ここではない、どこか遠くへ
本田有明/作 みなはむ/絵
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刊行日 2021/07/18 | 掲載終了日 2021/07/17
ハッシュタグ:#ここではないどこか遠くへ #NetGalleyJP
内容紹介
家庭環境に恵まれず、学校でも疎外感を感じている4人の小学6年生。苗字に動物の名が入っている彼ら4人が、自虐的につけたグループ名は「アニマルズ」。アニマルズの4人が「ここではない、どこか遠くへ」行きたい思いをつのらせ、旅に出た小学校最後の夏休み。電車を乗り継ぎ、各自が思い描く「夢の地」をめぐるなかで、気づいたことは…………? 4人の小学生が、夏休みに繰り広げる青春のロードムービー。
出版社からの備考・コメント
※こちらの原稿は、制作途中のものです。内容を変更する場合がございますが、ご了承ください。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784338308069 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
誰もが一度は思う言葉「ここではない、どこか遠くへ」。なのに表紙の絵が妙に爽やかでタイトルとのギャップを感じました。不思議な期待と予感をもって、読み始めました。
みなはむさんの可愛い絵にささえられて、わたしもアニマルズの旅に同行させてもらった気分です。
それぞれに別の悩みを抱えながらも、他のメンバーを大切に思いやる四人がいとしくてたまりません。
読み終わってしばらく軽い旅疲れと興奮に見舞われました。中身のぎゅうぎゅうに詰まった旅で、まだ、言葉にはならない思い出の塊が胸に宿っています。ピーマン、グッチ、プー、ワンコ、なんか、ありがとね・・・
わたしも「ここではない、どこか遠くへ」旅立ったことがあります。半年ほどのインドをメインにしたアジア一人旅でした。自分の今いる環境、自分のこれまでの選択、何もかもが苦しくなって、日本を逃げ出したのです。
旅の初めはカルチャーショックの嵐の中、しばらくは悩みなど忘れてしまったかに思えたのですが、それにも慣れれば、結局悩みを解決するのは、逃げ出してきた「元の場所」でしかないと気づきました。そのための旅でした。
日本に降り立った時、空港で見たテレビが旅立ったころと本当に同じようなことを流しているのに驚いたことを覚えています。自分の中の時間はこんなにも進んだのに。
アニマルズの四人とヘレンさん。ほんの数日だったけど、大事な気付きを得た旅。それぞれに、新しい心で、元の場所に戻って再スタート。これからですね。でも、大丈夫!きっと、大丈夫!心から応援しています。
居心地の悪い環境で寄り集まった4人の小6男女が、夏休みにこっそり憧れの地を巡る青春冒険旅行。外側から見たキラキラと実際に触れて初めて見える内側の違いを、美しい日本の情景と多感な子供心と重ねて繊細に描写していたのが印象的だった。運と人に恵まれた旅だったが、運も人も、弱さを知ってる彼らの優しさが引き寄せたのかもしれない。失ったものに必死に縋るより、今ある大切なものに目を向けようと沁み沁み思えた温かい作品。
それぞれに問題を抱える小学6年生の4人組、アニマルズ。親にはキャンプと偽ってそれぞれの行きたかった場所を旅する。千葉、松島、富士山、ナゴヤ。2泊3日で⁉︎
ステキな人とも出会って、最後はそれぞれが逞しくなったように思え夏の物語です。
6年生四人組が、親にちょっとだけウソをついて小旅行。行き先はそれぞれが行きたいと思っていた場所。
各自が自分の問題を抱えながらも、お互いを思いやる言動に心が温かくなります。
旅行計画と電車の乗り継ぎの様子は、電車好きはもちろん、その路線や駅を知っているひとも楽しめそう。
旅を通して変わった彼らを安心して見送れる、さわやかな読後感が青空を背景にした表紙とよく合っていると思いました。
六年生のデコボコの少年たち、アニマルズの4人組、
各自が小さな問題や不安や違和感を抱えながらね、それぞれの居場所を求めてもがく様子、
冒険を始めることで改めて見方や立場の違いから、少しずつ成長していくお話。
4人で遠くに出かける……『スタンド・バイ・ミー』みたいな感じ?と思い、読んでみました。
子どもたちにだって色んな悩みや思いがあり、旅によって何かを感じて少年から成長していく姿にノスタルジーを感じました。
ヘレンさんとの出会いは、ワンコに影響を与えたり、富士山の別の一面を教えるという重要な役割を果たします。でも、それだけでなく、ヘレンさんとの出会いは、アニマルズが旅によってにであう障害を少しでもなくし、彼らの成長のため、心に余裕をもたせたという意味もあったのかな。
旅は道連れ世は情け……しみじみと感じました。
名前の中に動物を表す漢字がはいっているから“アニマルズ”。
家庭環境が周りとは違い、生きにくさを少し抱えながらも、お互いを尊重し、思いやる“アニマルズ”。
夏休みを利用して4人は親に秘密で旅にでる。各々訪れたい場所があり、並々ならぬ想いが溢れている。
ヘレンさんとの奇跡のような出会い、夢枕に立つ以前一緒に過ごした飼い犬、富士登山、そしてアイデンティティを確認。
いくら大切な友達であったとしても他人の事情を完全に把握することは出来ない。
けれど、相手の柔らかい部分を傷つけないように想像して接することは出来る。
4人は小学生だけど、ちゃんとしていて、この子達の未来が明るくあればいいな、と思わずにはいられない。