ダーラナのひ
nakaban/作
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刊行日 2021/11/11 | 掲載終了日 2021/11/14
ハッシュタグ:#ダーラナのひ #NetGalleyJP
内容紹介
旅のとちゅうでふと出会う、魔法のような時間。おもわずじっとみつめてしまう、焚き火の絵本。
ダーラナは旅のとちゅう、浜辺にたどりつきました。
「ダーラナ ダーラナ わたしたちを あつめてごらん」
「たきびをして あたたまっていきなさい」
ささやき声にみちびかれ、ダーラナは枝をあつめて火をつけようとしますが、マッチがなかなか見つかりません。すると、夕日の最後のひとかけがはじけて、枝のこやまに飛び込みました。ちいさな火は、だんだんと大きくなって、ダーラナをあたためます。
やがて、夜も深くなってきました。火を見つめるダーラナがおもいだしたのは……。
火を焚くこと、火ををみつめることの豊かさを描いた、幻想的な絵本です。
出版社からの備考・コメント
【ご注意下さい】 ここに掲載している作品データは刊行前のものです。刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。
販促プラン
【著者紹介】
作 nakaban(なかばん)
1974年広島県生まれ。旅と記憶を主題とし、絵の中を旅するように風景を描く。絵画を中心に、絵本、アニメーションなどを制作。音楽家のトウヤマタケオと「ランテルナムジカ」を結成し、音楽と幻燈で全国を旅している。おもな作品に『よるのむこう』(白泉社)『みずいろのぞう』(ほるぷ出版)『ぞうのびっくりぱんやさん』(大日本図書)『ぼくとたいようのふね』(WAVE出版)『みなとまちから』『とおいまちのこと』(佼成出版社)など。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784033501703 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
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閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
nakabanさんの描く旅はどうしてこうも郷愁を呼び起こさせるのでしょうか。
ダーラナを導き、守り、安心させる火の力。胸の中に灯る喜びがダーラナの顔に映っています。
ダーラナが自然からの声を聞き、夕陽の最後のひとかけが弾けて枝の小山に飛び込む場面はまるで神話のようです。
焚き火の不思議な力は、人の胸の中にたくさんの感情を喚起させるもの。
田舎で育った子ども時代、時に焚き火の番をさせられたことを思い出します。生活の中にそういう火があったのです。
肌寒くなってきた季節にぴったりの世界を楽しみました。
海辺や焚き火は、何故か太古の記憶まで呼び起こしてしまうような不思議さがあり、寄せては返す波や、火がはぜたり、炎がゆらぐのを時間を忘れてじっと見つめてしまうものなのかもしれません。ダーラナが自然に見守られながら、暫しの休息をとり、夜明けに言った言葉は、この絵本を開いてダーラナとともに安らぎのひとときを過ごしたわたしの言葉にもなりました。
太陽のかけら・・・
いいなあこれ
イメージとしてすごく斬新なようででも結構身近に感じられる
これは恵だ。こう感じられることは恵だ。
みなさんはこの絵本を読んでどんなことを感じるのだろう。
多分、この、燃える光、てかなり非日常ではないだろうか。
火は人類にとって大きな進歩をもたらした恵みでもあり、使い方によってはとても危険で武器にもなる。
事故を防ぐための進化した道具として、電磁誘導を利用した調理器具が普及している。火が出ないので、安全。
暖房も都会の暖房は燃える火を見ないだろうと思う。
火は原始の力で、とても心に響く、特別な力を持ったものです。
冬には薪ストーブをたく暮らしをしている人たちは、それを毎日見ています。
マッチ一本で一冬、という人さえいます
火はとても強い力を、魔法のような力を持っています。大事すればとても優しい、我々の味方です。そんなことを思わせてくれる本でした。
