戯画を楽しむ
谷川 渥
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刊行日 2021/12/22 | 掲載終了日 2022/01/10
ハッシュタグ:#戯画を楽しむ #NetGalleyJP
内容紹介
のぞいてびっくり笑いの世界
美術作品のなかには「笑い」をテーマにして、姿や表情のおかしさ、まじめな絵巻物や物語絵のストーリー表現の滑稽さを描いたものが多数あります。本書では、江戸時代から明治にかけて人気を集めた葛飾北斎、東洲斎写楽、歌川国芳、河鍋暁斎、月岡芳年、小林清親、歌川広景たち浮世絵師や画家の滑稽画や諷刺画を中心に、ほとばしる笑いやユーモアが楽しめる戯画を紹介しました。また、戯画に登場する人物に台詞を付けることで絵の内容を一段と理解できるような演出も行っています。
■「戯画の宇宙」 谷川 渥
■第1章 人気浮世絵師の描いたユーモア
《洒脱な戯画を描く》 英一蝶
《町狩野を代表する絵師で絵手本作家》 大岡春卜
《名所図会で知られる鳥羽絵の名手》 竹原春朝斎
《軽妙洒脱な戯画で人気を博す》 耳鳥斎
《森羅万象を描くといわれた絵師》 葛飾北斎
《役者の姿そのものから性格までを描きだす》 東洲斎写楽
《江戸における戯画の名手》 歌川国芳
《戯画と笑いの反骨の絵師》 河鍋暁斎
《ユーモアが散りばめられた戯画の世界》 月岡芳年
《新聞・雑誌を舞台に諷刺漫画家として活躍》 小林清親
《笑ったり怒ったり、江戸庶民のドタバタ喜劇》 歌川広景
《滑稽な人々の姿と文明開化の新東京》 昇斎一景
■第2章 滑稽と諷刺の笑いの世界
《民芸絵画の素朴なおもしろさ》 大津絵
《不思議な風貌に見る笑い》 戯絵
《笑う顔には福きたる》 七福神
《奇抜な発想がゆかいな顔》 ユーモラスな顔
《人にかわって演技するゆかいな動物たち》 擬人画と動物の諷刺
《ナマズが起こした大地震》 鯰絵
《こんな戦い見たことない》 コミカルな合戦の世界
《形態模写の必携のテキスト》 身振絵
《江戸の化物たちが大活躍》 幽霊と妖怪
《ヒーローたちの妖怪退治》 酒呑童子と土蜘蛛退治
《滑稽な誇張の笑い絵》 春画
■第3章 絵巻物に見る戯画のはじまり
《日本のカリカチュアの元祖》 鳥獣人物戯画巻絵
《空を飛ぶ米倉が見どころの劇的絵画》 信貴山縁起
《流暢な描線で優美な色彩絵巻》 伴大納言絵巻
《餓鬼道の業苦を描き、現世への痛烈な諷刺》 餓鬼草紙
《色彩が効果的な地獄の世界》 地獄草紙
《詩情豊かな優れた筆で上人の行状を描く》 一遍聖絵
《貧乏絵師の滑稽な身の上話》 絵師草紙
《源頼光の鬼退治》 酒呑童子絵巻
《夜中に歩く妖怪の滑稽な姿》 百鬼夜行絵巻
《職人たちの楽しい姿を活写する》 近世職人尽絵詞
《くだらない下品な行いも描いてみれば愉快》 勝絵と放屁合戦
■画家略歴
【監修について】
谷川 渥(タニガワ アツシ)
美学者、批評家。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。東西の芸術史を視野に収め、多様な〈美的表象〉を渉猟、美学と批評を架橋する。著書に、『図説だまし絵』(河出書房新社)、『江戸のバロック』(監修、河出書房新社)、『幻想の花園 図説美学特殊講義』(東京書籍)、『文豪たちの西洋美術』(河出書房新社)、『孤独な窃視者の夢想- 日本近代文学のぞきからくり』(月曜社)ほか。訳書に、バルトルシャイティス『鏡』(国書刊行会)、アニエス ・ジアール『愛の日本史』(国書刊行会)ほか多数。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784768315781 |
本体価格 | ¥2,800 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
表紙と内容に惹かれました。
画面ではとても綺麗な色。
紙になったらどんな感じなんだろう。紙質は?大きさは?と実際に本を手にとった時のことを想像しました。
それほど本で見てみたい。
知らなかった絵師も魅力的です。
もう少し ふりがなが多ければ分かりやすかったかなぁー。なんて読んでいいのか迷いました。
何か言いたそうな絵たち。その工夫は面白かったです。
近現代で外せない 今、注目の「戯画」解説本。
歌川国芳・葛飾北斎・写楽などの有名な浮世絵師たちは もちろん鳥獣戯画、百鬼夜行まで。
武者も動物も怪の怪(もののけ)も 風刺やユーモアたっぷりに。ややグロテスクな地獄絵も滑稽本となっていて、
今日の漫画の原型を感じ取ることできる。ふきだしのセリフもついていて、とても分かりやすく親しみやすい解説です。生徒でも楽しんで読めそうなおススメの一冊でした。
たいへん興味深かった。一般的に有名なものしか知らなかった北斎も、北斎漫画なるものがあったこと、あんなにもユニークに楽しく描かれたものがあったことを知らなかった、また知れたことが良い。知らないことを知る楽しみが増えた。
わたしたちのルーツを知るために何を知ればいいのでしょうね。
言葉に表された、歌や物語。音に残された心の調べ。体に刻んだ所作。
どれも美しい国、日本を語る素晴らしい財産です。古事記や日本書紀の神話、昔話、わらべうた、歌舞伎、相撲、浮世絵・・・
でも、この本の中に登場する絵! 度肝を抜かれる、あっけらかんとした個性、媚びへつらうことのない強烈な個性・・・これは、ちょっとした温故知新です。そう、わすれてません、この世界?
最近、忖度だ何だと、こじんまりしすぎたおとなしい日本人のイメージが吹っ飛んでしまいませんか?
もちろん、この愉快でぶん殴るような絵たち全てが、日本人の全てではないのでしょうけれど、かつて、こうした生々しい、個性、反発心、ふてぶてしさを、「お上」にはばかることなく表現した元気者たちがいたことは、紛れもない事実ですよね。う~ん、ちょっと、安心してしまいます。なんか、おとなしくて、世界の荒波におどおどするばかりの日本人ばかりじゃないんですね。そんな人が、今、ちょっとおとなしくしているだけ・・・だから、大丈夫なんじゃないかしらと。とっつきにくいのは時代性のある表現だけ、心はズシンとつたわります。だって、わたしたちの間違いのない一部分だから。「元気を取り戻せわたしたちの国!」そう、聞こえてくる本です。ありがとうございます。