ぼくの色、見つけた!
作/志津栄子 絵/末山りん
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刊行日 2024/05/23 | 掲載終了日 2024/04/15
ハッシュタグ:#ぼくの色見つけた #NetGalleyJP
内容紹介
// 『雪の日にライオンを見に行く』で
ちゅうでん児童文学賞大賞を受賞、志津栄子の最新作!//
―どれが「赤い」トマトなんだ?
眼科の先生は個性のひとつと言ってくれるけれど、まわりがそうはとらえてくれないし…。
「みどり色」を中心に見分けられない色覚障がいを持つ信太朗が、コンプレックスと向き合っていく物語。
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青いトマトを区別できないことや、肉が焼けたタイミングがわからないことなどから、他の子と色に見えかたがちがうことに気が付いた信太朗。
母親は信太朗が色覚障がいであることを必要以上に意識して、日常的に試すようなことをしてくるようになり、症状を知らないクラスメイトからは自画像の色が変だと馬鹿にしてきたため、信太朗はすっかり自信を失ってしまった。
学年が上がり、クラス担任が変わり自分自身に向き合ってくれたことで、信太朗は自分の目へのとらえ方がすこしずつ変わっていくことに気が付き……。
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【 担当編集者より 】
「多様性」が意識されるようになった現代、意外にも「色覚の多様性」について触れた児童小説は数多くありません。
この作品は、当事者、その家族、眼科医をはじめとするたくさんの方にインタビューを行い、「色覚の多様性」に真正面から向き合った意欲作です。
当事者か否かにかかわらず、ぜひ多くの方にお読みいただきたいです!
出版社からの備考・コメント
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★★★
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★★
出版情報
ISBN | 9784065354391 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
心が洗われる読書体験でした。
主人公は色覚障がいのある小学生。
劣等感から、家でも学校でも
不安を抱え日々を過ごしていた彼が、
欠点と疑わなかった個性の美点を知り、
目の色を変えてやりたいことに邁進していきます。
共感したわ~。
努力でどうにもならないことに
少年が後ろめたさを感じてしまう描写が
胸に迫りました。
何とかできないのか?
そう思わずにいられませんでしたね。
それだけに、終盤の展開には
目頭がジワッと熱くなりましたよ。
本人の成長が思わぬ方向に
影響を及ぼしていくくだりでは
こちらまでもウキウキ。
担任の教師がまた本当によくって、
著者が訴えたかったことが
先生の言葉という形で
ビシバシ響いてくるので、
ぜひ期待していてください。
私は肩の力がフッと抜けるような
信念に触れられて得した気分です。
本の紹介文で書かれているように
多様性を知るきっかけになるのは
もちろんその通りなのですが、
それだけではありません。
少年の心のきらめきが
読者の生き方にも働きかけてくるような
とびきりの作品だと私は思います。
(対象年齢は10歳以上かな?)
ばかにされることを恐れて、色がわからないという弱みを見せられない。
過保護な母親から、いつまでも心配されることにもモヤモヤする。
色覚障害の小学5年生が主人公ですが、自分の弱みに悩む人の心に刺さる物語。
自分の悩みやできないことをストレートに話す担任の先生が、とても素敵です。
色覚障がいを持つ信太朗。
二年生のときに眼科で診断され色覚障がいも個性のひとつなのに、青いトマトと赤いトマトを区別できないことは可愛そうなことなのか?自分は可愛そうではないと母親に言いたいのに言えなくなってしまう。親の表情や言葉をよく見ていて、信太朗の言葉を通して敏感で豊かな感性が伝わってくる。
学年があがり五年生となり担任の平林先生と出会う。
平林先生との出会いにより信太朗は変わっていく。授業においても信太朗だけではなく他の生徒への配慮もとてもきめ細かい。
そして平林先生は大人であっても出来ないことを出来ないと言うことができて、子供たちに教わったりもする。そんな姿がとても素敵なのだ。大人であっても子どもであっても、出来ないことを出来ないということは恥ずかしいことでもダサいことでもないのだ。知らないことは聞こう、出来ないことは教わろう、平林先生を通して大人にも伝わる素直なメッセージに心が軽くなった。
信太朗はララを探す。
ララとは母親が『青い鳥』をもとにして書いた手作りの絵本『ララをさがしに』にでてくる登場人物たちがわくわくと心踊らせ、夢中になるものだ。信太朗のララはいったいどんなものなのか。ララをつかむことはできるのか。
