ぼくんちのねこのはなし
いとうみく/作 祖敷大輔/絵
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刊行日 2021/11/18 | 掲載終了日 2021/11/15
ハッシュタグ:#ぼくんちのねこのはなし #NetGalleyJP
内容紹介
人気作家・いとうみくが、介護や治療といった動物と暮らす中で避けられないリアルを描く「猫との別れ」の物語
命の問題に、きっと正解も不正解もない
ぼくんちの猫・ことらは、16歳。ぼくが生まれる前からうちの家族だった。そんなことらは、最近様子がおかしいんだ。好物の焼きのりも、ドライフードも食べなくなって……。お母さんとことらを病院につれていったら、先生は「治らない病気です」って言うんだ。
ほんとうに、ことらはいつか死んじゃうのかな。そんな日、ずっと来なければいいのに。
出版社からの備考・コメント
(絵)祖敷大輔:広島県生まれ。イラストレーター。装画を手がけた作品に、2017年に本屋大賞 翻訳小説部門を受賞した『ハリネズミの願い』や『きげんのいいリス』(以上、新潮社)、『星空の谷川俊太郎質問箱』(ほぼ日)など。絵本作品に『あるくくま』(谷川俊太郎・作/クレヨンハウス)がある。
おすすめコメント
少年と猫の物語を通して、「命」と「家族」の問題を読者に問いかける児童文学
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内容のご感想をSNSでぜひつぶやいてください。ただ、表紙は編集段階のものなので、SNS等で表紙を掲載することはご遠慮ください。
少年と猫の物語を通して、「命」と「家族」の問題を読者に問いかける児童文学
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出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784774332871 |
本体価格 | ¥1,300 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
児童書。一真の猫「ことら」は16歳。最近調子が悪くなり腎不全の診断を受けた事から物語は始まる。少しずつ弱っていくことら。一真や両親の関りを通し、命について改めて考えさせられる。大切なもの、愛する者はいつまでも生きていて欲しい。でも命ある限り、いつかはその灯も失ってしまう。永遠に生きてほしいと願う一真と、ことらが楽になるようにと考える両親の、双方の気持ちが手に取るようにわかり、後半は涙がこぼれた。読みやすく命について学べる1冊。子供たちに是非読んでほしい。
愛猫との最期の日々、看取りと介護を通して、少4の一馬が直面する現実と疑問を濃やかに描く。
16歳のことらは、不治の病で体調を崩し、だんだん弱るばかり。一馬が生まれるより先に我が家にやって来たことらは猫でも家族。
命に限りがあることを頭ではわかっていても実感はできず、ことらの死なんか考えたくもない。死を前提に残りの時間を過ごすのもなんだか腑に落ちない。できることとできないことを選別して、どうするのがことらにとって一番いいのかを母と共に考え抜く一馬がいじらしい。
何をしたってペットの死の前にいくばくかの後悔は残る。けれども、ことらを大切に思う気持ちを、懸命な介護の中で自分への勇気としていくことで、一馬は強くなった。切ないお話ですが、命の尊厳を考えてみるいい契機になるでしょう。
生き物を飼うってことはきれいごとばかりではないですよね。主人公の母親の心情にとても共感できました。自分の未来を見ているようでした。こどもに読みやすい量だったので、小学中学年・高学年のどちらにも読んでほしいですね。
いとうみくさんの本はどれもそうですが、読み終わるたびに、さすがいとうさんと言ってしまいます。
今回はペットについての話ですが、ただ可愛いペットの話ではなく、現実的な社会問題にもわかりやすくふれられています。
命を預かる深さを感じられる一冊です。
長年親しんだ猫の闘病と家族との別れの時を描いた作品。