この話は火のありがたさを示しているのでしょうか。主人公のダーラナは小さな女の子です。海を見ながら長い道を歩いています。なぜダーラナが長い道を歩いているのかは語られていません。でも夕日が休んで行けとささやきますし、流れ着いた木の枝たちは、自分たちを集めろと言います。木の枝で小山を作ったのはいいのですが、火をつけて暖をとろうにも、肝心のマッチが見当たりません。そのとき夕日の最後のひとかけらがはじけて、無事に火がつき、ダーラナは暖をとることが出来ました。
人は、火を手に入れることにより、生活がものすごく便利になりました。もし動物のように火が怖いままだったら今でも原始人のような暮らしをしていたでしょう。考えると、ぞっとしますね。
たきびの描写自体は、そのあたたかさと力強さ、神秘性が伝わってくるようで、とてもよかったのですが、個人的には(本に関わる者として)、本のページを燃やすことに抵抗と違和感を感じてしまいました。物語上の必然性があればもちろんかまわないのですが、あまりそれが感じられなかったので……。(枝とまつぼっくりがあれば物理的にはそれでよいでしょうし、大切なものを捧げるという象徴なのだろうとは思ったのですが、今度は逆にそこまでして火を起こさなければならないわけとは?という疑問が浮かんでしまいました。)
躍動感のある不思議な絵を、ずっと見ていたいと思いました。
哲学的なのか、ただ生きることに原初的な物語なのか、
ストーリーはシンプルだけれど、本当に絵が素晴らしかったです。
幼児には少し難しいかもしれませんが、小学校高学年になれば、じっくりと
その意味を考えることができるでしょうし、幼児はわからないながら、絵を見れば感性が養われると思いました。
誰とも一日話さないような、本当に独りで歩くような、そんな、旅をしたことがありますか?
深い山に単独でわけいったり、無人島についたり。言葉のわからない国をあるいたり。その上、道に迷ったまま、日が暮れたり。
そんなとき、ダーナラのように、人ならざるものの声に敏感になることがある。それは不安がセンサーを誤作動させるのじゃないかと、訝る人もあるかもしれないけれど、多分、むしろ、逆。通常仕様のセンサーが、別モードに切り替わり、より、高感度に世界をつかもうとする感じが近い気がする。見えないものを見、聞こえない音を聞く・・・
時空の網の交差する結び目は、ゆるゆると解け、今聞いている声が、「今」の声なのか「過去」の声なのか、あるいは「未来」からの声なのか?この場所は、ほんとに今まで歩いてきた場所の地続きにある場所なのか?どこか別の場所を見ているのか?普段考えもしないようなことが 、しっくりと腑に落ちていく時間がある。
特に、そんな時に焚く火はなんとも、不思議なおどり方で、何かを見せてくれ、何かを聞かせてくれる。
ダーナラは、自分の遠い記憶の中にある故郷を見せてもらったのかもしれない。彼女を包む世界が、めいめいに彼女を温めようとしている。彼女の旅の不安を取り除こうとしている。そっと未来のヒントを与えようとしている・・・「忘れてしまっていた大切なもの」に呼び止められるような、そんな旅でした。
ダーナラと同じ旅ができました。絵本の中だけど踊る火を見れました。ありがとうございました。
表紙の主人公ダーラナの射抜くような眼差しが印象的です。くらやみの中ダーラナは「火」を起こします。力強い筆遣いで、穏やか中昼の海と燃えるような夕焼け空の海。夜の暗さと火の明るさの対比を見事に表現していてます。
描かれている以上のものを想像させ、イメージがふくらんでいくのを助けるような絵だと思いました。
書かれていることそのままの話のようでもあり、寓話のようでもあり・・・
物語をとおして自分の中を覗き込む、幻想的な絵本です。
自分のペースでじっくりと読みたいですが、低学年は読み聞かせてもらったほうがいいかもしれません。
最初のページの色彩を見て、すごいの出た!! と感じました。
語りかけてくる自然
その声に耳を傾けるダーラナ
「火をおこす」こと…
りっぱなたき火に喜び、暖まり、火を見つめるひと時。
そして新しい日がはじまります。
力強い筆致の絵は美しく、
太古からの言葉を紡いだ物語のようなテキスト
読み終えてため息が出るような壮大な絵本でした。
どの世代にもお勧めしたい、自分自身も手元に置きたいと思う作品です。