ】
「男なんだから、そんなに泣くなって。恥ずかしいだろ」
何気なく男友だちにそう声をかけた、中二男子の波瑠。
その言葉をきいていた同じクラスの女子たちから、放課後に
「あれちょっとひいちゃった」と噂されているのを立ち聞きしてしまう。
そんな時、クラスメイトで、映像研究会の看板女優の凛子がたまたま嘘泣きをしている場面に遭遇。
かわいらしい雰囲気の凛子だけど、
問題解決に「女の涙」を使う、実はあざとい性格だった。
波瑠は、凛子から今映研で作っている映画の主役として出演しないかと誘われて……?
【プロローグ引用】
涙はこぼれる液体でしかない。なのに、それは過剰に意味づけされがちだ。
泣いている子どもを見ればかわいそうだと思うし、
かわいい女子が涙をこぼせばどうかしたのかとつい心配してしまう。
じゃあ、男子の涙は?
「豊川くんも、泣いてみようよ」
嘘泣きの女王はそう言って、おれにむかってにこりと笑った。
【作者:神戸遥真】
千葉県生まれの小説家。「恋ポテ」シリーズで第45回日本児童文芸家協会賞、『笹森くんのスカート』(以上講談社)で、令和5年度児童福祉文化賞を受賞。第21回千葉市芸術文化新人賞奨励賞を受賞。「ぼくのまつり縫い」シリーズ(偕成社)など著書多数。
【装画:萩森じあ】
兵庫県出身のイラストレーター。
繊細なタッチを得意とし、透明感や憂いを帯びた”学生”をよく描く。書籍表紙やミュージックビデオ用のイラスト、ポスターイラストなど様々なジャンルを手掛けている。その他、展示会やアートイベントへの出展など幅広い活動を行っている。
出版社からの備考・コメント
【ご注意】 掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正がある場合もございます。ご了承いただけますと幸いです。
おすすめコメント
【おすすめコメント】
本作は、ヤングアダルト向けでありながら、令和を生きるあらゆる世代の人たちにむけた作品です。
世の中には、それって当たり前だろう、とされる考えがあったりします。でもその「当たり前」の根拠は、とても曖昧だったり、ふわっとしていたり……。
本書では、次世代の子どもたちがより生きやすくなれるように願い、その考えを問い直すテーマを選びました。
本書を青春ストーリーとして楽しんでいただきつつ、同時にちょっとだけ世の中の当たり前を見つめなおすきっかけになれたなら幸いです。
販促プラン
【販促プラン】
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784052060380 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
ページ数 | 232 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
噓泣きという言葉に抵抗がある。
なぜなら涙によって自分の主張を周りに対して有無を言わさずに認めさせたいという意志を、嘘泣きから感じ取ってしまうから。
嘘泣きが上手な女子と、男は泣かないんだと思い込んでいる主人公の物語。
演技をしていくなかで、自分のなかで整理され気づく様々な感情。そこから出てくる言葉は、嘘泣きの本質にもせまっていく。
そのさまが、面白い。
どこか架空の世界のように思いながら読んでいくと、目の前で繰り広げられているかのような現実味のなかにいつのまにか
引き込まれている。涙という感情の発露を核に、子どもから大人まで大勢の登場人物たちの気もちや行動が描かれていて、面白い。
同じ年齢層の子どもたちが読んだら、どこかに自分を見つけることができるだろう。
それによって安心したり不安になったり。小説の醍醐味である。
中二の波瑠は、生徒会の書記を務める真面目な文科系男子。
自分では、周りの空気を読み、そつなくこなしているつもりだったが、芸術鑑賞会の演劇を見て泣いた友達の真に、「男なんだから泣くな」と何気なく声をかける。
それを聞いていた女子たちが、「あれちょっとひいちゃった」「そういうとこ古そう」と噂しているのを波瑠は聞いてしまう。
自分の失言に気がつき、落ち込んでいた時、クラスメイトで、映像研究会の看板女優の凛子が嘘泣きをしているところを目撃する。
そこで、凛子に目をつけられ、どういうわけか、映像研究会の主役を演じることになってしまう。
男は泣いたらダメだけど、女の涙は武器になる?
男だって、泣きたかったら泣いたらいいんじゃないか、女は嘘泣きなんてしなくて、自分の気持ちを伝えればいいんじゃないか、性別なんて関係ないよ、という著者からのメッセージが、男らしくあらねば、女らしくあらねば、と思っている人に届いたらいいなと思った。
演技や撮影など、中学の映像研究会での様子がとても興味深かった。
意味もなく泣きたくなりました。
人前で泣くことは恥ずかしいと思っていたけど、この本を読むとそんな想いはどこかに飛んでいく。
嘘泣きで他の人をコントロールするのは良くないけど自然に流れる涙は男女関係なく、年齢関係なく、素敵な感情表現である。
親の涙を子ども目線でとらえたシーンも良かった。
恋愛物になりすぎない、甘すぎない、そんな作品なので男女問わず読んで欲しい。
神戸さんの作品大好きです。あとがきに込められた想いも読後胸にくる。
常に穏やかに振る舞っている豊川と〈嘘泣き〉名人である星野を主人公とした短編映画の撮影が始まる。それは、2人の家族への接し方の違いと〈泣く〉ことの意味へと迫っていく。
豊川と星野は架空である映画と現実である家族の両方で、何を掴み取るのか?