我が家にも15年になる老猫がいる。この物語に書かれていたように窓枠だってカーテンレールだって梁にだってすいすい登っていたのに今はぽしょぽ所と階段を上り下りする姿が哀しいくらい。でもこれからもっとできなくなることが増えるのかと思うとつらいなと、この物語を読み感じてしまった。猫はペットという言葉以上の大切な家族だ。この物語の中でもそれぞれの関わりがわかって「ぼくんち」の猫なんだね。
そして大きなテーマは生の反対にある死をどう考えていくべきなのか、看取りの在り方を猫を通して問いかけている。我が家の猫はどうすればいいのか、そして私自身は・・・。でも大きすぎる課題で、まだまだ頑張ってねと猫を撫でてごまかしている。
最期の在り方を考えさせられる作品でした。小さくて可愛い子ネコもいつかは年をとり、病気にもなる。そういったことをことらの最期の日々を通して気付かせられ、今一緒に暮らしているねことの日々をより幸せに暮らしたいと改めて感じました。
我が家のネコはまだ若いですが、いずれ訪れるであろうお別れを想像してしまいました。大切な家族であるネコと最後まで寄り添うことの重大さを感じました。限りある命について考える良いきっかけとなると思います。年齢問わず、是非家族で読んで話したいお話です。
可愛い動物との暮らしは、本当に楽しくて癒されて幸せで。けれど別れは必ず訪れる。16歳の老猫ことらとの、悲しいお別れに接しても悲壮感が無いのは、一真たち家族がことらを愛情持って飼い抜いたから。そしてこの物語で動物の医療費の高さに慄くお母さんはとても現実的です。それでも仕事を抱えながらことらを連れて何度も通院するお母さん。悲しい経験を何度かしている私は、ドキュメンタリーに近い感覚を覚えました。育てることと看取ることは動物を飼う人間に課された責任だと、この物語は子どもたちに教えてくれます。
親子で読んでほしいので、家読におすすめします。
いとうみくさんの作品はこんなに考えさせられる本が児童書で良いのかしらっていつも思う。
今回も号泣。
つい自分と重ねてしまった。
動物の医療費は自由診療なので高額になりがち。命を助けたいという思いはあるけれど、金額にも唸ってしまう。
うちは保険に入っていたけれど、幼い頃から病気がちだったし最期までかなりの金額がかかった。それでも大事にしたい、少しでも一緒にいたいという想いで過ごしてきた。
最期は苦しい思いをさせたくない、
この家にきて良かった。
って完全に自己満かもしれないけれど、
そう思って欲しかった。
命に正解はない。
でも後悔はしたくない。
子どもの教育に動物を飼うことは良い影響があるらしいとよく耳にする。
別れるときまで大事に過ごすのは当たり前。
苦しいけれど、命を迎える心構えを親としても伝えなければならない。
動物を飼うことは子どもだけでなく親をも成長させる。
素敵な作品に出会わせて下ってありがとうございます。
一真くんとことらの物語かと思いきや、お母さんからことらに対する思いがひしひしと伝わってきました。そんなお母さんからの熱い思いに自分の思いと重ね合わせて、命についてことらについて考える一真くんの心の成長……感動のおはなしでした。
ペットは可愛いけど、生きている。かわいくてちやほやして、癒やされて……でも、そんな現実ばかりではないんですよね。猫も生きてて歳をとる。命とは、そういうもの……そんな当たり前のことを今さら突きつけられた気がしました。
ことらの介護をきっかけに、一真たち家族が色々考えて成長していく姿が良かったです。
子どもたちにぜひ読んでほしい一冊です。
主人公と同じ年の時に、我が家に来て半年のわんこがひき逃げにあった。獣医さんからは安楽死を進められるほどの状態だったけれど手術をしてもらったが、半年くらいの入院生活を送ることになった。当時の我が家のきょうだいも助かるなら手術はして当然!と思っていたし、手術代やら何やらがすごく高かったという話を聞いても「ふーん」くらいにしか思わなかったけれど、大人になってみると経済面が気になってしまう母親の気持ちもわかる。
できることの中の最善を目指すとき、大人のほうが「何ができるのか」を現実的に見てしまう(からこそ、子どもからは冷たく見えたりもする)というのも年を重ねたことでわかったこと
