キャンドル
村上雅郁
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刊行日 2020/12/11 | 掲載終了日 2021/01/14
ハッシュタグ:#キャンドル #NetGalleyJP
内容紹介
第49回児童文芸新人賞受賞後第1作
冷たく凪いでいたぼくの心にゆれる小さくてもたしかな炎
小1のとき、母を亡くして以来、この世にはどうしようもないことがある、と理解してしまった螢一。小6の2学期も終わるころ、螢一を突然おそったある子の記憶。しだいに明らかになる記憶の主、花が瑛を傷つけた出来事。親友の翔真と現実の花をさがすうちに、螢一は翔真を傷つけてきたことに気づく。冷たく凪いでいた螢一の心に小さくてもたしかな火がともり……。
螢一と翔真、花と瑛が織りなす、熱く切ない絆の物語。
出版社からの備考・コメント
*校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
おすすめコメント
担当編集、今年の勝負作!です。
多くの好レビューを獲得したデビュー作『あの子の秘密』より、1年......待望の新作がついに12月に刊行!
先読みいただいた全国各地の書店・児童書担当の方々から「感動」「号泣」「一気読み」「予想以上のラスト!」「ものすごい熱量」「いきなり降参!」などなど絶賛の嵐。
装画は、人気イラストレーターの遠田志帆さん!
村上雅郁 むらかみまさふみ
1991年生まれ。鎌倉市に育つ。第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞受賞作『あの子の秘密』 (「ハロー・マイ・フレンド」改題)にてデビュー。2020年、同作で第49回児童文芸新人賞を受賞。
販促プラン
★発売直前スペシャル★
無事に校了を終え、発売を待つばかりとなりました。12/1より本文のみ校了データを掲載します。扉絵、目次などイラスト掲載ページ、巻末の付録ページは出来上がった本をごらんください。
まだ、お読みになられていない会員の皆様、リクエストをお待ちしております!
レビューもまだまだ受付中! よろしくお願いいたします。
↓たくさんのレビューありがとうございました。このキャンペーンは終了いたしました(2020/11/16)
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当選者には11月18日頃、メールにてご連絡いたします。
・本書をどんな方にオススメしたいですか?
・本書のお気に入りのシーンはどこですか?
・心に残ったセリフはありますか?
・いちばん好きなキャラクターは?
たくさんの方からのレビューをお待ちしております。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784577049211 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
これはすごい!
キャラクター設定、ストーリー展開、伏線、作品にこめられたメッセージ、すべてに驚かされ、心を動かされます。
螢一と翔真、花と瑛。
この二組のストーリーが、想像もできないような絡まりかたをしています。
「あの子の秘密」も読ませていただきましたが、文に更なる磨きがかかった印象です。息をのむほど感銘を受ける場面がいくつもありました。
ストーリー展開も、とても巧みでした。
児童書でありながら、恋愛小説でもあり、ミステリーでもあり、哲学書や、はたまた高度なお笑いの指南書でもあるような。。。
特に感動したのは、そろそろエンディングを迎えるのかと思いきや、そこから更にもうひとつの展開が用意されているところです。
予想の先の先を軽々とこえてエンディングを迎えるところに、村上さんの力やセンスを垣間見たように思います。
キャラクターも、本当によかったです。
螢一と翔真のテンポのよい会話。
かなりテンネン?な螢一の勘違いシリーズ。
翔真の高度な突っ込みセンス。
このふたりの会話と、螢一の個性あふれる言葉のおかげで、重たすぎず、でも惹き付けられてやまない魅力が出来上がっていたと思います。
この物語は、子どもはもちろん、大人にも刺さると思います。本屋大賞にノミネートされるなどして、多くの人に届いて欲しい一冊です。
「キャンドル」を世に生み出してくださった村上雅郁さんと、携わられた皆さまに、心から感謝したいです。
心の感受性を低くすることで痛みから身を守るというのは方策の1つだけれど、
それで大切な人の痛みに気付けなくなってしまうようではけっきょく自分も苦しい。
自分が傷つくのは嫌だから何とか自分を守ろうと行動することは人間誰しもあろうけれど、
自分だけを守ったところで、自分一人だけでは自分の価値など見いだせやしない。
誰かを、誰かとの関係を、誰かと一緒にいる自分を大事にすることで、
初めて本当に自分を大切にできるのではないか、と考えさせてくれる本だと思います。
300ページ余りを一息に読んでしまった。
読んでいる間、苦しかった。しんどかった。でも、途中で止まれなかった。
だって、螢一も、翔真も、花も、瑛も、瑠璃も、扇も、父さんも、みんな、しんどい思いを抱えていたから。心の中に暗闇を抱えていたから。
そして、最後は、みんなが動き始めたから、止まれなかった。だって、彼らがどうするのか、どうなるのかを見届けたかったから。
抱えていた暗い闇。でも、真っ暗ではなかった。どんなに小さくても、キャンドルの灯は消えていなかった。だから、彼らは大丈夫だった。
主人公と同年代の小中学生は勿論だが、大人にもきっと刺さる作品。
順番が前後してしまったが、早速、デビュー作『あの子の秘密』を読もうと思う。
#キャンドル #NetGalleyJP
後半の怒涛の展開に涙を堪えることが出来なかった…。今後の二人に何が待ち受けているのか。きっと、平坦な道ではないし、その選択をしたことを後悔する瞬間もあるかもしれないけど、二人なら大丈夫と思える、この気持ちを心に灯し続けて乗り越えていって欲しい、と願わずにはいられない。
村上雅郁さんの前作「あの子の秘密」がとても心に響く作品だったので、ゆっくり時間が取れる時に落ち着いて読みたいと思っていました。
でも少しだけ…と読み始めたら、もう止めることができませんでした。
主人公螢一は1年生で母と死別したことから、世の中にはどうにもならないことがあると諦めてしまっている部分があり、親友の翔真の心からのSOSにも本気で応えることができず…
そんな毎日の中、螢一は知らない女の子の記憶とシンクロしてしまうという不思議な経験をするようになります。
物語は、螢一と翔真、そして時折螢一の中に出てくる花と瑛という2組の関係を通して進んでいきます。
友情物語のようであり、少年の成長物語でもあり、ファンタジー要素も含み、またミステリーでもあり、
児童書と一言で語ってしまうのはもったいないジャンルフリーの作品だと思います。
前作もそうでしたが、登場人物一人ひとりの心を柔らかく包み込むように表現していて、それぞれの痛みがどうしても伝わってきてしまうので何度か涙ぐみながら読み進めました。
最後は胸いっぱいのため息で終えました。
キャンドルというタイトルも良いです!
