つる子さんからの奨学金

この作品は、現在アーカイブされています。

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。

出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。

1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2023/02/20 | 掲載終了日 2023/02/20

ハッシュタグ:#つる子さんからの奨学金 #NetGalleyJP


内容紹介

中学3年への進級を来月に控えた藤村わかばは、今年99歳を迎える曾祖母のつる子から呼び出しを受ける。

若かりし頃、女子ゆえに進学に苦労したつる子は、ひ孫のわかばと樹に奨学金をだすと告げる。

ただし、そのためにはひとつ条件があるという。その条件とは……。

主人公のわかばと、いとこの樹が、受験を通じて、ちょっとずつ、自分の人生を考えていく物語。

中学3年への進級を来月に控えた藤村わかばは、今年99歳を迎える曾祖母のつる子から呼び出しを受ける。

若かりし頃、女子ゆえに進学に苦労したつる子は、ひ孫のわかばと樹に奨学金をだすと告げる。

ただし、そのためにはひとつ条件があるという。その条件とは……。

主人公のわかばと、いとこの樹が、受験を通じて、ちょっとずつ、自分の人生を考えていく物語。


出版社からの備考・コメント

【ご注意下さい】
ここに掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正や仕様の変更がある場合もございますのでご了承下さい。

【ご注意下さい】
ここに掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正や仕様の変更がある場合もございますのでご了承下さい。


販促プラン

【著者紹介】

作 まはら三桃(まはらみと)

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

【著者紹介】

作 まはら三桃(まはらみと)

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784037274009
本体価格 ¥1,300 (JPY)
ページ数 206

閲覧オプション

NetGalley Shelf App (PDF)
ダウンロード (PDF)

NetGalley会員レビュー

進学できるのは本家の男の子だけという時代に、分家の娘だったつる子は本家に座り込み女学校への進学を手にする反骨精神の持ち主。さて現代、99歳のつる子は中3の曾孫わかばと樹に、ワンランク上の高校に合格すれば奨学金を与えると申し出る。
それを受けバレー部と受験勉強を両立し相乗効果が出たと思いきや、スランプに陥るわかば。そして優等生の樹が最後に選んだ進路は…。

わかばの志望校が受験で男子の点数にゲタを履かせると噂されていたり、女子は後半成績が伸びないと決めつける教師がいたり、
またわかばの家庭で、女性の管理職が少ないことや、医学部受験の不正問題なども話題にしていて、今のジェンダーをめぐる社会の問題を意識的に盛り込んでいるのも好ましく感じた。

このレビューは参考になりましたか?

女の子だから苦労した、つる子さんの奨学金を手に入れるため、ワンランク上の学校を受験することになったのだが…受験勉強を通して、少女の見えていなかったもの、言葉にできていなかったものがはっきりしてきて、思いもよらないラストへとつながった。受験勉強真っ只中の世代だけではなく、親世代も読むべき。

このレビューは参考になりましたか?

自分の未来について、悩み、苦しみながらもきちんと自分の意見をもって前に進む決断をするわかばと樹がたのもしく思え、また心配や不安があるだろう2人の両親のそれを見守る姿勢にも心を動かされました。厳しい道でも自分の目指す道なら頑張れるのだと思います。個人的には、挫折しても新しい道で出会うものに目を向ける柔軟性を持ってほしいとも思いました。

このレビューは参考になりましたか?

これは予想できなかった!まさに息をのむような展開ですね。

中盤の親子の衝突シーンは、子どもだけでなく親世代も読んだほうがいいように感じました。

最も印象に残ったのは終盤の先生とボールを打ち合うシーン。あの決意の場面にはこれ以上ないと思うほどのフィット感があって、このやり取りだけでも読んだ甲斐があったと感じましたよ。

なお、細かい点ですが、気になったのは以下の2つです。

76ページ
>ソフィアでも天王山と目される夏季講習がはじまった。
別のページの春期講習、冬期講習の表記は正しかったので、もし間に合うなら揃えたほうがいい気がいたします。

86ページ
>パパの会社の執行役員に女性はいる?
間違いではありませんが、執行役員は職位が限定され過ぎるので、役員とするのもアリでしょうか。子どもへの伝わりやすさでは幹部という言い回しでもいいかもしれません。

このレビューは参考になりましたか?

