がいとうの ひっこし

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刊行日 2024/10/31 | 掲載終了日 未設定

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内容紹介

街には新しい大きな街灯が増え、古い小さな街灯は自分の居場所を見つけるために街を彷徨います。どこへ行っても邪魔者扱いなのです。ある時、公園に立ち寄ります。公園のベンチには様々な人が来て、そこで古い街灯は新たに明るく照らし出すところを見つけるのです。

街には新しい大きな街灯が増え、古い小さな街灯は自分の居場所を見つけるために街を彷徨います。どこへ行っても邪魔者扱いなのです。ある時、公園に立ち寄ります。公園のベンチには様々な人が来て、そこで古い街灯は新たに明るく照らし出すところを見つけるのです。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784909809612
本体価格 ¥1,700 (JPY)
ページ数 40

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NetGalley会員レビュー

用無しの古びた街灯は、明るい夜を居場所を探して彷徨う。
さびれた公園にたどり着いた古びた街灯は、一つしかないベンチに座った人生に疲れた人に聞こえない声をかける。
淡い一つの灯りの下での、温かなお話。

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星一つない、暗い藍色の夜の下で絵本が進んでいく。

古びた街灯が辿り着いたさびれた公園の、一つだけあるベンチ。そこに座ってうつむく人達は、暗くぼんやりしてしまった心の内をつぶやく。

だから、古びた街灯は体を傾けて皆の言葉に耳を傾け、受け入れ、認めていく。自分も同じだから。そして、心の重荷を肩代わりしてあげる。古びたとはいえ、今だにしっかりした金属製の体で。
だから、人々は一見独り言をしているつもりでも、長い間灯されつづけてきた、あわくても優しい光によって、再び心の火が明るく灯される。そして、しっかりした足取りで立ち去っていく。

その繰り返しの夜。古びた街灯によって何人もの人が人生を再び歩き始めた。だから、もうこのさびれた公園にはもどってくることはないだろう。
居場所がここしかない古びた街灯を除けば? いや、もうひとついた。そう。たった一つ置かれたベンチ。彼もたくさんの人の声をきいていたのだろう。そして、ゆったりと座らせて一休みさせてあげたかったのだろう。でも、みなすぐに立ち去っていった。ベンチの優しい気持ちに気づくことなく。

だから、ベンチの方から古びた街灯に声をかけたのに違いない。自分と思いを同じにする仲間にずっといてほしくて。自分が休む場所を差し出し、更に心に火を灯してくれる相手ができたのがうれしくて。それは古びた街灯も同じだったのだろう。だから、街一番寂しい広場は、今夜はどこよりも明るく輝いた。
そしてそれは、人々のために、ずっとずっと続いていくだろう。

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子どもにはもちろん、大人の鑑賞にも耐えうるお話だと思います。
絵の山田和明さん、別の本で拝見していましたが、この本でははっとさせられるような深い世界観を醸し出しています。原画展があるならぜひ観てみたいと思うほどに心掴まれました。
古びた街灯の灯りを人も街も必要としなくなってしまった時の流れ。
その間生きてきた街灯の、心許ない思い。自分の居場所を見つけ、誰かの役に立ちたいという願い。
さまよってやっと見つけた寂れた広場での出来事が彼を少しずつ変えていく。
疲れ、迷う人々の声を真摯に聞く姿は、要らないものとして追われてきた街灯だからこそできたこと。
そして最後に起きた奇跡。理解し合える最高の相手との巡り合いが待っていたのです。
ずっとひとりぼっちだったベンチの寂しさは、街灯のことばで溶かされたのでしょう。
お互いに必要とされるその満足感と幸福感で、広場は満たされました。

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全体的に濃い紺色の世界。その中に小さく灯る街灯の優しい光。
絵を見るだけでも、心が静かになって、癒されていく。

今や街は街灯がいらないくらい明るくなって、邪魔者扱いをされるようになった街灯は、居場所を求めてさまよいます。
たどり着いた先で出会う、同じく寂しい思いをしている人や物たち。
みんながどこかでホッとできる居場所を見つけられますように…という願いが伝わってくる絵本でした。

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誰だって一人ではいられない。優しさに癒される本です。

古びた街灯は明るい街では邪魔者扱い。たどり着いた寂れた広場で様々な事情を持つ人々に出会います。
街灯は人々の話を聞き、自身が放つ小さな優しい灯りのような言葉を人々にかけ、心に希望の光を灯します。元気が出ないときの明るい光は眩しすぎて、小さなほんのりとした光にこそ癒されることがある。

人々が去った後、街頭に話しかけてきたもの。ラスト雪の中どこよりもあたたかくかがやく広場は街灯の心の中でもあるのでしょう。

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とてもやさしく温かいお話でした。
街灯を必要としている人はいるし、街灯がぴったりの場所もあるんですね。
山田和明さんの絵がとてもよいです。
実際に、絵から温度が伝わってくるような感じを受けました。

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大きな街灯が立ち並び、小さな街灯は居場所を求めてさまよいます。
でも、どこへ行ってもじゃまにされてしまう。

街灯の声は届いていなくても、やさしい気持ちが通じて
こちらもうれしい気持ちになります。
ラストの絵は、温かい色合いでとても素敵。
寒い冬にぴったりな絵本。

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今や夜と言えど、街中明るすぎて街灯が必要な時間が短くなってしまったり、必要なくなってしまったりするんだろうか。
街灯の引越し理由はなんだか切なかったけれど、暗闇を照らす街灯によって心穏やかにされる人、救われる人がいることが丁寧に描かれた作品だった。
なんだか心がほっこりとする素敵な絵本。
大人にもおすすめの1冊。

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街の明かりって自分の気分が増幅される夜にあって、安心する要素が高いもの。
自分の役割が変わったら、孤立して余計にわからなくなって彷徨うこともある。
その時にイライラせず、ゆっくりと何度でも落ち着く場所輝ける場所を探すのがいい。
と、この本は優しく教えてくれる本です。

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長いこと街を照らしてきた古い街灯。
新しくて大きな街灯が増えてきて、自分はもう必要ないんだ…と居場所を探して歩き回ります。

最後にたどりついたのはさびれた広場のベンチの隣でした。
やってくるのは、同じように自分の居場所に自信をなくした大人や子どもたち。
古い街灯に優しく照らされて、みんな元気を取り戻していきます。

誰かの役に立てるって嬉しいことです。
自信をなくしてしまいそうな時にも「ありのままのあなたも輝いている」「あなたの明かりをを必要としている人がいる」と優しく寄り添ってくれているようです。

優しいタッチで描かれた絵と、まっすぐであたたかい言葉で、子どもから大人まで、世代を超えていろんな人の心に長く響く絵本だと思います。

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