うさぎになった日
文/村中李衣 絵/しらとあきこ
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刊行日 2024/03/11 | 掲載終了日 2024/03/26
ハッシュタグ:#うさぎになった日 #NetGalleyJP
内容紹介
「うさぎ、うさぎ
よわいからって、つよくないわけじゃない
よわいからこそつよい、ってことだってある
だれでも、心の中に、うさぎがいる」
自分の気持ちをうまく言葉にできない、りこ。
過ちをおかしてしまった、たくと。
葛藤を抱えた4人の子どもたちが、動き出す―。
児童文学作家・村中李衣の詩情豊かな文章と
うさぎ画家・しらとあきこの美しく柔らかな絵で紡ぐ、短編物語。
―走れ走れ、にげろにげろ。明日は、きみが、うさぎになる。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784418248025 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 80 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
しらとあきこさんのイラストが見たくてリクエストさせて頂きました。
児童書というものを初めて読みましたが、子供にあるあるなお話でほっこりしました。
「自転車に乗って」は、切なく、でも勇気を出せた男の子をたくさん褒めてあげたくなりました。
随所に入る可愛いうさぎのイラストに癒されます。
さすがの村中季衣さんの作品です。
うさぎのすがたに、人間の登場人物たちを重ねながらつくりあげられた物語は、なんとも心にひびいていきます。
そして、その物語がけっこう現代的で深いのですから、読み手も油断はできません。
それに、しらとあきこさんのうさぎさんの絵が、とっても素敵なのです。
たくさんの子どもたちに響いていくお話ではないでしょうか。
いえ、子どもたちばかりじゃなく、わたしたち、大人にとっても。
だって、わたしの心のなかにも、たしかにうさぎがいるのですから!
この物語の作りというか構成というか、ずいぶん時間がかかったのでしょうね。
読ませていただき、ありがとうございました。
ねえ、おかあさん。ねえ、おとうさん。ふたりのなかにも、うさぎはいるの?
とっても、つよくて、なんでもしってて、やさしい、おかあさん、おとうさんにも、こころのおくに、ちっちゃくて、おくびょうで、よわい・・・そんな、うさぎがいるの?
ええ、いますとも。でもね、わたしたちは、あなたの親なんだよ。親になろうと決めたんだよ。ふたりでね。
わたしたちだって、ホントはまだまだ、よわいけど、生まれてきたあなたは、わたしたちより、と~ってもよわくて、いとしくて。わたしたちが守り抜くって、決めたんだよ。あなたの為なら頑張れるって思ったんだよ。
あなたの、おばあちゃん、おじいちゃんが、わたしたちにしてくれたようにね・・・
ホントは、おかあさんも、おとうさんも、いっぱいいっぱいで、どうしよう、どうしようって思うこと沢山なんだよ。でもね、あなたのことはわたしたちが守る。絶対になにがあってもね。あなたが、いとしくて、わたしたちをまっすぐ頼ってくれてるから、だから、だから、強くなれるんだよ。
「よわさ」と「つよさ」はべつのものじゃないんだよ。よわいから、できなくっていいって逃げるとしたら、それは本当のよわさかもしれないね。でも、自分はよわいけど、あなたをどうしたら守れるんだろうって必死に考えてたとき、神様がくれたのが、おかあさんと、おとうさんの「勇気」と「つよさ」なんだと思ってる・・・
そんなことを、読み終えた今、思い出しています。村中李衣さんの優しく強い言葉が柔らかな風のように心を吹き抜けます。しらとあきこさんのえがくうさぎたちは、わたしのこころのうさぎに、がんばってるねってしみこむようにみつめてくれます。ありがとうございました。
みんな、みんな、豊かな心を持っていて、ただちょっと恥ずかしがり屋。でも、そんな子たちの心には、うさぎがちゃんと控えてる。弱いうさぎ。でも、弱いからこそ強いうさぎ。
これは、そんなうさぎと子供のものがたり。
おしゃべり苦手なりこちゃんが、ノートで先生とやりとりしていたら、その最後にびっくりするようなのが現れたのは? その時、リコちゃんを助けて、いっしょに飛び跳ねたのは?
