夏がいく

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刊行日 2024/06/20 | 掲載終了日 2024/06/19

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内容紹介

青春×三角関係×江戸時代

舞台は、江戸時代の旅籠。優太(わたし)は12歳で跡とり息子。最近、寺子屋で出会った清吾という侍の子といっしょに、旅籠に出没すると噂される幽霊をつかまえることになった。それをきっかけに、優太と清吾は仲良くなるが、一方、幼馴染の小町娘おきくをめぐって、二人のあいだには気まずい雰囲気も生じる。幽霊騒動の展開とともに、清吾、おきく、そして優太それぞれが抱える家族の秘密も明かされる。友情と、恋愛と、成長を描く、心揺さぶられる青春時代小説。

青春×三角関係×江戸時代

舞台は、江戸時代の旅籠。優太(わたし)は12歳で跡とり息子。最近、寺子屋で出会った清吾という侍の子といっしょに、旅籠に出没すると噂される幽霊をつかまえることになった。それをきっかけに、優太と清吾は仲良くなるが、一方、幼馴染の小町娘おきくをめぐって、二人のあいだには気まずい雰囲気も生じる。幽霊騒動の展開とともに、清吾、おきく、そして優太それぞれが抱える家族の秘密も明かされる。...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784652206324
本体価格 ¥1,500 (JPY)
ページ数 184

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NetGalley会員レビュー

寺子屋にかよう優太と清吾が幽霊騒動に巻き込まれた。生き生きとした江戸庶民の暮らしの中、いつの時代でも変わらない子どもの友情と愛情と成長が描かれていく。
更にDVや高齢者問題など現代的課題さえ取り入れている事に脱帽した。

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ちょっとしたやり取りなどに、江戸時代の庶民の日常が伝わってくる。更に、武芸から学問へと時代が変わっていく様子まで。児童文学としておくのはもったいないほどに。

最初の清吾の態度は他人にいい感じを与えるようなものではなかった。でも、優太と話が続くようになるとその実直さがわかってきた。後に人と距離を置かざるを得なかった清吾の理由を知れば尚更。

幽霊騒ぎが一件落着し、2人が交わす言葉遣いも壁を感じないものになるが、そこにおきくが加わり3角関係に。優太にとって辛い展開が続く。友情と愛情と成長は、どの時代の子どもでも経験していく通過儀礼なのだろう。

更に現代にも繋がっていく問題が語られていく。父子家庭での対立、DV、そして高齢者問題。

それらを乗り越えたと安心した所で明らかとなった、優太の秘密と幽霊騒動の関連。更にこの時代らしい複雑な事情に言葉を失った。

大人に近づくのは「悲しいのに笑う」だけではない。「自分の道を決めること」。それを優太と清吾は、硬い決意をもって実行した。それこそ、成長した証。

舞台は江戸時代。でも子ども達が歩む道、ぶつかる壁はどの時代でも変わらない。だからこそ、我々大人は、それを見守り手助けをして、次の世代を育てて行かなければならない、そう思った。

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旅籠屋の跡取り息子の優太と幼馴染のおきくと寺子屋で親しくなった清吾のある夏の出来事。
三人の幼い時の恋話かと思ってどんどん読み進めていたら徐々にそれぞれの悩み事が明らかになっていく。
本当にこんなに深い話だと思ってなかったので最後にホッとする結末になっていてただただ良かった。
親からのDVに、認知症になっていく親の介護問題、後継ぎとして自分のことを殺して家を最優先すること。
現代にある社会問題をうまく炙り出して読者への問いかけが見事です。

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旅籠の跡取り息子・優太と、幼馴染の少女・おきくと、寺子屋で出会った侍の子・清吾と―――身分の異なる三人の子供たちが、現代にも繋がる深刻な社会問題に悩まされながらも、一歩ずつ歩みを進めていく、かけがえのないひと夏の輝きを閉じ込めた青春時代YA小説。

控えめな優太、真っ直ぐ芯のある清吾、年頃のこじらせを発揮するおきく、三人のもどかしい距離感に懐かしい気持ちを呼び起こされた。
メインの三人以外はさらりとしか出ないが、読後も皆しっかりと記憶に残っていて、少ないページ数の中でここぞというタイミングで仕留めてくる描写がとても良かった。

三角関係の恋のほかにも、旅籠の幽霊騒動の真相と、それを越える予想外の展開と、意外性もあってどこをとっても楽しめる作品。
大人びた彼らの真実を写すような、要所に挿入されたイラストにも温かさを感じた。

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時代物の児童文学でティーンズの青春ものとは、ありそうでなかなかなかった!旅籠の跡取り息子優太は、亡き兄弟亮太の秘密を抱えている。そして寺子屋の新入り、侍の子清吾もなにやらわけあり。そんな生まれも性格も異なるふたりは幽霊騒動をきっかけに親しくなるが、幼なじみの娘おきくをめぐって恋がたきに。これは、現代ものに置き換えても、胸キュンの夏恋物語!食や文化など江戸情緒あふれる描写もいい。そして、ティーンズものと思って侮るなかれ、ラストへ向かっていくつもの謎解き要素があり、結末まではらはらドキドキが止まりませんでした。

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青春時代小説。友情と恋の絡み具合が絶妙で、12〜13歳頃の少年少女の心のひだが初々しく描かれる。しかしながら、身分制度の元、彼らはずいぶん立場や役割を弁えて、縛られているものも多く、現代の子どもたちとは別の苦労を背負っているのも確か。寺子屋仲間の優太と清吾、そこに優太の幼馴染のおきくが絡み、恋心は揺れに揺れる。武士の生き方、江戸の世の中の風、商家の内実、認知症と思しき病にも触れ得て、なかなかリアリティーがある。幽霊騒動をきっかけに仲良くなったふたりだが、行く道は別々。早く大人にならねばならない彼らが少々不憫でもある。優太の思い出語りのひと夏が輝く。

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優太は旅籠・うらざと屋の跡とり息子。幽霊騒ぎのせいで同じ寺子屋の源三にしつこく「うらめし屋」と揶揄される日々に辟易していた。そんな中、新入りとしてあらわれた河村清吾。商人の子が通う寺子屋に侍の子は珍しい。しかも、ファーストコンタクトで感じが悪い。なんだかがっかりする優太だけど、その後、ちょっとしたきっかけで助けられ心の距離を縮めていくが心安らかな日々はとてもとても短かった…。

立場も未来もままならない、道を切りひらきたくても“子どもだから”とねじ伏せられてしまう、経験も力も不足しているのが余計に悔しくて、じわりじわりと身がねじれるような気持ちに何度もなりました。
時代は違えど、小さな存在が抱える困難はいつも小さくなく、それでも最善を目指して歩みをとめない姿が眩しかったです。
おとないさんの美麗な挿絵が、普段、時代ものをあまり読みつけない小さな読者にも頭の中でシーンを浮かべやすく、物語を読み進め理解する一助になっているのも良かったです。

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