おばあちゃんに理由がわからないまま呼ばれて・・・という始まりは、
ドキドキしてよかったのですが、高校受験で、しかも失敗して浪人という結論。
学校の図書室には少しおすすめしにくい気がしました。
もう少し、夢のある話だとよかったです。

このレビューは参考になりましたか?

曾祖母からの発言をきっかけに、高校受験のランクを上げて挑むことになったわかばと樹。
2人が自分の気持ちに真正面から向き合い、努力する姿に胸を打たれた。そして、子どもたちの意外な決断にきちんと耳を傾け、応援する親たちの姿勢も、見習いたいと思う。
そして、人生は長く、学ぶことに遅すぎることはないということに勇気をもらった。
受験生だけでなく、その親や祖父母たちにも読んでほしい作品。自分の子どもが中学生になったときに、また読み返したい。

このレビューは参考になりましたか?

曾祖母のつる子さんが、自分が苦労して女学校へ行ったという経験から提案してくれた話の中には、女だから教育を受けさせてもらえなかったとか、わかばさんのお母さんだって4年制大学へ行きたかったのに短大にしか行けなかったとか、教育の男女格差についての話がいろいろと登場します。

 そして、今でも同じ高校を受験するのに男子の方が入りやすいところがあるとか、そんな現実を突きつけられた中学3年生ってつらいよねぇって思いながら、この本を読みました。

 塾に通わなければ希望の学校へ入れないという今のシステムって、おかしいですよね。学校という場所が軽く見られているような気もするし、結局お金がなかったらしょうがないって話じゃないですか!

 なんだかこの本って、中学生より大人が読むべき本だなと思えてきました。

このレビューは参考になりましたか?

中学1年生くらいが読むのにちょうどいいかと思われます。
勉強をするということ、その意味などを考えるきっかけになればいいです。また、時代によっては性別で制限されてしまうことの多さを知ることで自分たちの権利というものについても考えられたら…とも思いますが、単純に平易な文章と年齢の近い主人公に共感して楽しめたらいいです。

このレビューは参考になりましたか?

99歳の曾祖母つる子さんから、ひとつ上のランクの学校を受験、奨学金をもらうという提案を受けたわかばと樹。中3を迎えるに当たり、塾や友達、また親子の関係、はたまた女性という性別からくる社会における問題まで、自分で考え進んで行く姿、中学生だけでなく、親世代にもグッとくる作品でした。
祖父母の存在なども大切だなぁと感じたり、好きなことや自分で納得して進んでいく主人公たちの今後の生き方、最後は想像以上でした。

このレビューは参考になりましたか?

またまた表紙に惹かれてリクエスト。期待通りの気持ちいい読後感だった。ゴッドマザーのようなつるこさん、曾祖母って、99歳って。「ふえっふぇっ」笑いながらチョコレートに目がなく、センターを決して譲らないアイドル魂、設定が凄すぎます。そんな超人つるこさんからのお題はまだ現実が何物かもわかっていないわかばには試練の日々。受験生活の傍らには、友達との駆け引き、嫉妬、従兄弟の樹の存在、色々ありつつ、結果は、、ジェンダー問題も絡めつつ、最後は自分の気持ちにしっかりけりをつけることができたわかばの成長に拍手したい気持ちになりました。

このレビューは参考になりましたか?

次に中3の受験生になる、ひ孫のわかば、樹(いとこ)に、99歳の曽祖母のつる子さんが奨学金を出すという。ただし、条件は厳しいものだった。目標とする高校に向けて、塾を選び、受験生としての1年を駆け抜けるふたり。クラスは段違いだが、お互い同じ塾に通うわかばと樹。漠然とした目標が絞られ、気持ちに芯ができてくるわかばの変化が見もの。元々成績優秀で国内最難関校も狙えるほどの実力を持つ樹もまた、自分の目指すものを絞り込んでいく。受験生特有の焦りや不安を思い出す。目指すものが決まったとき、やるべきことも見えた。わかばと樹の決意表明は見事だった。自分の人生を生きるのだという信念は清々しかった。自信を持って、自分を生きる。学ぶことに性差による線引きがあったり、男女で成績の下駄の履かせ方が違ったり、今の時代に即した視点も盛り込まれ、読み応えある作品でした。

このレビューは参考になりましたか?

