いつかの約束 1945
山本悦子/平澤朋子
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2023/06/30 | 掲載終了日 2024/05/31
ハッシュタグ:#いつかの約束1945 #NetGalleyJP
内容紹介
第70回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 小学校中学年の部
ある夏の日、みくとゆきなが同じ9歳のすず(でも身体はおばあさん)と出会います。
3人は、いっしょに町のあちこちを歩き回ることに。
すずは、当たり前のことにいちいち驚き、この時代に生きている人とは思えないことばかり口にします。
一日の最後、みくの家のカレンダーの年号を見て、息をのんだすず。「戦争はどうなったの?」
ベランダから広がる町の風景を3人で眺めたあと、だれがこのような平和できれいな町をつくったのかをたずねます。
後日、みくとゆきなは、思わぬ形ですずと再会することに——。
おすすめコメント
時を超えた出会いと友情、すずが経験した戦争の記憶、そして未来への希望が、今を生きるわたしたちに伝わる物語です。
すずが残したものに込められたメッセージとは?
時を超えた出会いと友情、すずが経験した戦争の記憶、そして未来への希望が、今を生きるわたしたちに伝わる物語です。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784265057979 |
本体価格 | ¥1,300 (JPY) |
ページ数 | 152 |
関連リンク
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
児童書ではありますが、ご家族で読んでみて平和についてお話するきっかけになるのではないかと思います。
生々しい描写などはありませんが、すずちゃんの姿がいじらしく、平和な時代を引き継いで行く大切さが伝わるのでないでしょうか。
令和を生きる子供たちに戦争について語るのには、このくらいの軽さが必要かもな、と思った。
みくとゆきなが出会った女の子、すずとの友情の話。
これは間違いなく友情の物語だ。
戦争の悲惨さを目の当たりにしている、すずの、
「まちをこんなにきれいにしたのはだれ?」という問いに、すべてが詰まっている。それにたいして、「いろんな人だよ!」という答えがとても頼もしいのです。
いろんな人のなかのひとりになりたい、という気持ちの切なさに、戦争を知らない子供たちは気づくだろうか。
子供たちの感想を聞くのが楽しみ。
ある夏の日、みくとゆきなは、図書館に行く途中でおばあさんが泣いているところに出くわします。
みくとゆきなが「おばあちゃん、だいじょうぶ?」と声をかけると、おばあさんは、「わたしはおばあちゃんじゃない!」と憤慨します。
どう見てもおばあさんにしか見えないのに、9歳だと言い張ります。
認知症かと思いましたが、そうではない様子。
それで、ゆきなは子どもと会談から落ちて中身が入れ替わった、と決めつけます。
みくとゆきなは、「すずちゃん」と名乗るおばあさんと一緒に、見た目は9歳で中身はおばあさんの女の子を探し回ります。
ゆきなの、いい加減というか、おおざっぱな性格や、すずちゃんが、なんにでも驚く様子とか、クスッとする描写が多くて楽しく読めました。
それなのに、戦争は怖いこと、二度と戦争を起こしてはいけない、というメッセージが心に響いてきます。
挿絵も多く、かわいらしくて、とても読みやすかったので、多くの子どもたちに読まれるといいなと思いました。
図書館に行く途中、自分が9才だと言って大泣きするおばあちゃんと出会ったゆきなとみくは、おばあちゃん(すずちゃん)の本当の姿を見つけるために、町を探しまわる夏の一日の物語。認知症のおばあさんのお話かな?と思って読み進めると、あれって!?そうだったのか。って気付かされて向き合うことができる夏の読書にぴったりなお話です。
ゆきなとみくが出会ったおばあさんは「すず、9歳」と言った。そこから始まる、〈すず〉を探しての不思議な物語。
おばあちゃんのすずが周りの様子に示していく反応。それは最初は面白かったものの、だんだんと深刻で考えさせるものに変わっていく。
戦争体験は心を酷く傷つける。さらに、体にさえも消えない記憶を刻みつける。
〈すず〉とのこの経験をしたみくだから、更にここまで物語を読んできた読み手だから、お母さんの話を真剣に受け取るだろう。
そして何年も何十年もかけて、それを復興して今をもたらした人々がいることに気づいたろう。
〈あの時のすず〉は、『いつかの約束』を守り、この町を復興させたこの人々のひとりとなったのだろう。そしてこの絵は、そんな〈あの時のすず〉が見た〈未来からのお礼〉であり、『いつかの約束』がかなうことの予言だったのだろう。
