すごいぜ ほんの ちからって！ 〜　モーリスの おうちは ライブラリー

可愛い。ただただ可愛い。
ネズミを食べたい猫が読み聞かせでおびき寄せる作戦だったけど試行錯誤していくうちに目的が変わってきてしまう話。
ベジタリアンの肉食動物がいたっていいじゃないか。
細やかな絵も何度読み返しても新しい発見があるので楽しい。
文章も短いので親御さんだけでなくてお子さん本人が読むのも楽しめると思いました。
ほんのちからってすごい！

昨年の西宮大谷美術館での、ボローニャ「国際絵本原画展」の巡回展で原画を観ています。
かわいいなぁ！と目に留まった作品がちゃんとテキスト付きで先読み、拝読できるなんてなんという幸せ！
本好きにはたまらないストーリー。本好きの猫、モーリスの作戦は上々でしたが、何せ本好き！もうそこが、ネズミを本を読んでおびき寄せて食べちゃうという発想をスパッと凌駕してしまうのですねぇ。楽しい本も悲しい本も、ワクワクする本も、読んでいるうちにみんなで本の世界を共有してしまうのですから。
本の持つ力ってやっぱりすごい‼︎

きっとこうなるだろうな、と思った通りの展開なのに面白かった。絵柄の雰囲気もお話に合っていて素敵。モーリスは相当の読書家だよね、部屋にある本やポスターなんかも。ボツ原稿もすごい量だし。お話に惹かれてやってくるネズミ達も恐れながらも、きちんとお礼を渡すのがニクいね。

お話にのめりこんで作ってしまうモーリスもすごいけど、ネズミたちがキュート！
この観客がモーリスの才能を開花させたといってもいいんじゃないのかしら。
敵味方でなく、同じ本の世界の経験を分かち合った仲間になっていくネズミたちに拍手を送りたいです。
昨年のボローニャ国際絵本原画展の中でも、わかりやすいストーリーの素直な絵本で、印象に残っていました。
猫好きの友人に超オススメします。

モーリスがかわいすぎる！魅力的で才能あふれるモーリス！
ミイラ取りがミイラに・・・？トムとジェリーのトムに文才があったらこうなった？
本を介して新しい友ができ、新たな味に出会い、新たな世界が広がる。
物語を楽しむ気持ちは誰でも同じ。楽しさは種族を超える！

これは確かに本がすごい力なのかもしれない。
けれど、こうして読んでみると自分の操る世界の話を書くのでなくて、
自分そのものをさらけ出して話を書くということがすごい力なのですよね。

私もこうして生きてきて、背伸びをして生きて生きがちだった
運気が好転するのは、どうにでもなれと自分をさらけ出して裏も表もない、
という心境になったときにうまくいき始めた。

自分がこうしようというのは見透かされたり過大評価されて心地悪かったり
裏も表も本音も建前もあんまり関係なしで思うところに任せ
悪い心を起こさなければ、自分も助かり周囲も助けてくれる

凄いぜ本のちからってっていう本だけれど
あなたの持っている本との力はすごいよっていうところでもありますよね。

モーリスはじめ、イラストがすみずみまでかわいい。
ストーリーはほぼ予想通りだけれど、絵がかわいいから読み応えは期待以上。
あらすじまとめ読みとかではこんな感情の動き体験できないから、
やっぱり通して本を読むことが大事だっていうのもそっと教えてくれる。