曽祖母のつる子さんに呼び出された、中学3年生のわかばと樹。いとこ同士の2人はつる子さんに、高校に進学するにあたって奨学金を出してくれるといわれる。ただし、条件付き。「2人がいまの学力で行ける学校のもう一つ上の学校をめざすこと」。
受験勉強とバレー部を両立させることになったわかばだが、バレー部でベストメンバーに選ばれ、責任感と喜びがこみあげる。
樹はあまり言葉には出さないがなにか考えている様子がところどころに出てきて、途中からなんとなく先が読めたが、わかばの決断にはびっくり!中3でそうきたか!と思わず声がでてしまいました。
2人の未来を応援したい結末でした。

このレビューは参考になりましたか?

つる子さん、すてきだ。
自分の意志を貫きとおすことは難しい。
男女平等が当たり前とされている現代でも、無意識のうちに男女の差別は底に漂っている。
つる子さんの時代ならなおさらだろう。
それと戦い、ふぉっふぉっふぉと笑い飛ばす姿に、ほれぼれする。
今を生きる孫たちにも、その強い姿が受け継がれていくのが心地良かった。

このレビューは参考になりましたか?

優しくて強い物語でした。
人生で誰もが通らなければいけない受験。
自分もレールの上に乗っている人間なので
もちろん経験してきました。
これを読んでいる隣でも単語帳を開いて
必死に勉強している姿を見ました。
若い者を優しさだけでなく、金銭面でも
できるだけカバーしていきたいというのは
人によっては嫌がることかもしれないけど
この話を読んでそれは決して間違いではないことに
気付かされました。

このレビューは参考になりましたか?

三十年ほど前まで女はクリスマスケーキ、就職は腰掛け。つる子さんの時代、女は高等教育を受ける必要なし。物語の冒頭からは戦前から根強く残る女性の人権がテーマかな、と思ったが、どうもそうではない。これはジェンダー平等、ジェンダー・バイアスの物語だ。
「自分にとって本当に価値のあることに向かって行動していくこと」そこには男性も女性もない。「私」が一生涯をどう生きていくか、未来を見据えて自分のライフプランを自分で決めていく。進路に悩む若者世代のみなさんに是非読んでもらいたい。

このレビューは参考になりましたか?

高校受験をめぐる中学生の女の子の物語。
受験当事者の主人公とそのいとこは、曽祖母の思いに付き合わされるように、「ワンランク上」の高校を目指す羽目に陥りますが、この「ワンランク上」は曲者な言葉ですね。物語は最終盤に「ワンランクななめ上」な結末を迎えます。
アラフィフである我々の世代では、教育のジェンダー格差は現在よりももっと露骨にありました。私の祖母(主人公の曽祖母と同じ世代ですね、きっと)は奈良の山間地の出身なんですが、一族は女子の教育に力を入れていて、みんな女学校に通ったというのが自慢でした。当時は、へー、としか思わなかったんですが、今考えてみると大変なことです。
個人的には受験制度自体がもっと子供のストレスにならないような形に変容していって欲しいと願っています。とても考えさせられるお話でした。子供に勧めたいかと言われると微妙なところですが、きっと、子供たちは読みたいとおもう本だと思います。読めてよかった。ありがとうございました。

このレビューは参考になりましたか?

