涙の音、聞こえたんですが

この作品は、現在アーカイブされています。

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。

出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。

1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2023/05/09 | 掲載終了日 2023/04/30

ハッシュタグ:#涙の音聞こえたんですが #NetGalleyJP


内容紹介

泣くのは弱さだと思ってた―― 先輩に出会うまでは…
涙の音が聞こえるという不思議な能力を持つ美音と、泣き虫健先輩のピュアラブストーリー!

中1の美音は「涙の音が聞こえる」という特殊能力を持っている。それゆえに、人と関わるのがめんどうくさく、友達をつくらないでいる。ある日、ひっそりと美しい涙の音が聞こえた。それは、みんながあこがれる生徒会長の健先輩が、人目を避けて泣いている音だった。いつもと違う先輩の一面。弱みをにぎって、願いごとを聞いてもらおう。そんな打算的な気持ちから健先輩に近づいた美音だったが――。

美音と同じ能力を持ちながら性格が真逆の心優しきお兄ちゃん、美音が密かに尊敬しているクラスメイトの星良ちゃん、いつも泣いてばかりの一児のママ・千歌さん、健先輩の幼なじみの七海先輩など、二人をとりまく人々との関わり合いから、美音が少しずつ変わっていく姿を描く青春ラブストーリー。

泣くのは弱さだと思ってた―― 先輩に出会うまでは…
涙の音が聞こえるという不思議な能力を持つ美音と、泣き虫健先輩のピュアラブストーリー!

中1の美音は「涙の音が聞こえる」という特殊能力を持っている。それゆえに、人と関わるのがめんどうくさく、友達をつくらないでいる。ある日、ひっそりと美しい涙の音が聞こえた。それは、みんながあこがれる生徒会長の健先輩が、人目を避けて泣いている音だった。いつもと違う先輩の一...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784591177860
本体価格 ¥1,400 (JPY)
ページ数 197

閲覧オプション

NetGalley Shelf App (PDF)
ダウンロード (PDF)

NetGalley会員レビュー

「ひとりぼっちってのを周りに見られるの、けっこうつらいんだ」(本文より)

清々しいほど女子うけ全振りの作品。

不器用で友だちのいない少女が、「とある能力」を活かして上手に立ち回れるようになっていきます。

共感力の塊のような生徒会長のキャラが面白すぎますね。

はじめはビミョーな扱いを受けていた主人公。

彼女の立場がどう変わっていくのか?

ぜひ、注目して下さい。

このレビューは参考になりましたか?

誰かが泣くと、「涙の音」が聞こえる美音。人とは違った能力のせいか、最初は人に対して冷めた気持ちでいる。けれど、目的を達成するため、涙の音が美しい健先輩と行動を共にしたり、お使いで訪ねた上の階の新米ママさんと交流したりするうちに、人々の感情の機微に気づいたり、共感を持つようになったりして成長してゆきます。心の成長とともに、涙の種類の聞き分けができるようになるのが良かった。どうして健先輩の涙の音だけメロディのように聞こえるのか、ということや、健先輩が泣くとき秘密の場所を使わなかった理由についてははっきり書いてはいなかったけれど、きっとこうだろうと思いながら読みました。美音のお兄ちゃんも素敵なので、お兄ちゃん編も読みたい気がします。

このレビューは参考になりましたか?

とても面白く読んだ。
「涙の音がきこえる」という設定はファンタジーなのだが、「もしかしたら、本当に涙の音が聞こえる人もいるのかもしれない」と思ってしまう程、美音やその兄、母に「涙の音が聞こえる」ということが、とても自然に書かれていた。
物語の序盤は、サボテンのようにトゲトゲしていて、かわいげのない美音だったが、物語が進むにつれ、だんだんトゲがとれていく様子が好ましかった。
美音にとって、トゲトゲしていたのは情緒を保つための手段だったようで、トゲがなくなることによって、相手の気持ちがわかったり、自分の気持ちが揺れ動いたりするのだけれど、それをあたたかく見守ってくれる人たちがいてよかった。
恋愛も多く盛り込んであったので、中学生の読者は胸をときめかせながら読むのではないかと思う。

このレビューは参考になりましたか?

これは、彼女が自分の名前の意味に気づく前の物語。
涙の音が聞こえる中学生の美音は、それで感じる人の悲しみが嫌で人付き合いが苦手。そんな彼女が、同じ力を持つ家族だけでなく、涙もろい生徒会長などと関わりを持っていく。
その中で、涙の音のために気づけなかった相手の表情に目を向け、相手と自分の気持ちとその機微に美音が気づいていく様子は、嬉しくもあり、少し辛い気がした。だって、人を知ることは悲しみを知ることでもあるから。
でも、美音は気付いてくれた。涙とは弱さではないことに。生きていくためだということに。そして、好きとは涙を超えたものだということに。そう思った時、私も涙を流していた。
だから、これから彼女は気付くだろうと、私は信じている。彼女の美音と言う名前に込められた親の願いを。きっと。

このレビューは参考になりましたか?