いとうみくさんの作品では、子ども(主人公)の納得のいかなさだけでなく、大人がそのような行動に至る背景もくみ取れるように描かれているので、子どもなりの納得への手掛かりになると思う。
わたしが勤める小学校図書館のいとうさんのコーナーはいつでも空っぽ。意識して購入しているので冊数は決して少ないわけではありません。学年問わず常に誰かが借りているのです。その理由がこの作品で特に良くわかると思います。大人の世界でも正解が導き出せない問いに対し、「むずかしいよ」と正直に言わせる。10歳の「ぼく」の素直な言葉と優しさが多くのことを気づかせてくれる。大人の味付けで砂糖や塩をまぶさず、シンプルに、丁寧に事象を伝える文体から、子どもたちは無意識のうちに信頼できる作家だと感じ取っています。飾り立てない表現が読み手の心を揺さぶるのです。表紙もすてき。「ことら」はとても幸せな猫です。
「誰でもいつかは必ず死ぬ」
確かにそうだ。間違ってない。だけど、言葉通りに納得できない別れが死ぬということなのだろう。
命の尊厳は言葉の通じるはずの人間同士でも難しいのに、動物となると余計に難解だ。“家族”を失いたくないという気持ちと“苦しみ”を取り除いてあげたい気持ちは“愛情”からくるものなのに全く同じ方向を向いてるとは言い難い。
主人公は10歳という、決して幼くはないけど間違いなく大人ではない、多感な年齢で慈しんできたペットの最後を看とるという経験をする。
少年の母親もはじめは全額負担の医療費の高さにおののきながら、現実と大切な家族の一員への“愛”で揺れ動いていて、これはどの家庭にも訪れる可能性のある、決断とその後の優しくも希望のあふれた未来への予感が余すところなく描かれていた。
児童書だけど、是非とも親子で読んで欲しい作品です。
病気や医療費、保険もあるし同じ命なのに最初から最後まで人間社会で生きる愛玩動物には自分の意志が通じないんだって思い出が多い分グサグサと突き刺さってくる。こんな時にこそ君たちの声が解ればいいのにと思う。
この本がペットを飼うときの必読書の一冊になって一匹でも人間の勝手な都合で不幸せになるペットが減ることを祈るばかりです。
「ことら」は小4の一真より、前から、おとうさんとおかあさんと暮らしている。
そこにいて、あたりまえの存在。でも、16歳にもなる猫の「ことら」は、随分と高齢で、一真の目にも、最近の「ことら」の衰えがはっきりと分かってしまう。
いつかは、本当に知る時が来る。一真には、「ことら」がそれを教えることになる。”生まれたものは、必ず、死ぬ”ということを。小4の一真にすれば、できれば、死というものから、目をそらしたい。考えたくもない。「ことら」は病気なだけ。きっと治る。お金はかかっても、それできっと治る・・・
おかあさんは、一真の心を、もちろん、わかっている。でも、もう、気づいている。延命治療は最後の選択肢。そして、その先にあるのは死。延命治療にお金がかかることも、延命治療で患者が苦しむことも、自然に枯れるようにはゆけないことも・・・それは、人も、猫も変わらない。この世で出会った生命と、生命のお別れが、お互いの意思を、思いを通わせられるような、そんな、お別れであってほしい。愛したものとの最後の選択肢として。
一真は学ぶことができたでしょうか。出会い、ともに過ごせることの「あたりまえの幸せ」を。あたりまえはあたりまえじゃないことを。あたりまえには、心を込めた努力が大切で、決して、おろそかにしちゃいけないことを。
最後、おかあさんがまた猫を飼いたいって言うんじゃないか、そう思う一真は、ちゃんと分かったみたいですね。
胸に真っ直ぐに、せまる暖かなお話でした。ありがとうございました。
まだ、先のことと思ってた……。
私の家でも2匹猫を飼っています。
時々、調子が悪くなることもあるけれど、2匹ともとても元気です。
だからでしょうか、いつか来る別れについて考えたことがありませんでした。
もしもうちの猫が、『ぼくんちのねこのはなし』の猫、16歳のことらのように治らない病気に
なったら、私は、うちの家族は、どうするだろう?