家の経済状態が厳しくて、中学校在学時に奨学金が約束されていた私は、公立高校の受験で失敗することは考えられなかった。志望校のランクを下げることで乗り切ったが、コンプレックスと諦めのような気持ちがずっと着いて回った。だから、わかばや樹の覚悟が清々しくて、羨ましかった。二人はきっと自分の夢に向かって、進んで行くことだろう。それどころか、我が子に触発されたすみれも目標ができたようで、ならば私も、今から出来ることをやってみるのも悪くないかもしれない。

このレビューは参考になりましたか?

明治時代に女学校に行った曽祖母(大おばあちゃん)がひ孫に言った。高校への奨学金を出す。ただし「今の学力よりワンランク上を目指すこと」と言う条件付き。中3のわかばは「今の学力で行ければいい」くらいの気持ち。同い年の樹は公立のトップ校に余裕で進学できる学力。さてこの二人、これからの勉強で学力をどこまでのばせる?多様性をからめ、受験生の気持ちもしっかり持ちながらも二人の出した結果に…。驚きがあったけれど、その思いに拍手!YAのまはらさん、これまた良かった。

このレビューは参考になりましたか?

99歳の曽祖母つる子さんが高校受験を迎える曾孫に奨学金を出す!喜ぶ親達を尻目に浮かない顔の主人公・わかば。ワンランク上を目指す条件付きだったのだから気の毒と思ってしまう。塾を変え、部活との両立、押し寄せるプレッシャーに心身共に疲れてしまうのではと読んでいてハラハラしてしまう。日本の受験制度やジェンダー問題も絡め、自身の心を正直な目で見つめ直す姿に感動する。まだまだ先の長い人生の中で時には立ち止まる事で新たな道が開くってあるよっ!と強く応援してしまう。幾つになっても遅すぎる事は無いんだと力を貰った。

このレビューは参考になりましたか?

あぁ、そうだった、受験ってこんな雰囲気だった…。祈るような気持ちで、手に汗を握るような気持ちで読み終わりました。目標も夢も、まだ決まっていないのに、どうやって志望校を決めれば良いのか分からなくて、明確な目標を持っている周りの子が急に大人に見えたり、勉強しなきゃいけないのは分かっていても焦りや、プレッシャーから集中出来なくなってしまったり…。中学生や、高校生って特に多感な時期で、色々な事に敏感になるのにその中でも自分の立ち位置が分かってしまう受験が、一番しんどくて、苦しくて私の中では一番高い壁だった気がします。特に、プレッシャーに弱かったので受験≒体調を崩すイベントと言う苦い思い出しか、ありません。でも、だからこそ、得たものもあって、本番に強い子も居れば、本番に弱い子もいるし、あくまで、その時その時の選択肢なだけであって、必ずしも通らなければ行けない道では無いと言うこと。「努力は裏切らない」訳でもないし、「結果が出ない努力は努力とは呼ばない」訳でもない。勿論、点数だけで判断されてしまう、受験と言う場においては結果を出すことが大切だけど、だからって、それだけが全てではない。今だからこそ本を読んで、こんなことを偉そうに書いてるけど当事者な時は、必死で周りなんて見えなくてみんなが通って来た道だからって言葉が、本当に大きくのしかかってしまって、みんなが出来てるのにどうして私は…ってなってしまっていたり、周りの期待に応えなきゃって気持ちが大きなプレッシャーになってしまったり、結局、己との戦いだよね。「いったん立ち止まるという経験はその後の人生にも大きく役立っていると実感しています」受験と言う、一つのイベントを通して、わかばも、樹くんも、自分のことを見つめ直してだんだん成長していく姿が本当にかっこよくて感動して、泣いてしまいました。「大切なのは自分にとって価値があることに一生懸命になること。」評価が大切だと思う人もいる。どれも正解で、どれも絶対ではない。みんなと足並みを揃えなくたって大丈夫。頑張ることだけが正義じゃない。この作品、学生の時に出逢いたかったです。

このレビューは参考になりましたか?

まさかのラストにびっくりでした!でもそれも人生!つる子さんからの課題のひとつなのかな、と思いました。受験で勉強が終わりなわけではないし、いつまででも学び続けることが大事だと思わせられました。きっとつる子さんは学び続けてるのだろうなぁ。

このレビューは参考になりましたか?