私は涙の音が聞こえる。母も兄も涙の音が聞こえる。でも、母や兄のように泣いているからといって他人に親切にしようとは思わないし、涙の原因にも興味ない。そんな私の意識を徐々に変えていったのは健先輩。先輩は泣き虫だ。そして、涙の音がとても美しい。

涙の音が聞こえるからといって、それがどうした!自分は1人でいたいから1人で居るんだ!と我が道をどんどんぐいぐい進む主人公が、優しすぎる泣き虫な健先輩と出会ったことにより変化していく様は、やっぱり人間は独りではいられない、いるべきではないんだなぁ、としみじみ感じました。
健先輩に心をひらき、徐々に惹かれていく過程で、少しずつ色々な人とも関わりを持って、様々な感情を体感していく部分が、読んでいるこちら側にもすっと伝わってきて、何度も涙の音が溢れてしまいました。
ハッピーエンド好きな私のツボが押されまくり、嘉成晴香さんの著書の中で、間違いなく一番好きな作品です。読ませていただき、ありがとうございました。

このレビューは参考になりましたか?

人の涙の音が聞こえる家系の主人公の美音(みおん)。お母さんもお兄ちゃんにも聞こえるから、外での友人関係には苦労しているけど、家庭内ではそれほど大変ではない。
中学校で、生徒会長の涙の音を聞いてから、それまでそこそこ平穏に過ごせていた美音の世界が少しずつ動き出していく。

今まで一目置いていたクラスメイトとの関係や、学校内で優秀で人気の生徒会長との関わりが、徐々に進んでいくについてれ、10代の頃(もしかしたらその後もずっと続く)の人間関係を築いていく時のドキドキ感、仲良くなった後のちょっとした失望などなどを思い出す。

基本的にとても可愛らしい作品だと思う。微笑ましかったりするし。
でも悩んだり、自分の経験したことから関わってきた人たちの気持ちや感情に思いを寄せられるようになっていく、そんな成長も見られて、10代のみならず、その頃の気持ちを思い出したい全ての人に読んでもらいたい1冊。

このレビューは参考になりましたか?

涙の音が聞こえる能力を持つ主人公、という設定がユニークかつファンタジックでありながら、中学生のリアルな日常にとけこんでいて、よく生かされていると思った。主人公の葛藤も成長も、他者と自分の涙とともにある。大人の私でもドキドキしてしまうような切ないラブストーリーでもあり、繊細さと透明感に満ちた、優しい気持ちになる素敵な物語だった。

このレビューは参考になりましたか?

こんな優しい「能力」のお話は初めてです。
涙の音ってどんなのだろう?オルゴールみたいな感じなのかな?海の波のような感じなのかな?と、想像しながら読みました。
主人公は強がっていたけれど、優しい人たちと関わりながら、「強がり」の殻が剥がれていく様子がとても心に届いてきて、私も優しい温かい気持ちになりました。
ステキなこの能力が、私もあったらな、と思いました。
読後に自然と笑顔になれるステキな物語をありがとうございました!

このレビューは参考になりましたか?

周囲の人の涙する音が聴こえる少女、という設定が目新しく、その展開にイメージが溢れドキドキしながら読んだ。考えてみればその能力は、本人にとっては少し辛いような気もするが、それで友達も作らずにいた美音が、生徒会長の涙の音に気づいて、積極的に彼に関わっていく変化からストーリーが動き出していくさまは、好ましく読者を引き込む。等身大の中学生の日常に起こる出来事の中で、高揚したり落ち込んだり、あれこれ思い悩む繊細な心の機微をリアルに描き出し、恋する気持ちの行方もあって、中学生たちにぜひ読んでもらいたいおすすめの1冊!

このレビューは参考になりましたか?

最近のこの国は少しだけ、心が浅くなった気がします。目に見えることだけしか分からない、言わないことは、分からないという大陸的な雰囲気が強いです。かつては、「三年に片頬の国」。だからこそ、その内面を見る目を大切にしてきた「察しの国」「思いやりの国」だったのでしょうね。変わることが悪いことではないのですが。
「涙の音」という印象深い言葉。そのあとに、「聞こえたんですが」とさらりと今風の言い回しが続くこのタイトル。不思議な取り合わせに、引き寄せられてしまいます。そして、中身は古き日本の思いやりと、新しい日本のピュアな感性が溶け合った、青春恋愛ストーリーです。とても、正直な筆致で、まっすぐに心に染み込んできます。
人の涙の音が聞こえる美音は、泣くのは弱いからだと思っていました。でも、涙にも音色があることに気づきます。人の悲しみを背負う、そんな時の涙の音色は美しい音楽のようでした。ああ、泣くことは悪くないんだ。泣くことは弱さや、強さと関係ないんだ。その人の心の深さの現れなんだ・・・そう、気づき始めます。人の涙に、自分のことを少しずつ見つけ始める美音。美しい心の人は、人の美しさは見えても、自分の美しさをなかなか認められないものです。ゆっくりと、自分を受け入れられるようになっていく美音の心の変化が素敵です。
人はホントは優しい。でも、相手の涙を知っても、自分に何もできないと耳をふさぐ。目を閉じる。そのことが、優しさを覆う硬い殻になる。そんな気がします。同じ心に始まっていても、ただ心を固くするのではなくて、たしかに無力であっても、「何もできない」って、「ごめんね」って、そばで泣いてくれる人がいるとしたら、どれだけ救われることでしょう。自分の涙は自分で拭うしかない。でも、そばにいてくれた人の思いやりは、とんでもなく力強い応援団です。だから、今はまだ自分は弱くても、あなたの応援をしたい!一緒にいたい!・・・そんなふうに思えた作品です。少しづつでも、人のため、自分のために成長したいと思います。見えない涙を感じる自分になっていきたいです。ありがとうございました。

このレビューは参考になりましたか?