そんなことを考えながら読みました。
お話はとてもリアルで、想像しやすいと感じました。
途中からちょっぴり涙が出てきました。
大人が考える命のことと、子どもが考える命のことは、きっと違うのだろうな。
自分は、大人の都合で物事を判断し決めていないだろうか?
と考えさせられました。
自分の子どもにも読んでほしい!
そして、一緒に考えたいです。
たくさんの子どもたちや大人にも読んでほしいですし、学校図書館にほしい1冊です。
自分自身がペットを飼っていることから興味を持ち、表紙の暖かい色の絵にも惹かれたため読んでみようと思いました。愛猫「ことら」が病気になり、だんだん弱っていく様子やその家族たちの感情はとても現実的で、自然と自分のことのように読みすすめることができました。まだ小学生である一真の、ことらを何としてでも助けてあげたいという気持ちと、お母さんのことらを大切に思いながらも医療費を気にする気持ちのどちらにも大変共感できます。生き物を飼うことには、楽しかったり可愛かったりする良い面だけでなく、日々の世話や医療費、別れの辛さなど大変に感じる面もあることがわかりやすく描かれていると感じました。また、愛猫を含めた家族の間にある愛情が深く感じられる作品であると思います。子どもたちや、現在ペットを飼っている方だけでなく、これからペットを飼ってみたいと考えている方に特におすすめの本です。
小学4年生の僕の家で飼っている、おじいちゃん猫のことらは具合が悪くごはんを食べなくなってしまう。お母さんは動物病院に連れて行くが、完治する病気ではなかった。保険が効かずに金額がかさむ医療費、自宅での点滴、可愛いだけでは終わらないペットの介護の現実を描く。
児童書にはあんまりないタイプの、ペットの死にまつわる話。
小学生男子の主人公目線で語られるお話しながら、彼の母親の行動の変化や、彼自身の変化が淡々と語られる展開は大変シリアスでした。途中で触れられる曽祖父の死のエピソードなども、ズバリと「生きること」の本質に迫るような内容だと感じます。それなのに、暗くなりすぎずにきちんと描き切られていて、児童文学者としてのいとうみくの力量に唸りました。
個人的には、年代も近いお母さんにどっぷり移入してしまって、泣けて困りました。可愛らしい表紙ですが、あまり小さい人には勧めません。少なくとも10歳を超えてから、ぜひ読んで欲しいと思います。
小4とまだ短い人生で初めて直面した愛猫の命の問題。わかる様でわからない…受け入れられない現実と真摯に向き合い、少しずつ理解していく少年の心の葛藤と成長が繊細に描かれた児童書。治らない病に費やせる医療費の限界、言葉通じぬ猫の望みを億りどこまで寄り添えるか、綺麗事で飾らない等身大の家族の愛に溢れた感動作。
最初の段階で、これは覚悟して読まないとならないだろうと思って読み始めましたが、やはり泣きます。ペットを飼ったことがある人なら、かならず共感する恐怖と悲しみです。つらい。
悲しむのを知っていても、生を抱きしめたいと思うのは、自分もいつか死ぬからかもしれません。
「生ある者は必ず死あり」の格言のように、いずれ訪れる、別れ
長年、家族同様に生活した猫の病気との闘い、そして死、家族愛あふれた物語です
私ども夫婦も長年、猫とかかわりを持ってきました。「がんばったね、えらかったね、ありがとう」の言葉を
何回、言ったことでしょう。妻は「もう動物は飼わない」と言って、月日がたつと又家族がふえます。
ねこの病気では、本書と同様に病院に通いました。「治療費高いよね」は誰しもが思いますが、猫も家族
長生きさせたいとの気持ちが優先します。猫の片足を切断したこともあります。
今も、高齢の猫と生活しています。わがままですが楽しいです、癒されます。ずっとこのままでありたい
気持ちでいっぱいです。動物愛いっぱいの作品、多くの子どもたち又ペットとかかわりを持つ人に
おすすめの作品です