本おじさんのまちかど図書館
ウマ・クリシュナズワミー/作 長友恵子/訳
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刊行日 2022/05/20 | 掲載終了日 2022/05/27
ハッシュタグ:#本おじさんのまちかど図書館 #NetGalleyJP
内容紹介
声を上げよう! 大好きなこの図書館を守るために!
子どもだからと諦めてしまうのではなく、自分に何ができるかを考えて実行する、勇気と希望に満ちたストーリー!
<あらすじ>
インドに住むヤズミンは、本が大好きな女の子。本おじさんの〈まちかど図書館〉で本を借りるのが、毎日の楽しみだ。ところが、何者かの通報により、本おじさんは図書館を続けられなくなってしまう。本おじさんを助けたいヤズミンは、読んだ本と市長選挙をヒントに、あることを思いつく……。
●小学校中学年から
出版社からの備考・コメント
*校了前のゲラのため、一部変更になる可能性があります。
おすすめコメント
これからの時代に大切なテーマが描かれています!
● 多様なテーマから、考える力が身に付く! 感想文にも最適!
● 読書の魅力、大切さを感じることができ、読書推進に役立つ!
● 選挙権年齢引き下げを受け、今後重要視される主権者教育に!
● インドの文化を感じられ、異文化理解にも役立つ!
● 小さな図書館の活動、平等な教育など、SDGs の学習にも!
これからの時代に大切なテーマが描かれています!
● 多様なテーマから、考える力が身に付く! 感想文にも最適!
● 読書の魅力、大切さを感じることができ、読書推進に役立つ!
● 選挙権年齢引き下げを受け、今後重要視される主権者教育に!
● インドの文化を感じられ、異文化理解にも役立つ!
● 小さな図書館の活動、平等な教育など、SDGs の学習にも!
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784577050583 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
◆まず、表紙の絵に目を奪われます。カラフルでそれでいて複雑な絵に、日本とは異なる文化の香りが漂ってきます。
インドの少女のテンポのいい一人称で語られるこの物語は、よくある翻訳本の敷居の高さをなくし、すいすいと頭の中に入ってきます。きっと、一人読みの子どもたちにとっても、途中でおしまいにすることはないでしょう。
インドの国の習慣や食べ物、町並み、学校の様子、そんな日本にとっての異文化の国を知ることができ、もっと調べたいという興味までもくすぐります。さまざまな差別についても、一定の配慮をしつつ描いていて、その点でも学ぶべきことは多いです。
そして何よりもこの物語の魅力的なところは、主人公の女の子の思いが、友達を動かし、人々を動かし、社会を動かしていくことです。民主主義というものを知らず知らずうちに意識することができ、政治家に対しても客観的な視点でとらえ、考えることができるということです。
と書けば、何やら小難しい物語と捉えられるかもしれませんが、決してそうではありません。勢いのある文体、好感のもてる主人公の一人称の語りが、読み手をぐいぐいと引っ張っていってくれます。
本おじさんが手渡してくれた本のように、まさに、子どもたちに手渡せるおすすめの一冊といえます。
本おじさんはボランティアで図書館を開いています。大きな通りの交差点で本を並べていて、誰にでも無料で本を貸してくれるし、その人にぴったり合った本を薦めてくれます。本おじさんのおかげで、良い本を読んで、仕事を見つけることができた人もいるくらいなんです。
なのに、本おじさんの図書館が立ち退かなければならないって連絡が市役所から届いて、「まちかど図書館」がなくなってしまいそうです!ヤズミンは、それは困るって思いました。いろんな人に相談してみましたが、そうだねってみんな言ってくれるけど、解決策は見つかりません。
この間、本おじさんに貸してもらった本のことを思い出したら、ひらめくことがありました。
そして、ヤズミンは決めたのです、わたしたちの力で本おじさんの図書館を守ろうと!
ヤズミン、がんばれ!
本おじさん、ありがとう!
本好きな小学生ヤズミンは毎日1冊本を読むと決めて、無料で本を貸してくれるまちかど図書館の本おじさんから学校帰りに借りています。本が読みたい人のために、元教師のおじさんの善意で運営されている小さな「図書館」。ところがある日、おじさんの図書館が廃止に追い込まれてしまいます。市の圧力がかかったのです。納得できないヤズミンは、その理由を解明し、再び本おじさんが図書館を開けるようにと行動に移していきます。小さなひとりの力が良質な口コミのウェーブを起こし、連携と推進に繋がっていく。かつて、おじさんに勧められたある本のテーマが不意にヤズミンに天啓のようにアイデアをもたらしました。本好きの強みがこういうところに出ます。市長選挙のからくりを暴き、大人たちへの働きかけ、本気のアピール、パワフルなヤズミン、どこを取ってもぐいぐい気持ちに差し込んでくるのが心地よかったです。インドの街の空気、文化の違いも興味深く読みました。
無料で本を貸してくれる私設の図書館をめぐる物語。主人公は9歳の本好きな小学生、ヤスミンです。インドの街角にある本おじさんの「まちかど図書館」は、登録も貸出カードもいらない、完全なフリー図書館。本好きな子にぴったりな一冊を手渡すだけではなく、大人に対しても読み方や、字の書き方、計算、銀行口座の開設の仕方まで教えてくれたりします。図書館という存在ができることの大きさを教えてくれるようで、読んでいて気が引き締まります。この本おじさんの図書館が存続の危機に陥ったことで、ヤスミンは市民運動を巻き起こします。政治離れが進んでいる昨今ですが、自分達で変えることができるものもあると、子供に伝えることはとても大切な意味があると思います。読めてよかった。ありがとうございました。
図書館とタイトルについているものはついつい読んでしまうのだけど、これは知っている図書館じゃなくて、むしろ個人の文庫とかまちライブラリーとかに理念が近い気がしました。選挙のしくみもうまく物語に取り込まれていて、とても面白く読めました。私も本おじさんに、「ぴったりの日にぴったりの人にぴったりの本を」選んでもらいたい。そんなふうに、ぴったりな本との出会いができたらいいなと思います。
ウマ・クリシュナズワミーさんは、インドのニューデリー生まれの作家。写真を見ると長い白髪を背中に垂らし、優しそうな眼差しの微笑みが印象的。その後アメリカの大学に進み、物語を書き続け、またライティングのコースで指導している。主人公のインドに住む少女は大の本好き。本がないと一日が始まらないし終わらない。こんな気持ちは読書家のみなさんにはよくわかるのではないだろうか。スクールバスをおりてちょっと寄り道するのが日課。板の上にたくさん本を並べて誰でも借りて行けるようになっている、本おじさん(Book Uncle)の図書館。力強い線と色で描かれた印象的な表紙には、本を大事そうに抱えた女の子。道端に山と積まれた本。カゴにうずたかく積まれた果物。そして白いハト。ハトの横で飛ぶように舞う本。投票へ行こう(vote)と書かれた看板。みな、この本に出てくる重要なアイテムだ。小さな力も意識して力を合わせて考えて動くことで、何か大きなものを動かすことができる。
Book Uncle and Me
UMA KRISHNASWAMI
大人はつい諦めたり、見て見ぬふりで片付けてしまうけど、ヤズミンはそこに正面からぶつかっていき、たくさん悩む。
悩みながら徐々に状況を理解していき、自由な発想でたどり着いた方法が選挙というのがおもしろい。
本おじさんが貸した本がヤズミンを導いてくれたように、本書もきっと、だれかを導く一冊になると思う。
私も、子どもの頃に出会いたかった。