色覚障がいの信太朗の見える世界の色を知ることができました。
私の見えている世界の色も他の人とは違うのかもしれません。
他の人と違う個性を持つ全ての人が生きやすい世界にはすぐにはならないかもしれませんが、この作品を読んだ人が自分のララを探す一歩になるといいなと思いました。
色覚障害に気づかれないように注意しながらの学校生活は、信太郎にとっては学年が上がるにつれてさぞかし気疲れするものだったろう。
そして5年生。理解ある平林先生や祖父母。それぞれから、列車の運転手のことやゴッホの絵の色使いなど、色覚障害について公平に語られるのがいい。また、「虹の7色」を見てみたいと言う信太郎の気持ちも疎かにしてはいけない。
そして、クラスメートとの関わりが深まる中で信太郎が〈言葉〉ではなく〈実感〉した、「弱みを人に見せていい」。それをきっかけに、信太郎の前に彼なりの鮮やかな世界が広がっていくとは。「自分の色」をつかまえるとは。信太郎自身の〈ララ〉がみつかった。
それは、信太郎親子3人のこれからにも大きな変化をもたらした。これで大丈夫。だって、信太郎は自信を持って虹を眺めるようになったのだから。
色覚障害をもつ信太郎。彼と両親がそれを受け入れ、更にその可能性に気づく。そして、自分自分のより良い生き方を改めて見つける物語。人の多様性を知っていくためにも、大人にもぜひ読んで欲しい本。
赤い色が灰色に見えるという色覚障がいがあることは知っていた。
でも、それが、具体的にどのように生活に響いてくるのかということはあまり知らなかった。
信太朗が、色覚障がいと診断された時に、どうして母親は「かわいそうに」なんて言ったのだろうと疑問に思った。
序盤は、母親のことが、あまり好きになれなかったのだが、母親が若いころ、絵を描いていたということを知って、ああ、それは、「かわいそうに」と思うかもしれないなと納得がいった。
コンプレックスから脱却する少年の物語であるのと同時に、息子のために全てを捧げてきた母が、再び自分のために歩き始める物語でもあった。
読後がとても爽やかで、信太朗が描いた絵にあったような緑や光に包まれたような気持ちになった。
赤色がうまく判別できない色覚障がいを持つ信太朗。
眼科では「個性のひとつ」と言われたけれど、母親は「かわいそうに」と言って過保護になってしまう。それをうるさく感じるけれど、言い出せない信太朗。
学校でも色を判別できなくて、からかわれてしまう。
そんな信太朗の気持ちを慮って、さりげなく支援の手を差し伸べる平林先生の存在が、この作品の中で一番光っていた。
信太朗以外にも、困っているけれど「困っている」と言い出せない生徒はたくさんいる。
先生は率先して本音を話すことで、みんなが安心して弱音を言える雰囲気を作っていく。
先生の影響を受けて、自分の気持ちを正直に伝える信太朗。それに呼応するように、苦手だと思っていたクラスメイトや母親とも良い雰囲気の関係ができてくる。
障がいを持っているかどうかなんて関係なく、自分の気持ちを素直に伝えることで、周りの人と安心できる関係を築けるということ。それをこの本で学ぶことができた。
色覚障害については言葉で知っているだけでしたので、実際の生活上でどのようなことが難しいのか知ることができればと思って読ませていただきました。……が、読んでいる間、主人公・信太朗のが日々の生活の中で家族やクラスメイトたちとの関係をよく考え、少しずつ見直したり、勇気を出したりする姿をただただ応援していました。すがすがしい成長物語でした。
自分の弱みや欠点をオープンにするかどうか、あるいは心が傷つけられたときにそのことを伝えるかどうか。簡単には決められない選択はたぶん誰の人生にも次々とあらわれるのだと思います。そういうときに、この物語が勇気をくれるような気がしました。
志津さんの本を初めて読みました。子どもや学校の描写が鮮やかで、作家さんは小学生なのではと思うくらい、子どもたちの言葉やシーンのひとつひとつがリアルで、小学生の親としても深く入り込める内容でした。障がいをテーマにした本というところに惹かれて読みはじめたのですが(わたしにも障がいのある娘がいるので)、その子どもの困難を描くだけでなく、お母さんやお父さんが親になるまでの暮らしのこと、先生の思いなど、一人ひとりの登場人物の深いところまで描いていることで物語が非常に厚く、ただ障がいについての認知を広めたいとか、そういうことで執筆なさったのではないのだろうなと感じました。親になった自分自身の人生について考えるきっかけにもなり、障がいのある子への接し方についても学びがありました。素晴らしい物語でした。
元小学校教諭の方ということで、学校生活のディテールが細かく伝わります。チョークのことや色えんぴつのこと、昼休みの一輪車の練習など、主人公の心の動きもリアルで、ずんずん物語に引き込まれます。
自分にとっての「ララ」ってなんだろうー。考えながら読みました。母親の気持ちも、信太朗の気持ちも、よくわかる。
主人公は虹が七色に見えないかもしれないけど、決して「かわいそう」なんかじゃない、すごく前向きになれる作品です。願わくば、続編で友行の家庭の物語を知りたいと思いました。