セリフをうまく言えないななちゃん。そんなななちゃんに自分の子育てを見せて、本番の時にななちゃんを、草原にしっかり立つ、耳の長い本物のお母さんにしてくれたのは?
おばあちゃんを亡くしたおじいちゃん。そんなおじいちゃんが月夜に一人で踊るのがかわいそうなあずみちゃん。だからが頑張ってタンスからみつけたスカーフ。それを手にして踊るおじいちゃんは何に見えた?
ピアノがうまく弾けないたくとくん。でもピアノの先生が結婚してやめるのがとっても悲しい。でも、お父さんのおかげでそれを乗り越えた。そしなら、親子の何が自転車で月夜の道を二人乗りしてる夢を見た?
弱くても、いや、弱いから強いうさぎ。それはちゃんと、みんなの心の中に控えているんだね。
子供の心を優しく、また細やかに描き出す村中李衣先生。その心に控えるうさぎを見事に描いたしらとあきこ先生。素晴らしいコンビによる絵本でした。
こどもごころが短く詰まっている。
どの話も自分の昔を思い出すと心動かされる。
よく似たことって確かにあったよなあ。
全てがウサギに絡んでいるけれどウサギ自体は重要でない。
あくまでこどもごころとウサギのやさしさや繊細さがある。
人が強くなるまでの間にウサギのように過ごす日々があって
私たちは大きくなっているのですよっていう
大人の優しい振り返りがあるのですよね。どれもいい話で語りでもいい話です。
『うさぎになった日』を読んでいたら、子どもの頃に物語を読んでいた時の気持ちを思い出しました。まるで私もうさぎになったような気がする。子どもの心に寄り添った物語に思わず涙が出てくる。心にポッとあたたかいものが灯った。
大人になったら、物語からついつい何かしら教訓を読み取ろうとしてしまうが、子どもの時に好きだったのは自分ではない誰かの物語を読むのが楽しかった。まるで友達の話を聞くかのように楽しかった。そんな子どもの頃の気持ちを思い出しました。
うさぎのイラストと詩と物語。とても贅沢な一冊だと思います。個人的に自分が卯年生まれなので、『うさぎになった日』はとても嬉しい。
うさぎはしゃべらない。
でも、しゃべらないから何も感じてないわけじゃない。
子どもも一緒。
子どもも、口に出して言えなくても、いろんなことを感じてる。
大人が読むと、そういったことを思い出す。
子どもが読むと、自分の気持ちを言語化してくれて、そうそうって思うと思う。
文章も挿絵も、優しくて美しくて、あたたかい布団にくるまれてるようだった。
挿絵イラストが大変美しい。作品の内容を想像するに良い手がかりになると思います。村中さんの文章表現も、ソフトなタッチで心穏やかな気持ちになりました。大人が読んで、ほっとするような作品だと思います。どこが昔忘れていた自分の気持ちを思い出させるようなそんな作品ですね。
うさぎを通して子どもたちの心が映る。自分の弱さや狡さや寂しさ、悲しみ。子どもたちはことばにできなくてもたくさんのことを感じ、考え、思っていることが健気でいじらしく思えます。うさぎに託した自分の心。葛藤ののちに得たものは尊い自己表現。うさぎのように跳ねて、飛んで、思うようにやってみようという勇気を得たのです。
しらとあきこさんのイラストがすばらしくて、やさしい気持ちを連れてきてくれます。
うさぎはかわいい。
子供もかわいい。
でも、かわいいだけではないのだ、うさぎも、もちろん子供も。
表面だけを見ていては何もわからないんだよ、と村中さんが静かに語りかけてくれるような気がした。
美しくて、どこかさびしい、けれども希望のようなあかりがきらきらと光っているような作品だった。
自分をフリーにするとき、他の何でもなくうさぎっていうのは納得。ぴょんと軽やかに逃げていく姿、自由です。
わたしは、三つ目のお話が一番好きでした。とても幸せそうなおじいちゃんとおばあちゃん、それを見守る家族の姿が見えてきて、じーんとしました。
最後のお話は深く考えさせられました。親としてこんな対応は無理かもしれない。ただ、間違いを正すとき、教え諭すとき、救いの余地があると、互いに救われるのだと痛感しました。
「うさぎって、どんな生き物だと思う?」
そう子どもたちに尋ねたら、
「可愛い」「弱そう」「守ってあげないと」という声が聞こえてきそうです。
「わたしもうさぎになりたい」という子もいるかもしれません。
大人だって、そういうイメージを持っている人は少なくないでしょう。
実は私もそう思っていました。
この物語を読みたいと思ったきっかけも、
可愛らしいけど弱いうさぎ、または子どもたちが、守られながら強くなっていく話?
