ほんとうにあったこわい話①ファラオの呪い
桜井信夫/文 佐竹美保/絵
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刊行日 2023/10/05 | 掲載終了日 2023/11/28
ハッシュタグ:#ほんとうにあったこわい話①ファラオの呪い関東大震災枯れ葉剤魔女タイタニック号沖縄戦奴隷船水俣病 #NetGalleyJP
内容紹介
天変地異、戦争、大事故……人類が避けて通ることのできなかった恐ろしいできごとを世界中から集めたノンフィクションシリーズ!(全3巻)<小学校中・高学年向き>
昨秋の刊行以来、ご好評をいただいております「ほんとうにあったふしぎな話」シリーズ(全3巻)の姉妹編です。
ほどよいボリュームで、挿絵を多くして読みやすく仕上げました。
前シリーズ同様、佐竹さんのイラストは、むごたらしい場面も即物的に描かず、構図や切りとり方の工夫により、美しくも、真の恐ろしさが胸に迫ります。
今回ご紹介するのは、①巻で以下の3話が収録してあります。
1 ファラオの呪い 2 東京が火の海に 3 核兵器がわりに枯れ葉剤
2の「東京が火の海に」は、今年100年目となる「関東大震災」の実話です。
ここにとりあげた物語は遠い過去のものと風化させず、語り継いでいかなくてはいけません。
小学校図書館蔵書におすすめのシリーズです。
以下②③巻の目次です。
②巻「おまえが魔女だ」
1 おまえが魔女だ 2 タイタニック号の悲劇 3 どうくつにのがれて(沖縄戦)
③巻「ポンペイ最後の日」
1 ポンペイさいごの日(古代ローマ、ベスビオ山の大噴火) 2 どれい船のゆくえ 3 水銀が海に流された(水俣病)
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784751531556 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
ページ数 | 88 |
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NetGalley会員レビュー
題名だけを読むと某社の怪談本シリーズみたいですが、真実は小学生向けの全世界の歴史秘話を学ぶ有意義な読物なのですね。全部で3話入っていまして大人が読んでも勉強になりますよ。第1話:「ファラオの呪い」第2話:「東京が火の海に」第3話:「核兵器がわりに枯れ葉剤」びっくりしたのは、第1話はエジプトの有名なツタンカーメンの呪いの話で普通に怖いですが、第2話は日本の関東大震災、第3話は米国のベトナム戦争について扱われており、日米の歴史の暗部・汚点が赤裸々に書かれている点で、過去の過ちから目を背けるなと書かれています。詳しくは書きませんが、一昔前なら小学生に読ませるなんて考えられない内容で、ある意味深く感心しましたね。この本は歴史のタブーに挑んでいるという点でとても信頼がおけますので大人の皆さんも一読される事をお奨めしますね。
知らないままでいられたら良かった、そう思うほどに、すごみのある「ほんとうにあったこわい話」でした。
死者の呪い、想像だに及ばない自然の力、そして、なにより、人間の愚かさのこわさ・・・
知らないままいられたら、そのほうが良かったのでしょうか?
