シミちゃん
吉野万理子/作 北澤平祐/画
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刊行日 2021/06/26 | 掲載終了日 2021/06/23
ハッシュタグ:#シミちゃん #NetGalleyJP
内容紹介
お母さんの顔からシミが逃げ出しちゃった!?
小学校1年生のマーくんが暮らす町では、最近病気が流行っています。実はマーくんの町だけでなく、国中、世界中で同じ病気が流行っていて、出かけるときは、いつもマスクをつけなくてはなりません。
そんなある日、マーくんのお母さんがマスクをつけようとすると、右のほっぺたについているシミが、つるんとすべりおちました。そして、シミから手と足がにょきっとはえて、目と口が浮かび上がり……シミちゃんとなったシミは、「マスクをしちゃうと、外が見えなくてつまんない」と言って、逃げ出してしまいます。
お母さんのほっぺたにある雨粒みたいなシミが大好きだったマーくんは、必死にシミちゃんを追いかけますが……
出版社からの備考・コメント
吉野万理子(よしの・まりこ)神奈川県生まれ。作家、脚本家。2005年『秋の大三角』(新潮社)で第1回新潮エンターテインメント新人賞、『劇団6年2組』(学研プラス)で第29回、『ひみつの校庭』(学研プラス)で第32回うつのみやこども賞、脚本ではラジオドラマ『73年前の紙風船』で第73回文化庁芸術祭優秀賞を受賞。その他の作品に、「チーム」シリーズ(学研プラス)、『いい人ランキング』『南西の風やや強く』(以上、あすなろ書房)、『部長会議はじまります』(朝日学生新聞社)、『雨女とホームラン』(静山社)など多数。
北澤平祐(きたざわ・へいすけ)神奈川県生まれ。イラストレーター。アメリカに16年間在住後、帰国、イラストレーターとしての活動を開始。書籍装画や広告をはじめ、商品パッケージまで幅広い分野でイラストを提供している。絵本に『こはるとちはる』(白石一文・作)、『キャラメルゴーストハウス』(河西達也・作、以上岩崎書店)がある。『どんどん どんどん まいご』(相良敦子・文 ブロンズ新社)
おすすめコメント
ひとり読みに慣れ、読書力がついてきた小学低学年向け
「日常的にマスクをつけなければならない」不安と不自由な思いの中、ガマンを強いられている子どもたちに、ユーモアの力でほっと気持ちをゆるめたり、家族が大好きな気持ちにあたたかさを感じたりできる、幼年文学です。
「子どもが親を想う素直な気持ち」や「親が欠点だと思っているところが、実は子どもが好きなところなんだな」などといった、子どもだけではなく大人にも共感していただけるお話です。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784774332253 |
本体価格 | ¥1,300 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
コロナ禍の今を思わせるお話です。
お母さんの右のほっぺたから逃げ出したシミちゃん。どうやらマスクに隠されるのが嫌らしい。
逃げ出して、駄々こねて、マーくんに心配させて、ドタバタの騒動がリズミカル。
ぼくはぼくで、お母さんのほっぺたのシミちゃんが、マークみたいで気に入っているから気が気じゃない。
シミちゃんの主張、マーくんの気持ち、お母さんの思い、三者の交錯が温かなものを連れてきます。
ことばにしなければわからないことってあるのですね。
コロナ禍の今を重ねられるお話です。
親が、まるごと我が子を愛するように、子どもも親をまるごと受け入れて大好きでいてくれる。
子どもにも自分にも、足りないところを見て変えようとしないで、今のままでいいんだ、今のままがいいんだと教えてくれる本。
シミちゃん、シワちゃん、ホクロちゃん...と、親子の会話が広がりそう。
マスクに隠れていたしみちゃんが、僕を隠さないでとお母さんの顔から飛び出した。
そんなしみちゃんを捕まえてまたお母さんの顔に戻すために、ハチと戦ったり雲と戦ったりする話。
ねえ、ママに聞いてみて?
絶対しみなんて帰ってきてほしくないっていうよ?
ハチの巣つっついたり子供が危ないことしてわざわざ消えてくれたしみを捕まえてくるなんてなんのイヤガラセ(笑)
昨年から、まさに、日常の一部になったマスクにまつわるお話。
自分で読め、色々考えるようになってきたこどもが対象になっているんだろうと思う。
いままでの生活にはなかったマスク。
つけなければならない、となると、小さい子には意味がよくわからなくてつらいことも多いだろう。
夏には暑いだろうし、慣れぬと息苦しいだろう。
しなければならない、ということになると、人はなんだか押し付けられているようで嫌な気持ちにもなるものだ。
本書は、かなり面白い視点で、ファンタジー要素をまじえて、マスクとの付き合い方、を子供とおとなと、みんなにやさしくよりそう工夫がなされているようにおもう。
なぜ、しみちゃん、なのか読んでいてわかるのだが、この着想はなかなか独自性があると思った。
おかあさんになって年をとってきた私にもクスっとわらいをくれた。