バトン
中川なをみ/著 大野八生/画
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刊行日 2021/05/21 | 掲載終了日 2021/05/10
ハッシュタグ:#バトン #NetGalleyJP
内容紹介
生きること。それはエンドレスのリレーなのかもしれない
植物が好きな圭、イラン人のハッサン、兄とふたり暮らしの朝子。小学5年生の3人に手渡された、おばあちゃんの古いひな人形。そこに込められた思いとは? 人、もの、自然とのつながりを考える多様性にあふれた物語。(読者対象:小学校中学年以上)
生きること。それはエンドレスのリレーなのかもしれない
植物が好きな圭、イラン人のハッサン、兄とふたり暮らしの朝子。小学5年生の3人に手渡された、おばあちゃんの古いひな人形。そこに込められた思いとは? 人、もの、自然とのつながりを考える多様性にあふれた物語。(読者対象:小学校中学年以上)
おすすめコメント
「今」は単独で存在している訳ではありません。過去から未来へのつながりのなかで存在しています。お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、ひいおばあちゃん、ひいおじいちゃん……いわば命のバトンをつないできたからこそ、子どもたちの「今」があります。そして、世界は人種も性別もこえて多様なものでつながっています。
人種や考え方、育った環境が違ったとしても、人はさまざまなものを、まるでリレーのバトンのように受け継ぎながら生きていることが感じられる一冊です。
著者は、青少年読書感想文全国コンクールの課題図書にたびたび選定され、『水底の棺』(くもん出版)で日本児童文学者協会賞を受賞した中川なをみさんです。『天游』『龍の腹』(くもん出版)。『有松の庄九郎』(新日本出版社)、『茶畑のジャヤ』(鈴木出版)、『よみがえった奇跡の紅型』(あすなろ出版)など、著書多数。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784774330907 |
本体価格 | ¥1,300 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
圭は植物の絵を描くのが好きな男の子。イラン人のハッサン、兄と2人暮らしの朝子を招いておばあちゃんとひなまつりをした日、おばあちゃんがひな人形を3人に譲りたいと言い出します。ひな人形をそれぞれもらって帰った3人は、家族の意外な反応にあったり、更にひな人形の由来を聞いたりします。子どもたちにとっては、何かを受け継ぐ大切な経験ですが、おばあちゃんにとってはとても大切な物で、果たして自分は歳を取った時、このおばあちゃんのように物を手放すことが出来るだろうか、と考えずにいられませんでした。
木が背負った物語を、圭もハッサンも朝子も、それぞれが自分の解釈で受け取る。
おばあちゃんが木目込み人形の雛に託した思い。柳さんのマグノリアを植える密かな努力。
立場も違うし、感じ方も違っていても、確かに繋がり、受け取ったものをみんなだいじに自分のやり方で咀嚼する。
生きていること、生きていくことの不思議を思わずにはいられません。
そして、マグノリアほど物語の似合う木はないなぁと感じ入りました。
もの静かで絵を描くことが好きな圭、
人懐っこくて明るいイラン人のハッサン、
学校ではほとんど誰ともしゃべらない朝子。
それぞれの家庭環境や日常が丁寧に描かれ、
すっと物語の世界に入っていけました。
ちょうど小学校4~5年生って、思春期に入るお年頃。
淡い恋心を思わせる、さりげない描写や、
“死”に関わるくだりが出てくるシーンもあり、
中学年~高学年の子どもたちに、
ぜひじっくり味わって読んでもらいたいです。
また、お話の中には、タイサンボク、イヌタデ、カトレアなど
たくさんの植物が登場します。
「どんな植物?」と調べながら読み進めるのも楽しみの一つ!
読後は、木や雑草を観に公園へ行きたくなります。
どことなく懐かしみあり、温かい挿絵は、大野八生さん。
イラストレーター兼造園家の方だと知り、
ますますこの物語にピッタリだと感じました。
UPされている原稿が校了前で、編集ご担当者さんの朱入れ
<トルツメ>などがそのまま入っているところも、
NetGalleyならではの醍醐味ですね♪