王様のキャリー
まひる
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刊行日 2024/08/20 | 掲載終了日 2024/07/02
ハッシュタグ:#王様のキャリー #NetGalleyJP
内容紹介
// 審査員絶賛の第64回講談社児童文学新人賞受賞作、ついに書籍化!//
憧れのeスポーツプレイヤーは、車いすに乗った少年だった──!
読む者の心を震わせる
「王様」と「家臣」の友情ストーリー!
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「キャリーしてやるって言ってんだけど」
中学二年生の勝生には、最近ハマっているeスポーツのストリーマーがいる。
名前は「lion」。
不遜な態度と、見るものを魅了するプレイングから、ついたあだ名は「王様」。
ある日訪れた病院で出会った車いすに乗った少年の声は、lionそのもの。思わず正体を確かめた勝生に、lionことリオは、「ゲームでキャリーしてやる」という。
ゲームを通じて友情を深める二人だが、ある日、大会の招待状が届き……。
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著者/まひる
2015年に第4回角川つばさ文庫小説賞一般部門金賞を受賞し、改題・改稿した『らくがき☆ポリス(1)美術の警察官、はじめました。』で2016年にデビュー。2023年に本作で第64回講談社児童文学新人賞を受賞。
絵/こりゆ
関東在住。2023年よりフリーのイラストレーターとして活動している。
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出版情報
ISBN | 9784065364949 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
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互いのリスペクトが、ちょっと距離のあった空間の湿っぽい空気をカラッとさせる。単なる爽やかなどという感じとは違う独特の空気感にすっかり包まれ、読み手の目頭を湿っぽくさせる。シンプルな構成が、かえってそれぞれのキャラクタを際立たせていている。インクルーシブなどと、言葉だけが先行している教育現場で読んでもらいたい良作。
e-スポーツだったり、車いすで公共交通機関を使って移動するときの苦労など、知っているようで知らない世界を垣間見ることができて、とても有意義な読書ができた。
様々なゲームが出てくるのだが、話の腰を折ることなく、わかりやすく解説してあったので、ゲームに疎いわたしでも置いていかれることなく楽しく読めた。
車生活を送るリオの、どこにも持っていきようのないイライラが、彼を王様キャラに作り上げたということが、とても自然に理解できた。
気持ちを抑えがちだった勝生が、リオと関わることによって、少し自分の気持ちを出せるようになったのがよかったが、勝生の学校の友だちとの関係も、隠し味のように効いていたと思う。
車椅子のeスポーツプレイヤーのリオと彼に憧れる勝生の友情の物語です。
私もこういうゲームにハマった時期があり、ゲームで知り合った友人にキャリーしてもらいながら遊んでいたことがあります。私はずっと隠れているばかりでしたが、回復してもらったり、まぐれでも最後まで生き残れたら嬉しくていい思い出となっています。
リオは本当に王様のような発言とゲームスタイルなのに、リオにも勝生に見られたくないところもあります。リオはどれだけの人に頭を下げてきたのかと思うと胸が締め付けられました。
それに対してリオへの純粋な憧れと、家臣と言いながら一緒にいる勝生の純粋さに救われました。
でも勝生が単純にいい人というわけでもなく、友達に「弱いと思われれて気遣われるの、けっこう嫌だぜ」と言われたりもします。こういう言いにくいことを言ってくれる友達っていいですよね。
「別に悪いことしてねえんだから、謝んなよ」このリオの言葉に私も気付かされました。
私は昨年怪我のため手術をし、入院中は車椅子生活で、退院してからもしばらくは松葉杖で生活しながらリハビリを続けて来ました。
手術前は気にしたこともなかった段差のある道が通れない、手すりのない階段の上り下りが大変であること、雨の日は滑る場所があるので外出できないなどなど物理的なことで苦労する日々でした。
でも、もっと大変だったのは心理面の負担でした。杖をついていたら蹴られたり、早く歩けなくて後ろから文句を言われたりと、どれだけリハビリを頑張っても人に迷惑をかけているという負い目に負けそうになりました。この夏また手術が必要でこれからは自分でトレーニングを続けるのですが、ひとまず今日で通院のリハビリが終わりました。リオの言葉に色んな思いが蘇り、今日この作品に出会い泣かないなんて無理です。
リオの気持ちも分かるし、勝生の思いも伝わり何度泣いたか分かりません。自然と涙が流れるたびに心が浄化されていきました。私の抱えていたストレスもこれからは少しだけ軽くできたらと思います。
真の意味のバリアフリーっていったい何でしょうか?私はこの一年ずっとそのことを考える機会を与えられていたのだなとこの本を通して思いました。私も勝生のように誰かのために道を開けられる人でありたいです。
この作品に出会えて本当に良かったです。ありがとうございました。
同情なんかじゃない。
哀れみでもない。
ただそうしたいから支えるんだ。
そんな主人公の心の声が
聞こえるようでした。
控えめで温和な中学二年生が、
自己主張の塊のような少年との
関わりで思わぬ影響を受けていく
ストーリーです。
優柔不断だった主人公の
燃え滾る決意に胸を打たれ、
傲慢に見えた少年の
悲痛な叫びには心のど真ん中を
射抜かれました。
えげつないほど琴線に触れまくる
作品ですね。
ありありと浮かぶシーンの数々。
あこがれの配信者を前に
おたおたする主人公に笑いを誘われ、
ともに高みへと駆け上がるシーンでは
驚くほどワクワクが伝染してきました。
それだけ真に迫っていた。
だからこそ衝突シーンの迫力も
ラストの沁みかたも尋常じゃないんです。
心の奥までガツーンとやられました。
なんてハートフルなんだよぅ…。
題材だけでなくユニークな友人関係も
目に新しい本作。
eスポーツを軽くみたり、
撃ち合うようなゲームに眉をひそめる
向きもあるとは思います。
けれど、まずは読んで欲しい。
食わず嫌いではなく、
彼らの歩みを見て、感じて、
この物語のすばらしさを
知ってもらいたい。
そう思わずにいられないほど
魅力の詰まった作品でした。
(対象年齢は10歳以上かな?)
