わたしのおにんぎょうさん
でくね いく/作・絵
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刊行日 2023/09/11 | 掲載終了日 2023/09/14
ハッシュタグ:#わたしのおにんぎょうさん #NetGalleyJP
内容紹介
他の人からどう見えていたとしても、自分にとって大切なものの価値は変わらず、揺るがない。
ブラチスラバ世界絵本原画展グランプリ、日本絵本賞大賞など、多くの賞を受賞している出久根育さん久々の自作絵本!
お友達のお誕生日祝いに、お母さんが作ってくれたお人形。かわいい包み紙にくるんで、お誕生日のパーティーへむかいます。とちゅうで、その包み紙がカサカサと音を立てるのに気づいた女の子、さて、いったい何の音でしょう……? とびだしてきたおしゃまなお人形さんにふりまわされつつ、女の子の気持ちにはある変化が起きていきます。おもわずクスリとわらってしまうようなお人形さんの魅力をぜひ味わってください。
出版社からの備考・コメント
【ご注意下さい】 ここに掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。
販促プラン
【著者紹介】
作・絵 でくね いく(出久根 育)
1969年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。『あめふらし』で2003年BIB(ブラチスラバ世界絵本原画展)グランプリ、『マーシャと白い鳥』で2006年日本絵本賞大賞を受賞。絵本に『十二の月たち』『おふとんのくにのこびとたち』(以上偕成社)『おふろ』(学習研究社)『もりのおとぶくろ』(産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞/のら書店)『ペンキや』『ワニ』(理論社)など。読み物の挿絵に『みどりのスキップ』『街角には物語が…』(以上偕成社)『ルチアさん』(フレーベル館)、エッセイ集に『チェコの十二ヶ月ーおとぎの国に暮らすー』(理論社)など。チェコでも、エルベン生誕200周年記念に出された『Živá voda』『Zachráněné vánoce』(以上Albatros Media)など多数の本を手がける。2022年西ボヘミア大学・ラジスラフ・ストナル・デザイン・芸術学部シンポジウムにて、イジー・トルンカ賞受賞。2002年よりチェコ在住。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784033521701 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
ページ数 | 32 |
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NetGalley会員レビュー
出久根育さんが挿絵や装画を描かれた本は何度なく読んできましたが、出久根さんが文章も書いたものを読んだことがありませんでした。
あんな素敵な絵を描かれる出久根さんの頭に浮かぶ物語は、どんなものなのかと大変興味がありました。
お友だちのお誕生日プレゼントを作るお母さんの優しそうな顔、それをのぞきこむ女の子の顔。
懐かしい気持ちになりました。
お人形さんが、ちょっとお転婆さんで、服を汚しちゃったり、髪の毛がからまっちゃったりするんだけど、お母さんが丁寧に作ってくれたお人形だから、どんな格好になっても女の子にとっては素敵なお人形なんですね。
お話も絵も、とてもやさしく、温かい気持ちになりました。
ママが生み出してくれたおにんぎょうさんは、元気いっぱいの女の子。
一緒に歩いて、遊んで、仲良くなったわたし。
エマちゃんに渡す場面になって、さぁ、どうしようと一緒にドキドキしました。
おにんぎょうさんの一つひとつの表情や仕草と、犬や猫の動きの絵にも注目です!
わたし、この意思のはっきりしたお人形さん、好きです。エマちゃんのお誕生会のプレゼントにと、お母さんが作ってくれたお人形さんですが、さっさと自分の意思を獲得して、女の子の世界に飛び込んできます。生まれ出た見知らぬ世界へ興味津々でコミットしていくパワフルなお人形さん。いきいきと遊ぶ姿に、女の子も読み手もはらはら。女の子とお人形の蜜月はもう始まってしまったのです。ひと悶着はありましたが、これからふたりはどんな時間を過ごすのでしょうね。ちょっと覗いてみたい気がします。
出久根育さんの絵がすばらしくキュートです!
お母さんがこしらえてくれたのは、大好きなお友だちのエマちゃんのお誕生日プレゼントになるかわいらしいお人形さん。
大事に包んで、さぁ、しゅっぱーつ!
