たぶんみんなは知らないこと
福田隆浩
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刊行日 2022/05/24 | 掲載終了日 2022/05/28
ハッシュタグ:#たぶんみんなは知らないこと #NetGalleyJP
内容紹介
「いってきまーす!みんなには聞こえないけど、私は大きな声を上げた。」知的障害のある小五のすずと兄、周りの人達の優しい物語。
ねえねえ。なに話してるの?
そんなふうにいえればいいんだけど、わたしはおしゃべりができないから。
おしゃべりしようって思っても、頭のずっとおくのほうでなにかがちかちかってするだけ。お口もじょうずにうごかせないし、もうしかたないなぁって思ってる。
≪本文より≫
重度の知的障がいのある小五の女の子、すずと、お兄ちゃん、同級生、先生、保護者たちなど周りの人をめぐる優しい物語。
『ふたり』が青少年読書感想文全国コンクール課題図書に、『香菜とななつの秘密』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれるなど、特別支援学校で長く現役教師をつとめながら児童文学作家としても活躍する、福田隆浩氏最新作。
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★★
出版情報
ISBN | 9784065270431 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
読み終えるまでに何度泣いたかわかりません。
子どもが書いたような文章がずっと続きます。それは主人公のすずちゃんの言葉です。
でも、すずちゃんは話すことができないので、心の声です。
書いている(作家さん)のは特別支援学校の先生です。
子どものことをほんとうによくわかっているな、と思いながら読みました。
教科書などを届けている支援学校さんがありますが、そこの子どもたちを想像しながら読みました。
すずちゃんやお兄ちゃん、支援学校の先生とお母さんの連絡帳のやりとりなど、その人たちの一人称で話がすすみます。
小学校の授業で教材として使えそうな内容でした。
タイトルの「たぶんみんなは知らないこと」というのも、ぴったりです。感動しました。
筆者は特別支援学校の現役教師。主人公、小学5年生の芦田すずちゃんは重度の知的障害があり言葉が出ない。彼女の心の声、先生とお母さんの連絡帳でのやり取り、中学2年生のお兄ちゃんのブログを交えて、彼女を取り巻く日常を描く。一部ルビあり。
みんなには聞こえないすずちゃんの心の声が、聞こえます。重度の知的障害があるすずちゃんは声に出して話せなくても、感じ、考え、日々成長を重ねていることがわかります。「わたしはもう大きいから」と嫌なことでも我慢して、がんばってみる。そんなふうに、自分をコントロールできるのです。学校でのお友だちとの関係も、その気持ちまで慮って行動できるすずちゃん。子どもの成長の瑞々しさは、読みながらはらはらさせられましたが雪の日の冒険(?)にも伺えます。大人から見れば「無理」と決めつけている行動でも、すずちゃんなりの判断と決断によって、できるのです。きついことしか言わないお兄ちゃんの胸の内も、実は温かなものでいっぱいでした。すずちゃんのお話を聞けて、嬉しかったよ。ありがとう!
最初は斜め読みをしていたのですが、どんどん引き込まれてしまって、気がつけば本気になってちゃんと読んでいました。すずちゃんがかわいくてずっと応援していました。
フェスタのところとかぐいぐい読み進めることができました。お婆さんとの雪の日のお話もよかったです。お兄ちゃんのブログのところはとくに泣けました。クラスメートのみんなもよかったし、その家族さんや背景なんかもちょっとした一言、一言が心をうちます。先生たちも素敵でした。
たくさんの人に読んでもらいたい作品です。
すずちゃんの気持ちの本当のところは分からないけど、伝わるところは伝わって、色々思ってるんだろうな。お母さん、先生、友達のお母さん、それぞれの立場から見守っている姿勢を、この本を読んだ子に感じてほしい。そしてお兄ちゃん!その率直な思いが温かい。家族っていいな、と素直に思える。転校した先のことも読みたい。最後の、窓がくもったところは泣いた。
特別学級の教師の方が書いた本ということで、「先生目線」「保護者目線」「兄弟目線」「療育を受けている子の目線」がとてもリアルでした。
特に、お兄ちゃん目線がすごく泣けました。妹は困った子だけど、守ってあげないといけないという気持ちがすごく伝わってきました。
すずちゃんが雪の日に大冒険に出かけた話は、「おばあちゃんー(泣)」となりました。このまま雪に埋もれてしまい凍死ってことになったらどうしようとハラハラしながら読んでいました。子供のお留守番、こちらでも小学生のうちはお留守番を子供にさせたらいけないことになっていますが、片親で、ケアの必要な子供を抱えて、もう一人子供がいて、どうしてもの時って頼れる人がいないときは困りますよね。特にそういったケアの必要な子供にはちょっとした留守を見ていてくれるという社会サービスなんかがあったらいいなと思いました。
セッケンくんの冒険、すごくよくできたお話で、素敵な劇になってよかったなあと思いました。
「想像力を働かせましょう!」
それがキーワードなんだと思いました。
最後まで読んで、なんだか泣けてきてしまいびっくりしました。
泣いてしまったのは、最後のほう、おばあさんが登場するところぐらいです。
私は母親なので、ママの気持ちも考えました。
それに、お兄ちゃん、パパ、クラスメイト、それぞれの立場や考えがあって
目に見えていることだけがすべてではないことをちゃんと理解していたいと、改めて思いました。
世の中の「すずちゃん」が頭の中でこんなにいろいろなことが考えて感じているのだとしたら
私たちはもっと想像力を働かせなくてはなりません。
目に見えないことについて考えるきっかけになるとても素敵なお話ですね!
著者の著作を読むのは二冊目。特別支援学校で勤務する現役の先生。
少し前にその時もゲラで拝読した絵本も、学校での子供たちの日常を描写し、とかく、みにきてください、感じてください、ここでのみんなの様子を、という訴えがストレートに伝わってくるものだった。
著者の描き方はこの本でも真摯でまっすぐだった。
主人公の女の子、すずちゃん、が語る。
すずちゃんは重度の知的障害があるため、実際はおしゃべりすることができない。そんなすずちゃんの感じること、彼女の言葉、がつづられている。それは著者が彼女の頭の中で起きていること、体で感じていること、を想像して書いているということなのだが、この構造が見事。そばで子供たちを見ている先生ならではの、作り物めいた、想像で書いたと感じられない。
そして、彼女の外の世界、から、彼女を取り巻くたくさんの人たちの言葉があとに続く、施設への連絡帳だったり、お兄ちゃんのブログだったり、交流先の小学校の子供の作文だったり。
そこで読者は、すずちゃんの頭の中で起きていること、周りの人がそれをどう捉えているか、が立体的に見えてくる構成になっている。
紙の本で読み継ぎました。
泣けました。素敵な本です。