新鮮で挑戦的な題材、簡潔で無駄のないそれでいてぐさりぐさりと伝わる台詞回しと表現、二人の主人公のキャクラーの妙、さすが講談社の新人賞だなあと素直に納得しました。後半、二人がぶつかり合うシーンなど、生の感情がびしびし伝わってきて、二人の会話自体の変化とともに、すごいなあと感動しました。そしてもちろん、ゲームシーン描写の的確でわかりやすいこと! ゲームをよく知らない人にもまさにその場にいるような感覚をもたせます。おもしろかった~!! そしてそして、王様のキャリーというこのタイトルのもう一つの意味がわかる場面では泣いてしまいました。よかったです!!
詳細に感想を述べ続けると、ネタバレになりそうなのでここまでにします。読ませていただきありがとうござました!
まるでボカロ曲をMVを視聴しているかのよう
あのシーンよかったな あのヤリトリ好きだなと何度も読める
頭を下げて謝ること 目を見て感謝を伝えること たしかにどちらも御礼なんだよね
誰にでもある
想いを声にして伝えることの難しさ
伝えた先の答えを考えてしまい
伝えられない想い
顔を上げ前を見ること かかとを上げ前に踏み出すことって ね なかなか勇気のいることだから
うんうん よかったねぇ 二人は出逢えてよかったねぇ 読み進めるうちに 増えた想いで拭うほどに泣けてきた
ヤバい…。この物語、大好きだ…!
読み終わり直後、顔面ぐしゃぐしゃになりながら強く感じました。
WGBというアクションゲームの配信をしている俺様気質な王様“lion”と、気の弱さはあるけど天然で柔軟なおおらかさを持つ“勝生”。二人は偶然病院のロビーで出会い、一緒にゲームをする仲になる。
普段ゲームを嗜むわけでもなく、eスポーツについてもほぼ知識がない自分でも興味深く飽きずに読めたし、俺様気質な王様と天然家臣の出会いが友情を育んでいく展開もテンポよくておもしろかったです。
p105神崎くんの「弱いと思われて気遣われるの、けっこう嫌だぜ」のひと言は、思ってもみない方向からふいに何かが飛び出してきたようでずしんときたけど、よく考えてみたら自分も最初から“出来ない”と判断されたら少し淋しいかも。
後半、大森さんとの会話でパッと視界がひらけるというかクリアになった瞬間、かなしいわけじゃないのに流れてしまう涙を堪えることが出来ず、そのまま怒涛のラストへ向かっていくスピード感が素敵です。
ひと足早く読ませていただき、ありがとうございました!
今の中学生はいわばFPS第一世代。異世界ものや悪役令嬢より、物語の共感度が高く、心に入ってくると思います。もしかしたらこの作品は、新しいジャンルを切り開く第一の物語として世に広まるかもしれません。
気遣い屋さんで考えすぎてしまう勝生と、傍若無人で言いたいことをはっきり言うリオ。家臣と王様。二人の対比を感じつつ物語は疾走感とともに進んでいき、あっという間にクライマックスへ。一気読み必至の、今どきeスポーツストーリー!
