ナナカラやまものがたり①くまおばあちゃんのジャム
どいかや
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刊行日 2022/10/27 | 掲載終了日 2022/12/04
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内容紹介
絵本作家「どいかや」が贈る新作絵童話シリーズ!
全3巻同時発売
青くておわりのない海と空にかこまれたナナカラやまは、とても美しくて豊かなせかいです。
なぜ、美しくて豊かなのかというと、それは数えきれないほどのいろんな生きものたちが暮らしているから。
ナナカラやまに暮らす動物や花や木や魚、虫や石や風……。
みんなみんな、ナナカラやまのナナカラたちです。
そんな、ナナカラたちは、たくさんの物語をもっています。
うれしいこと、かなしいこと、ずっと昔からあったことも、つい昨日のできごとも、ナナカラたちは、お話にしたり歌にしたりして楽しみ、伝えていくのです。
それが、ナナカラやまの物語です。
①巻「くまおばあちゃんのジャム」
くまのおばあちゃんが、孫と野イチゴをとりにいきました。
野イチゴが、かごいっぱいになると、次はミツバチさんのところにハチミツを分けてもらいにいきました。ハチミツを分けてもらうかわりに、おばあちゃんは物語をお話します。それはこんなお話でした。
昔々、湖の近くに一匹のひつじが住んでいました。
そのひつじは美しい姿をしていたので、みんなから「美人のひつじさん」と呼ばれていました。ひつじは、いつも湖に写っている自分の姿をみて、身だしなみに気をつけていました。
でも、美しいひつじも年をとって、だれも美人とは呼んでくれなくなりました。
ある時、ひつじはよいことを思いつき……。
森でつつましく暮らす小さきものたちの心あたたまるお話!
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784751531419 |
本体価格 | ¥1,300 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
「ナナカラやまに くらす いきものたち・・・どうぶつや はなや きや さかな、むしや いしや かぜ・・・みんな みんな、 ナナカラやまの ナナカラたちです」そう、間違いなく、これは、少しずつ、忘れらていくこの国、日本のこころの物語です。目に見えてても、見えなくても、そこにあると感じるもの、そんな、すべての存在を、慈しみ、敬って生きてきた、この国の人達のこころの物語です。
ほら、忘れられてしまったようでも、よくよく、目を閉ざして、耳を澄ませてください。誰もが、なつかしく、いとおしい、この物語を、ちゃ~んとこころの奥で覚えているんじゃないかしら?
それは、たおやかでつよく、いさぎよくおおらかで、そして、からりと明るい・・・そんな、この国の素顔とまごころを。どうか、少し足を止め、この絵本を開いて、なつかしい、このわたしたちの「まほろば」へ 帰ってみてほしい・・・そう、どい かやさんは思ったのかもしれません。
そっと、くまおばあちゃんがお話してくれるお話は、お説教じゃなく、決して押し付けず、ひつじのお話も、たぬきのむすめさんのおはなしも、いろんなふうに感じる、不思議な余地を持ったまま、ふんわり笑顔で語ってくれる、だからこそ、聞くごとになんだか違って、何度も聞きたくなる、そんな、くまおばあちゃんのお話です。
くまおばあちゃんは、大好きだった、わたしのおばあちゃんのようです。たくさん、お話をしてくれました。たくさん、不思議なことを教えてくれました。たくさん、やさしい笑顔をくれました。たとえば、ちょっとおっきな声では言えませんが、わたしが ”おそと ” でおしっこするとき、おばあちゃんは「かえるも、みみずも、みなのけよ(=にげて)」って言ってから、おしっこするんだよって教えてくれました。見えない者への気遣いと、優しさを感じました。(そうしないと、ばちが当たって腫れてきちゃうよって、ちょっぴり怖いお話も・・・)
お母さん、お父さん、くまおばあちゃんになって、そっとチビくんたちに語り継いでください。ナナカラの、いや、この国の素敵で不思議なこころのあり方を。ありがとうございました。
不思議であたたかい。
ナナカラやまのどうぶつたちの話を、くまおばあちゃんが語ってくれる。
もりのかみさまへの畏敬が、さりげなく描かれ、ミツバチから蜜を貰うのも、奪うのではなくお話をして対価としていただく。
もりからのめぐみや、生きものたちへの
フラットな目線がこの本は見せてくれる。
それでいて、美しい羊が自分の老いに逆らい花で飾りたてていく姿は、何かに対しての強烈なメッセージにも読めるし、好きな食べ物を独り占めしたくて隠してしまったたぬきの話も、示唆に富んでいる。
ほんわかしたなかに、何か気づかなければいけないこともある?とあたりを見回さねばという想いに駆られる。
表紙にもタイトルにもあるように、くまのおばあちゃんが主役・・・?
おばあちゃんがジャムを作るお話なのかな・・・?
たしかにそれはそうなのだけれど・・・
ナナカラやまが、なぜ美しく豊かなのかというと、数えきれないほどのたくさんの生き物が暮らしているから。
くまのおばあちゃんは、この山に紡がれてきた伝説や物語の語り部であり、そしてそこに暮らすたくさんの生き物の一人。
今一番大切なことのひとつ、として意識されている多様性というテーマがここにもしっかりひそんでいる。
みんなみんなつながって生きているということ。
大好きなどいかやさんだ、とリクエストしてから、「あれ? タイトルに聞き覚えがある」と、読書記録を確認。やはり、童心社から絵本が出ていて、読んでいた。
そこで、図書館で絵本も借りてきて、一緒に読んでみた。
絵本は、左開きの横書きで、今回の絵童話は右開きの縦書き。だから、表紙のくまおばあちゃんは、左向きに描かれている。一緒にお話の中に入っていける。細かい配慮だ。
絵本には40ページの中に5つの話が入っていた。こちらは、60ページに、5つの中の2話と新しい話が1話入っていた。新しい1話は、絵本のラストで こぐまが大好きだからとねだった「たぬきの むすめさんの おはなし」! それが読めるとは、こぐまと一緒に大喜びだ。
同じ2話も、言葉を練り直し、”絵童話”という呼び名にふさわしい、充実した内容に仕上げられていた。
「ナナカラやま」という美しい自然の中で、くまや ひつじ、たぬきなどの動物、花や木や虫などが生き生きとしている。失敗もするけれど、笑い飛ばして、前へ進む姿もとてもいい。読んでいると、自然の中で深呼吸したくなる。そして、温かい気持ちになって、自然を大切にしたくなる。
少し前に、どいさんのアイヌの昔話絵本「ひまなこなべ」を読んだところなので、アイヌの匂いもする気がした。
②③も、ぜひ読みたい!
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