いいえ。どこかでちゃんと、知る必要があった事実である・・・そう、言い切れます。
こわいものってなんですか?死ぬこと?いえ、それよりも、もっと、ずっと、こわいものがありました。「死」はあるいみ自然なこと。ほんとにこわいのは、人として間違った生き方をすること。間違った生き方をする者と出会うこと。普通だと思っている当たり前のことがくつがえること・・・
そんな時、わたしたちになにができるでしょうか。それは、どう生きるかを間違えないように努力すること。想像を超えたことが起こった時、人として間違えないために、準備しておくこと。それが、今できることではないでしょうか。選べる道は、いつも、ひとつだけ。それが、少しでもしあわせに近づける選択ができるよう、備え、鍛えておくことです。
歴史は、一見、自分と関係なさそうに見えます。でも、深く学べば、自分事。自分の未来のケーススタディ。これから起こるかもしれない転ばぬ先の杖となります。学び方・学ぶ心を間違えなければ、きっと強い軍師になるはずです。もし、そこに自分が当事者として生きていたら、自分は間違いを犯す側にいたかもしれないのです。自然の力におののき、人の怖さに心が裂けるそんな思いをする側かもしれないのです。
「史実を、よく学び、慎重に分析せよ!時を遡れば、避けられるポイントがあったのではないか?その時の選択肢を選びなおせるとしたら?どうか、目をそらさずに、耳をふさがずに、もしかしたら、そこに自分がいたらと覚悟を決めてよんでください。誰もが、幸せな人生を生きるために生まれてきました。学ぶことなしに同じ不幸を生きないでください」・・・そう、桜井信夫さんは淡々と綴っているようです。佐竹美保さんの描くあふれかえるの命の描写の一つ一つが、今の私に迫ります。「まさか、自分の命は、こんなふうに終わるのか?人生はわたしたちで十分だ」・・・と。
第二章の関東大震災。日本人だれもが知るべきことだと感じました。次、自分がそこにいたら、自分はどう生きるのか?
先人が後悔を希望に変えようと、都市計画、小説、様々な努力の結晶を生み出したこの今の世界。その努力の結晶の世界にわたしたちがいることを忘れてはいけないと思います。ありがとうございます。
なによりも、人の心が怖い。そう心の底から思える一冊。
ファラオの呪いについては、子どものころ読んで、本気にしていた時期もあったが、今は科学的に考えると無いだろうと冷静に考えることができる。
その冷静さは果たして非常時に保つことができるのだろうか。関東大震災の話は、自分だったら?と思うともちろんデマに加担することはしないと叫びたいが、通常ではない心理状態と、デマを信じてしまう愚かさと恐ろしさについて人の心ってなんだろうと考え込んでしまう。
冷静にそんなことはありえないと思って行動した人もいることもわかり、ほっとする。しかし、大半がそうでないことにぞっとするのだ。
そしてさらに、人の心のもつ恐ろしさは国家の恐ろしさにも通じる。国家といったって人の集まりなのだ。
ベトナム戦争の愚かさは、後世になってから論じられているが、当時アメリカは自国の軍隊の兵にでさえ真実を伝えることはしなかった。さらに、ベトナム人を人として見ていなかったことがよくわかる(日本に対してだってそうだ)。何様なのだ。怒りしか生じない。ダイオキシンの恐ろしさを知らなかったとはいえ、核兵器と同じように人体実験の要素も多分にあったと思われるし、そもそもジェノサイドのような戦い方で、根絶やしにしようという作戦は、人道的に許されるものではない。
そしてこの本は、そのあたりを包み隠さず書いている。きちんと向き合うために。
タイトルから心霊現象のようなこわい話を集めた怪談本を連想しがちだが、中身は本当に史実上にあった出来事を3編ほどまとめた本。
しかも書かれている出来事はほとんど近代のこと。
一つ目はツタンカーメン王の王墓に関わった人達の不可解な死の話。これは一番想定していた内容に近かった。
二つ目は関東大震災の時のこと。震災そのものの怖さもそうだけど、その後に起きた混乱から人々がデマを信じて行ってしまった差別と虐殺を、子供向けの本でこんな風に赤裸々に書いていることに驚いた。
三つ目はベトナム戦争での非道。戦争が残した爪痕として、身体に障害を持って生まれた子供のエピソードから、米軍が戦時下で行ったあまりにも残虐な行為をありのままに載せている。
特に目を背けたくなるような人の業を描いている後者二話は、それでも忘れずに語り継いでいかないといけない出来事で、これから未来を担う子供達にぜひ知っていてほしいという作者や出版社の意図を強く感じる本だった。
そういう点では、一つ目だけ少し毛色が違っていて違和感もあるかな?と思うけど。
挿絵も多く、そしてリアルで、文章もわかりやすく読みやすい。
非常にとっつきやすくて手に取りやすい良書でした。