ゲーム(eスポーツ)はまったく知らないのに、ゲームの中のシーンをストレスなく読み取ることができた。それだけでも作者の力量がわかるけれど、この物語のほんとうのすごさはそこではない。ゲームの世界での「王様」と「家臣」である中二の少年二人の、リアルでの友情とぶつかりあい。「悪いことをしていないのに謝る」ことを強いられている車椅子ユーザーの視点。「傷つけることを恐れて言葉を飲み込んでしまう」主人公にある、無邪気な偏見と無理解。二人はそれを乗り越えていけるのか? 期待を持って最後まで一息に読み、感動した。ゲーム好きの子どもたちならもっと没入して読めるだろうことは想像に難くない。
ゲームのことは全く知らないし興味も全く無かったが、夢中で読んでしまった。eスポーツってこういう感じなのか…
主人公少年、聡明なのに遠慮がちなところがリアル。車椅子少年との交流と友情、諍いなど場面毎丁寧に描かれており共感したりハラハラしたり…完全没入。電車の中で読んでいたが、途中涙が止まらなくなり家で読めばよかったと後悔したほど。小中学生にはぜひ読んで欲しい。
eスポーツの物語ってあまり見かけないのでありがたいです。でも、このお話多分eスポーツが主軸ではないんだろうな、と思いました。
自分と違う人の気持ちを完全にわかることは難しく、あくまで想像で察するしかない。だからこそ、私は最後の「自分は道を開けただけ」「ここまできたのはリオ」という言葉が深く沁みました。
車椅子うんぬん関係なく、ただ友人兼尊敬するゲーマーとして接した勝生と、オーモリに行ってみたり大会に出たりと少しだけ前に進もうとしたリオ。物語が進むにつれ、垣根のない友情が築かれていく様子が、見ていて楽しかったです。
周りを気にしすぎて意見を通せない中2の勝生が、病院で出会った車椅子の少年は、まさかのハマっているeスポーツの推し配信者で―――。ゲームを通じて現実世界をも広げていく、逆算思考を培う友情の物語。
弱気な勝生と強気な王様。正反対の二人の長所でもあり短所でもある特性が絡み合う興味深い展開。当事者しか見えない視点もあれば、第三者にしか見えないものもある。当たり前の価値観も人それぞれで、そういうものを少しずつ無理なく寄せていく“苦労と幸せ”に心を掴まれた。
内容がゲームだから、世の親御さんたちの中には難色を示す方も居るかもしれないが、この持ちつ持たれつの「キャリー」は人生のあらゆる場面に必要な人と人との助け合いを具現化したもので、子供たちが大切な事を楽しく学べる良質なテキストになると感じた。
凸凹したろくでなしの世界を平らかにしていく未来の希望たちに、まっさらな気持ちで涙が溢れた。
各章の深く響くシーンを使った章題のセンスも最高。
発売日的にこの夏は厳しいが、小学校高学年くらいからの読書感想文にもオススメ。
中学生が主人公の小説の多くは、部活やクラスでの人間関係が核となっているが、本作はそのどちらでもないところが新鮮だった。
物語のキーとなるシューティングゲームについてほぼ知識はなかったが、勝生とリオのやり取りを読むだけで十分理解することができた。
リオのゲームの手腕に憧れ、障がいのことはあまり目に入らない勝生と、自信家ながら自身の障がいに屈託を抱えるリオ。
不器用ながらも互いを思いやり、相手の為に何ができるかを一生懸命考える姿に胸を打たれた。
本を読みなれない生徒でも読みやすいページ数で、内容的にも引き込まれる作品だと思う。
しかし正直なところ、世界中で起きている紛争を考えると、いかにeスポーツと言えどシューティングゲームに夢中になられるのは複雑な気分になってしまう。世代間ギャップなのかもしれないが...
Netのシューティングゲームで憧れていた人がが自分とほぼ同じ年齢で身近に住んでいたことを知る勝生。
lionとオンライン上のゲーム仲間から呼ばれてるリオは車椅子に乗る身体障害者で、
外出すると周りの人の気遣いにお礼の言葉を言わないといけないことにストレスを感じてる。
お互いがお互いのことをもっと仲良くなりたいけど上手くいかない歯痒さがよく分かる。
物語が進むにつれてそういう気持ちが少しずつなくなっていく過程が自分の実体験でも活かせそうに思う。
まだまだ解決しなければいけない問題はたくさんあると思うけどちょっとずつ時間をかけて解決できると思う。
ゲームをしないわたしでも、その緊迫感や臨場感を味わうことができました。ゲームの高いスペックを持つ車椅子の少年リオと偶然知り合った勝生。ちょっと引っ込み思案で他人に対して強くう踏み込めない勝生が、リオとゲームをするうちに感じ、考え、自分の内面に向き合っていくようすが細やかに描かれる。リオもまた王さまとしての立ち位置を内省するようになっていく。きついことばで勝生にものを言うのもリオなりの自分への鼓舞なのだ。ふたりの友情のバランスが育っていくのが嬉しかった。観察眼、決断力、瞬発力など、e-スポーツの醍醐味も味わえて、終始胸を高鳴らせながら読みました。