戦争の悲惨さを描いた物語は色々読んだ。でも、このような希望に満ちた読後感を感じたものはなかった。
過去と未来を結ぶ、苦しみと幸せを結ぶこの歌が最後にこころに残った。
「かっぱ、かっぱ、おかっぱすずちゃん」
子どもたちに、戦争について関心を持ってもらうきっかけになる作品。ぶつかって入れ替わる、設定などは、他の作品を連想させるが、今の子どもはよく知らないから、逆に関心を持ち、どうして?と思い、どんどん読ませていくのかな?山本悦子さんの作品で安心の展開だった。これをきっかけに地域の戦争について調べて欲しい。
子供達に平和の尊さをどう伝えていくか、というテーマの児童書は、実に多いと思います。
平和を伝えるためには、どうしても戦争の悲惨さを伝えなければなりません。
この本は、その伝え方がとても斬新だと思いました。
子供達はもちろん、親世代、祖父母世代も、戦争体験をされている方は少なくなっています。ほとんどいないかもしれません。そんな今の世の中に、ピッタリなお話でした。
どういう形で戦争が出てくるんだろうと思っていたのですが、こうきたのか!と驚きました。
後半は、涙、涙で。
文章は分かりやすく、温かく、でもしっかりとしていて、真っ直ぐ心に刺さってきます。登場人物達も、生き生きとしています。
出会えて良かった!そう思えました。
ありがとうございます。
過去と未来は繋がっている
私たちは、過去の人たちの想いがつまった社会、町に生きているんだと思う。
過去を知り、人は学ぶ。
辛い過去は、それを繰り返さないように。
幸せな過去は、それが続くように、さらに幸せが増すように。
平和な社会が当たり前ではない
平和な日本をつくってくれた人たちがいたからなんだ。
おとなの私たちは、平和な日本を守らなければならないと強く感じた。
さらには、平和な世界も実現させたい!
子どもたちに、もっともっと明るい未来を見せてあげたい。
みくとゆきなが出会ったすずちゃん。おばあさんのなりなのに、自分はみくたちと同じ9歳だという。暑い夏の日なかを3人はすずちゃんの帰る場所を見つけに、歩き回ります。どうにも辻褄の合わないすずちゃんの話に首をかしげるふたり。勝手な想像を駆使して、その仮説を頼りに今のすずちゃんの状態を解き明かそうとしてはみたものの、埒があかない。
そして、3人が時を超えて出会っていたことを知るラストのなんという切なさ。
まっすぐで強い希望が今に繋がったことのミラクル。
「いつか」が確かにここにあったのです。
みくとゆきなとすずの九才同士のやりとりが可愛らしい。
だが、生まれた時代で体験した事は、全然違う。
平和な時代に生まれた2人がすずと出会って遠い存在だった戦争について知るきっかけになったように
読者の子どもたちもこの物語で戦争について思うことがあると思う。
ラストの絵に希望を感じるし、読者である子どもたちにも、いろんな人のひとりになってほしいと願う。
みくとゆきなが町で出会ったおばあさん、すずは自分は9歳の女の子だと言う。3人で町のあちこちを巡っているうちに、仲良くなった3人。しかし、本当のすずは…
戦争の記憶がある世代が少なくなってきた今、町も人も戦争のあった日本と地続きなのだと気付かされる。短い物語の中に、戦争は決して遠い昔のことではなくこの街にも確かにあったと子どもたちに伝え、また戦時下にあった子どもたちへ思いを馳せることができる良書。是非子どもたちに読んでほしい。
令和の子どもたちが身近に感じる戦争体験とはこういうことなのか、と唸ってしまいました。
9歳のみくとゆきなは自分を9歳だというおばあさんのすずと出会います。「体が入れ替わっちゃったのかな」と3人は元の体を見つけるために町をそうさくすることにしました。
図書館もスーパーも見るもの全てに驚いているすず。そのうちに断片的にこの町でかつて本当にあったこわくて悲しい戦争らしき記憶が甦ってくるのでした…
流行りではなく定番化した「いれかわり」ストーリー。本当の所はどうだったのでしょうか?
家族で読んで、話し合って欲しい1冊です。
いまも流行りのタイムスリップモノかと思いきや、、大人は正直いって、タイトルの1945を見ただけで戦争モノだと理解できるが、課題図書対象の中学年だと理解できないだろう。紹介する際は、そこに触れないようにして、謎解きの邪魔をしないようにしたい。各地にある平和の子の像を建てた人たちに思いを馳せてもらいたい
みくとゆきな そしてすずがイキイキしていて気持ちよかった。
初めは入れ替わりの話かな?と思って読みすすめた。みくとゆきなが すずを助けようと本当の体を捜索する様子がとてもおもしろい。
戦争時にタイムスリップするのではなく みくとゆきなの夏休みの一日に同じ9才のすずと出会い そのことがきっかけで「戦争」を身近な町身近な人身近なことと捉えていく。
最後のカラーの町の絵がとてもきれいだった。