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〈泣く〉とは何だろう。それはどこからやってきて、誰に向かっていくのだろう。
豊川は波風を嫌うから悪目立ちを嫌い、空気を読む。そして〈泣く〉ことをしない。星野はその逆。〈嘘泣き〉などの演技で目的を達成しようとする。そう。実は2人ともキャラづくりで生きてきた。方向性は真逆のでも、きっかけは2人とも両親。
そして撮影開始。それに合わせたように、2人の家族に変化が生じる。豊川は男が〈泣く〉ことに興味を持ち始める一方、星野は嘘泣きができなくなる。この変化が演技をどう変えていくのか?
演技が中心となる映画という仮想の世界。家族の人間関係が中心となる現実の世界。ひと月の間、二つの世界を旅してきた豊川と星野。
そんな2人とその家族に、飾らず偽りもしないでいい、本当の幸せが訪れることを願う。
ティーンズ向けなので、読み心地が軽くて、始終爽やかでした!
嘘泣きの上手な女の子と、人前で泣くことを恥ずかしいと思っている男の子の話。
一緒に映画の主役を務めることになり、「泣く」ことへの考えも少しずつ、互いの考えに影響されて変わっていく二人が微笑ましい。
深刻になりすぎず、軽やかに変わっていく二人を見ていると、若いっていいなぁと思う。
最後の映画のシーンの涙が、イラストも含めて、最高に素敵でした!
いつから涙を見せずに本音をしまい込むようになったのだろう。心のドアをひとつ開けてみたら、押し込ん感情が少し楽になるよ。そう言ってもらえた気がしました。
嘘泣きよりも綺麗な涙が私の心に染み渡りました。
とても素敵な作品!これは書籍でもグッときますが、実写化したものも見てみたいと思いました。
映画の脚本が平行に語られていくあたり、そして、主人公の男女が少しずつ変化し、その変化が映画の完成へとつながっていくあたり、とっても充実した、そして感動的な作品でした。
嘘泣き女王という、その表現も秀逸。本当にできあがった映画を見てみたいなあと思いました!
性別にとらわれない価値観や当たり前は誰から見て当たり前?というメッセージが込められていた作品。
「男なんだから泣くなよ」というような発言は多分誰しも意識せずに言ってしまう時があると思う。
それを「古い考え方だよね」などと口にするのを聞いてしまった事がきっかけで最終的に「いつの間にか植え付けられていた誰が正しいと決めたのかも分からない価値観でありルール」に気付く波瑠。
泣くも泣かないもその人の自由なのに自分の価値観を押し付けることになってしまったと気付けた事は成長だと思う。
凛子も波瑠に言われた泣いても解決しないし先延ばしにしているだけという言葉にきっと思う所があったんだと思う。
困ったら嘘泣きで回避するという癖(?)を見直すきっかけになったし偶然役にハマりそうだからと声をかけた始まりではあったけどお互いに必要な出会いだったのだろうと思います。
同作者の別作品も追っているとおや、と思う小ネタ的なものも仕込まれているのでより楽しめると思います。
情けないと思われがちな「男の涙」と、武器にもなり得る「女の涙」。映像研究会の看板女優であり嘘泣きの名手でもあるクラスメイトに誘われ、短編映画への出演を決めた中2男子が、演じる事で見えてくる新しい価値観を吸収していく。古い殻を破ったり、また少し纏ってみたり、試行錯誤してはきらめく青春群像劇。
同じ中学生の彼らの目には、互いがどう映っているのか。大人びて見えたすぐ後で、ひどく危うくも見える。稚い戸惑いが擽ったくてまたエモい。演じる事を通して、人との向き合い方を考え、リアルにも反映させていく。映画撮影が「人生のリハーサル」として活かされていくプロセスも魅力的。
時代も、年齢も、性別も関係ない。感情の先に溢れる涙をどう捉えるのかは、自分次第。自己肯定感を高めてくれる物語。
学校行事である芸術鑑賞会で行われた演劇が終わって何気なく出た一言。
「男なんだから、そんなに泣くなって。恥ずかしいだろ」
相手は涙もろさに定評がある幼馴染みの真。本当に特に他意はなく、そんなもんだと思って口に出しただけなのに、偶然聞いてしまったクラスメイトの女子たちの会話で波瑠は価値観が古い、と“昭和”認定されてしまった。
しょっぱい気持ちになりながら階段を降りすぎて、これまた偶然目撃してしまった終わりかけの修羅場。そこには思わず感情が動いてしまう程きれいな涙を流す星野凛子。ただ、それは“嘘泣き”なのだが。
盗み見がバレてしまい諸々あって映研の作品作りに参加する事になる。今まででしゃばらず無難に平和に過ごしてきた波瑠の学生生活に波乱の予感が…。
知らず知らずのうちに蓄積されていた自分の中にある価値観をアップデートするにはやはり気付く事から。“こう”だと思っていたのに他人から見た自分は違ったという事実を知ってからの変化していく過程はとても健やかでしなやか。当たり前は時代とともに変化するのだから、他からのものさしで計るのではなくぶれない芯を獲得して、すでに持っている自分の中にある素敵なものを肯定できる心の余裕がみえる終わり方が良かったです。
あぁ、それにしても、家族も含めて自分以外の人との距離感って難しいな、と改めて感じました。あと、波瑠の無自覚に正論パンチ&少し天然さんなところにどうなんだろうなぁ、と思わなくはないです。もちろん良い意味で。