そんな児童書に癒されたいと思ったからでした。
4つのお話は、どこかでありそうな日常です。
子どもたちは、似たような悩みや生活が、自分と同じだ、と思うかもしれません。
大人は、そういえば、自分が子どもの頃そんな気持ちになったことがある、
と思うかもしれません。
いろんな世代の人が読んでも、
その物語が、詩のように、音楽のように優しく心に流れてくるでしょう。
弱さの中に秘めた強さ。
弱いから逃げるんじゃない。大切な誰かを守るためでもある。
それに気づいたとき、うさぎになれるのかもしれませんね。
そんないろいろな想いを巡らせて、優しくも懐かしい気持ちになれました。
しらとあきこさんのうさぎのイラストが素敵で何度も見入ってしまいました。挿絵だけでなく、カラーの見開きの絵もうっとりします。
村中さんの物語も心にじんわり沁みる内容で、児童書だけど、大人にも読んでほしい素敵な物語です。
見た目も愛くるしいうさぎ。そんなうさぎがそっと寄り添ってくれるような4話の物語。
子供の頃を思い出して少しほろ苦いような、でも優しい気持ちになれます。
児童書だけどイラストに惹かれて読まれる方も多いかもしれません。
優しいうさぎ、元気なうさぎ、弱いうさぎ。
心を表すようなイラストも素敵です。
言葉に出来ない想いをどう伝えるのか。葛藤を抱えた子供たちが一歩踏み出す力強い姿を、やわらかいうさぎのイラストに重ねて紡ぐ、癒やしと気付きの短編集。
「誰でも心の中にうさぎがいる」
偏にお喋りが苦手な子供が人との交流まで苦手とは限らない。言葉の意味を考え過ぎてしまったり、豊か過ぎる感情が邪魔して上手く言葉をまとめられない子もいる。同じような悩みを抱えた子供は勿論、そういう子供にどう手を差し伸べれば良いのか、大人にも是非読んでもらいたい作品。
タイトル通り、うさぎを人間に喩えるのではなく、人間をうさぎに喩える擬うさ化。微妙な違いだが、そこに「自らが擬態する」という協調性が感じられグッときた。
メインの短編4編の間に掌編も入り、物語とイラストとのバランスも良かった。うっとりするほど幻想的なイラストが物語を照らし、ただただすべてに魅力された。
この本は児童だけではなく、じんわり温かい、ふんわりしたものが好きな全ての人に向けた本だと思います。
村中李衣さんが紡ぐ優しい4人の子どもたちの短編集。
うさぎ、うさぎ
よわいからって、つよくないわけじゃない
よわいからこそつよい、ってことだってある
しらとあきこさんのうさぎが本当に動き出しそうな、抱きしめたくなるようなうさぎたちです。
「よわい」ということを認めて、大切なものは全力で守る。
非力である人間に向けられたメッセージのようでした。
〈うさぎ、うさぎ/よわいからって、つよくないわけじゃない/よわいからこそつよい、ってことだってある〉心をノックする優しい詩にはさまれた、子どもの心の揺れをすくいとった4つの短編。村中李衣さんの提示する子ども時代の難題にキュッと胸が締め付けられる。しらとあきこさんの絵が愛らしく、繊細なクッキー缶を開けたときのような嬉しさを覚える。ぜひ、手にとってほしい子が何人も心に浮かぶ。#NetGalley
うさぎの絵が本当に可愛くてお話のイメージがひろがりました。
日常の出来事をやさしいタッチで描いているお話とかわいい
ウサギの絵がマッチして、読んでいてやさしい気持ちになりました。
ただただ癒されました。子どもの頃に誰にでも起こりうる出来事が
とても自然に読みやすく書かれていて一気に読めます。子どもも
大人も楽しめる本だと思います。