ラスト・フレンズ
わたしたちの最後の13日間
ヤスミン・ラーマン
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刊行日 2021/06/09 | 掲載終了日 2021/06/30
ハッシュタグ:#ラストフレンズ #NetGalleyJP
内容紹介
16歳の3人の少女たちは、あるマッチング・サイトで出会った。彼女たちの目的は……。衝撃の展開に、ラストまで目が離せない感動作!
◯著者紹介
ヤスミン・ラーマン/作家。ブリティッシュ・ムスリムで、ハートフォードシャーに生まれ育つ。ハートフォードシャー大学でクリエイティブ・ライティングの修士号を、バース・スパ大学でYA向けライティングの修士号を取得している。本書がデビュー作となる。10代の頃、精神疾患に悩んだ自身の体験から、当時の自分と同じ思いを抱えている人たちに、またティーンエイジャーだったころの自分のために、本書を執筆した。
代田亜香子/翻訳家。翻訳家。立教大学英米文学科卒業。訳書に『アナと雪の女王』(デイヴィッド・ブレイズ著)、『屋根にのぼって』(オードリー・コルン著)、『スクランブル・マインド』(キャロル・マタス著、金原瑞人共訳)、『プリンセス・ダイアリー』(メグ・キャボット著)など多数。児童書から中高生向け(YA)、文芸書の翻訳まで幅広く活躍中。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784863896178 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
自殺志願者マッチングサイトで知り合った3人の少女。サイトが送ってくる指示に従って集まり、遺書を書いたり、葬儀プランを立てたりする。そのために1人で行動したり、仲間を家に呼んだりしているうちに家族との関係が好転し、自殺するのをやめる決断をする。しかしこの時点で物語は残り半分。連絡を絶ったはずのサイトから、再び指示が送られて来る。既に現実に起きている自殺サイトが絡んだ事件、日本以外の国でもあるんだなと思いました。3人の少女のキャラクターがしっかり作られていて、それぞれの気持ちに寄り添いながら重いテーマに挑んだ作品です。
とてもいいお話でした!
衝撃的で、心温まり、そして希望の持てる作品です。
この作品の主人公である3人の少女たちは、ある特殊なサイトを通して出会います。
インターネットを介して出会った友だち。それは、自分の本来の生活だけを繰り返していれば絶対に知り合うことのなかった「自分の世界の外にいる人」です。
この作品はヤングアダルト向けとのことですが、十代の頃や学校に通っているうちは家と学校以外で居場所を見つけることが難しい場合も多いと思います。
そんな時期に、自分の狭い世界の外側にいる人とインターネットを通して触れ合う。それはインターネットやSNSが普及し、自分の生活圏内よりも少し広い世界を見ることができるようになった現代で誰もが手を伸ばせるたしかな希望であるように感じました。
(作中ではあまり明るい描かれ方はしていませんが、読み終わったあとに振り返ってみると)
新しい世界、外の広い世界に気軽にアクセスできるということは、自分の生きやすい世界を見つける可能性を手にするということです。
もちろんインターネットには危険な側面もありますが、本作を読めばそのリスクもしっかりと理解することができるでしょう。
その点で、この作品はおもしろいエンタメ小説でありながら実用的な物語であるとも感じました。
徐々に3人が友だちになっていく前半部分はもちろんのこと、ある事件が起こり、急速に不穏な展開になっていく後半もエンターテインメントとしておもしろかったです。
この物語の主人公の3人の少女たちは、車椅子の少女、精神疾患を抱えたムスリムの少女、家庭内でのとある関係に悩む少女と、必ずしも多くの人が共感できる境遇というわけではありません。
このレビューを書いている私自身、自分と彼女たちが境遇として重なる部分はありませんでした。
しかし、彼女たちの抱える息苦しさは誰でも一つくらい身に覚えがあると思います。
どうしようもない閉塞感を抱えている人にはもちろん、そうでない人にも届いてほしい。そしてこの小説から想像力を広げ、自分とは違う立場の人のことも考えられるようになってほしい。
そう感じる物語でした。
インターネット、SNS
昔では考えられない世界が拡がっている。
その出会いのお陰で救われる者もいれば、蝕まれる者もある。
心が不安定な危ういティーンエイジャー。
私の人生を振り替えってみても、
一番孤独だったのも確かにその頃だし
もし、当時の友だちに私が抱えていた問題や悩みを今打ち明けたら
「そんな風にはとても見えなかった。」
そう言われる自信があるかもしれない。
三人それぞれの境遇、宗教に
共感するものは全くないけれど
悲観的な考えや、女子の友人関係にある日和見主義
頭から離れないカオス
その形は違えども、自分を苦しめていたものに覚えはある。
笑っているのに、すぐに泣いたり
昨日は絶望したのに、今日はなんとかやりすごせたり。
重たいテーマだけど
読んで救われたり、もしかしたら
隣で笑う友人も
同じように悩みを抱えているのでは、と視野を広く持てるきっかけになる本だと思う。
カーラ、ミーリーン、オリヴィアの16才の少女たちは、それぞれの悩み(闇・病み)を持っていた。そんなある日、マッチングサイトで出会う。そのサイトはまさかの!!! 読んでいくうちに時々怖くなりつつ、それぞれが良い仲間だと思っていたのが…もう、絶体絶命だと思った。彼女たちの闇は、初めて会ったあの場所で光をあびる。YAなんだろうけれど、「自殺」「後遺症」「性的虐待」が沢山出てくる。学校に入れるかどうか悩ましい。
意図せぬ形で互いが互いのピアサポーターになった少女たちの物語。
マッチングという意味ではベストマッチだったかもしれない。
そう、ラスト・フレンズといえるくらい。
インターネットが身近だからこそ奇跡的に繋がることもできるけれど、
パソコンやスマホで何でもできてしまうからこその脅威もある。
その危ういバランスがこの年頃の危うさとあいまって緊張感が漂う。
抱える痛みの内容からも『17歳のカルテ』のヒリヒリ感を思い出しました。
フラワーデモなどの語りを聞くと遠いことともいえない題材を扱っているので、
どう伝わるか不安な部分もありますが同じ痛みを持つ子の救いや、
実は隣にそんな子がいるという子の気付きのきっかけになるのではと思います。
とてもセンシティブなテーマ。16歳の3人の少女が抱える闇や、不安、悲しみ、自己否定などから自殺のパートナーを探すマッチングアプリに行き着く。自ら死を選ぶ程の3人の苦しい状況や気持ちは読んでいて胸が痛い。3人の親に話せない、でも気付いて欲しいという気持ちが切実で泣けてくる。かなり重いテーマを扱っている作品だが、多くの十代に読んで欲しい。同じ様な問題を抱えている人の大きな希望や、勇気を持つきっかけになるのではないか。そして、親である人達も読むべき、知るべき作品だと思う。
怪しげな自殺志願者サイトを通して出会った女子3人の友情物語&サスペンス。友情、サスペンス、重いテーマの3つが描きすぎず軽くなりすぎずなバランスできっちりまとめてある。3人のうち一番描けてるのはムスリムのミ―リーン。「白人が発見した意外と人間らしいムスリム」じゃなく「単なる主人公の女の子」で、彼女のハッキリ言語化できない生きづらさもうまく描写されてて引き込まれる。