歩いていると包み紙の中から声がして、外の世界に興味津々のお人形さんは飛び出して公園で遊んでどろんこ!犬とたわむれて髪がくちゃくちゃ!自分の意思を示す自由度MAXなお人形さんに振り回されてる女の子もなんだか一緒に楽しそう。
でもでも、なんとか説得して包み紙のなかに戻ってもらったけど…案の定エマちゃんからは不評。いくらお祝いの気持ちがこもっていても誕生日プレゼントがぐちゃぐちゃでは断わられちゃいますよね。
でも、思うんです。お人形さんがどろんこ・くちゃくちゃになった経緯を話していたらエマちゃんだって“お友だちになりたいな”って心から感じたんじゃないかな、って。
持ち帰って、お母さんがすっかりもとどおりにしてくれたお人形さんは女の子の隣で嬉しそう。収まるとこにおさまって微笑ましい2人姿が素敵です。
誰だって目があった瞬間に運命を感じることってありますよね?
「わたし」にとっては、エマちゃんのお誕生日のために、お母さんが夜通し作ってくれたお人形さんがそうだったみたい。
そう、朝、目があっちゃったのです。わあ、素敵なおにんぎょうさん!
おにんぎょうさんの方だって、そうだったんですね。女の子のことをひと目で大好きになっちゃったみたい。
でも、その子はもちろん、エマちゃんのためにお母さんが作ってくれた、おにんぎょうさん。
お誕生会が終わって、お家に帰る頃にはもう、別れ別れになるんです。
わかってるんだけれど・・・なんだろう、このきもち・・・さみしいのかな?かなしいのかな?・・・なんなのか、わかんない気持ちです。わかんないけど、女の子は胸がきゅーんってしめつけられちゃうようです。
そんな気持ちを女の子はぐっとこらえて、エマちゃんのお誕生会にでかけます。
お店で買ったプレゼントじゃ、なかなかこんな気持は感じないかもしれないですね。でも、大好きなお母さんの手作りのかわいいおにんぎょうさんだったら?
さて、さて、女の子とおにんぎょうさんはどうなるのでしょう・・・
タイトルは『わたしのおにんぎょうさん』ですものね。
でくねいくさんの詩情豊かで、感情控えめな描写が、わたしとおにんぎょうさんの二人の気持ちを、胸がちょっと、いたくなるほどに伝えてくれます。なつかしい、せつなさを思い出せました。ありがとうございました。
仲良くなるってこういうことだなあって感じれます。
私という一人が居て、わたしとその子が思ったことをいうし、
同じ体験をしたり、体験の受け取りようが違う風に感じたり、
そして同じ思いをして共感する。それって濃い共同体験。
絵柄が感情的というよりも、どちらかというと物的なものの、
だからこそ、言葉が思ったこと素直なことだと感じらるのかな。
ともあれ、わたしとわたしのなんだけど、わたしとでもあるし、
わたしのをいうまでに共感がある。傍らで読んでても少し子供心に戻れる本ですね。
表紙のかわいらしい素朴な絵に惹かれて読んでみました。
主人公の女の子のお母さんはとても愛情深く、優しく描かれています。
「おにんぎょう」さんは、いきいきとして今にも絵本から飛び出してきそうに思いました。
短いお話からおにんぎょうさんの切ない気持ちが感じられて、涙が出ました。
こどもが、身近な存在を大切に感じられるきっかけになると思います。
また登場人物やおにんぎょうさんとともに、ちいさく描かれる猫の絵が猫好きにはたまりません。
友だちのエマの誕生会のプレゼントに、お母さんが夜なべして作ってくれたそばかす顔のお人形。ところが、わたしが誕生会へ行く途中、人形がしゃべり出し、それから動き出して、とても困ったことになります。まあ、最後は落ち着くところに落ち着つきましたけどね。グレーを基調にとした感がする色調の絵が、とてもステキでした。ただできれば、主人公の女の子に名前をつけてほしかったなぁ。