水まきジイサンと図書館の王女さま
丸山正樹/作 高杉千明/絵
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刊行日 2022/07/14 | 掲載終了日 2022/07/18
ミステリー/サスペンス | 児童書全般 | YA/児童読み物
ハッシュタグ:#水まきジイサンと図書館の王女さま #NetGalleyJP
内容紹介
『デフ・ヴォイス〜法廷の手話通訳士』(文春文庫)で話題をさらった丸山正樹氏、初めての児童書!
『デフ・ヴォイス〜法廷の手話通訳士』のスピンオフ版である本作品は、コーダ(ろう者の両親の家庭で育った聴者の子ども)である主人公の手話通訳士の再婚相手の子ども美和と、シリーズ2作目に登場する友だち英知の学校を舞台に繰り広げられる。
「水まきジイサン」「図書館で消えたしおり」「猫事件」「耳の聞こえないおばあさん」などのストーリーが、ミステリーの要素も加わり、少しずつリンクしていく。美和は義父から習った手話が使える。発達障害や場面かん黙症という特性をもつ英知も、人前で話すことができないが手話を習得していて、二人の会話は手話である。オリジナリティあふれる物語。謎は解けるのか!
巻末に手話の説明付き。
出版社からの備考・コメント
【ご注意下さい】 ここに掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。
販促プラン
【著者紹介】
作 丸山正樹(まるやままさき)
1961年、東京都に生まれる。早稲田大学卒業。シナリオライターとして活躍の後、松本清張賞に応募した『デフ・ヴォイス』(文藝春秋)で、作家デビュー。コーダ(ろう者の両親の家庭で育った聴者の子ども)である手話通訳士を主人公にしたミステリーで、話題となり、続編の『龍の耳を君に』『慟哭は聴こえない』『わたしのいないテーブルで』(以上東京創元社)などが次々と刊行される。他の作品に『漂う子』(文春文庫)『ワンダフル・ライフ』(光文社)などがある。児童書はこの作品が初めてで、本書は「デフ・ヴォイス」シリーズからのスピンオフ作品。
絵 高杉千明(たかすぎちあき)
長崎県に生まれる。福岡教育大学卒業、実践装画塾、坂川栄治の装画塾などを経て、イラストレーターとして活躍中。年齢、性別問わず、人物を描くことが得意。多くの装画、挿絵などを手がける。主な装画の仕事に、丸山正樹氏の作品『龍の耳を君に』などのシリーズ、『末ながく、お幸せに』(小学館)、『オートリバース』(中央公論新社)、『父子ゆえ〜摺師安次郎人情暦』(角川春樹事務所)、『駒音高く』(実業之日本社)などがある。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784036355303 |
本体価格 | ¥1,000 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
デフ・ヴォイスシのリーズは、最初の2作を読んでいて、すごくいいテーマだけど、作中に起こる事件や人間関係がちょっと中学生向けじゃないかもと思っていました。今回、美和を主人公とした児童書として出版されることで、学校図書館にも受入しやすいです。主人公が小学生で、内容も小学生向けですが、手話や、認知症、発達障害などについて、無理なく触れられていて、中学生にも読んでほしい1冊だと思いました。美和と英知の別れを予告するラストだったので、児童書でもシリーズ化するのでしょうか。楽しみです。
『デフ・ヴォイス』のスピンオフが児童書で読める!読み応えのあるシリーズだから、児童向けって大丈夫なのかな…、と思ってましたが、要らぬ心配でした。
美和と英知を中心にした物語は、ミステリーの要素を含みつつ謎が少しずつ繋がってすすんでいきます。
アラチャンが美和へ“手話は言語”だからとても大切なものなんだと話しているところは、2人がきちんと家族になってるのが伝わってきて好きなシーンです。
終盤に美和と英知の別れが予告めいて描かれていたので、児童向けのこちらも今後シリーズ化されていくのでしょうか。イラストも『デフ・ヴォイス』シリーズと統一されていて嬉しかったです。
聾者の親から生まれた聴こえる子「コーダ」である手話通訳士の主人公が、独自の観点から事件に関わる人気社会派ミステリーシリーズのスピンオフ。
本編主人公の再婚相手の小学生の娘が主人公の本作は、日常の小さな謎を子供らしい真っ直ぐな感性で解き明かしていく児童書。好奇心旺盛な子供にとっての「手話」の捉え方など、歪んだ協調性に繋がり兼ねない危うさは、年齢に関係なく思い当たる節があるはず。
少し難しい言葉も上級生が下級生をフォローし然り気ない形で説明が入り、巻末では作中に出た手話を温かいイラスト付きで紹介しているのも魅力的。
児童書の手話ミステリーでした。上手く手話を使っていて、手話をいくつか覚えられそう。覚えたくなる。デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフですが、元のシリーズを知らなくても読めます。元のシリーズも読みたくなりました。図書館がとても自然に主人公の生活の一部で嬉しい。カウンターの職員さんの守秘義務的な対応は同じ図書館職員としてはギリギリだなとは思います。図書館によるところだと思いますが。とにかく、楽しんで読みました。
主人公の目線が、とても公平公正です。でも優等生ぶっているのとも少し違うので、小学校中学年の子どもたちが、素直な気持ちで読むと、自然と見習いたくなるのではないかと思いました。
ヘンだったり、悪意に見えたりするようなことも、よく知ると、ただの勘違いのことや、その人が抱える事情ゆえだったりすることが、事件の謎解きで明らかになるのも、良い感じがします。
読書感想文を書きやすそうな本だと思いました。
場面緘黙の友だちとどうやったら話ができるかと考えて、手話で話すようになった主人公。手話がごく自然に生活に取り入れられている様子が素敵だなと思いました。認知症や発達障害など、内容が少し盛り沢山に感じましたが、巻末の手話の会話のページなど、じっくりと読みたくなるところも多かったです。