公開されたカバーイラストには正直驚きました。
遠田志帆さんなのですね!
攻めてるな、という感じでしょうか。
そして、見るほどに疑問も湧いてくるのですが、色々含めて注目されそうで良いのではないでしょうか。
多くの人に読んでもらいたいと思うお勧めの1冊と出逢えました。
翔真がカッコイイですね。登場シーンから驚きましたが、「悩殺するぞ」は傑作だと思います。全体的に不思議な作品、という印象を持ちました。児童書で、ジェンダーを扱いつつも、魅力的なキャラクターたちとオカルトちっくなストーリー展開で読みやすいですね。螢一の成長も良かったです。
途中から号泣で心が揺さぶらされたまま読了。
誰かに伝えたいけれども言葉が見つからず、もどかしい。
とにかく、「読んで!そして感じて!」
「大人になるってあきらめることなのか?」
「世の中にはどうにもならないことがある。」
ぶつかり合う気持ちにやるせなくなる。
端から見たらちょっと変わった2組の友情と
妻と母を失った親子の愛情がなんとも言えず、暖かい気持ちになる。
伝えるって難しいけれども、言葉にしないと伝わらない。
児童文学の枠に閉じ込めるにはもったいない、大人にも響く1冊だった。
個性を尊重するといいつつ、本来尊重されるべきものは抑圧されがちな社会。規則は大切だけど、柔軟であっていい。違いを認めること、それを受け入れられる輪を作ること。生きづらさを感じさせないために、変化は必要だ。
自分の気持ちを尊重して生きるのか?周りに合わせて流されて生きるのか?児童書なのに奥が深い。保身のために嘘をついたり何かを諦めたりして生きていく人が多いと思うけれど、それで本当にいいのか?個性とは?人と違う事はいけない事なのか?色々と考えさせられる。これから大人になる子供たちに読んで欲しい本でした。
まず、主人公である小6の螢一の親友・翔真の、自分のアイデンティティを貫き周りの反応をかわす姿勢に輝きを見た。けれど明るく振る舞っても、拭えない心の奥底の孤独感や、この先どう生きていくかという不安や・葛藤に、現実がのしかかり胸が痛む。
また螢一が体験する、知らない女の子の感情が自分のことのように降りてくる設定を通して、螢一と翔真、花と瑛、両方に再び希望の光が差す展開は斬新で秀逸。ミステリーを解明していくような要素もあり、繊細かつ瑞々しい筆致で一気に読ませる。
内容上、主人公たちは小6の設定だが、彼らの考えや会話はかなり大人っぽい。YA世代にもきっと等身大で読める、勇気と希望の物語だ。
12月11日発売予定 フレーベル館
村上雅郁著『キャンドル』読み終わりましたので感想をお伝えします。
一言で感想を伝えると「忘れていた青春時代を思い出した作品」です。
主人公と友人の関係が自分の子ども時代を思い出させてくれました。男の友情、女の友情それぞれ関わり方は違うと思いますが、私は主人公達の友情に憧れました。
友人の事を気づかずに傷つけていたことや友人の想いなど読んでいて感動する場面も多い作品でした。
友人との関わりが書かれているだけではなく、主人公はあるびっくりな出来事が起こります。ある出来事とはどんな事か是非作品読んで見てください。
大人になるってどういう事か、実は大人もよくわかってない。だから、「もう大人だから」って何かを諦めようとしてる人には、この本を差し出したい。
理不尽に直面する多くの子ども達と大人達が、自分の大切なものをきちんと守れるように。大人になるのも悪くないと思えるように。多くの人の心に『キャンドル』が、火を灯してくれたらいいなと思います。
「かなしみ」が残された者への最後のプレゼントになる。
正直に言えば、そんなふうに考えたことは今までなかった。
物語を読み進めていく中で、新鮮な気持ちも味わいながら、胸の奥の何かがチリチリとざわついた。
おそらく僕にも螢一のように仕舞い込んだ過去があるからだ。
螢一がなくしたのは色の世界。
灯されたキャンドルの炎を消すように、無条件に包まれる色を押し殺した。
後を追うように、こっちを覗く化け物がいる。
化け物の正体は不明。
そんな螢一の隣には親友がいる。
日々の生活の中で、「うまくいかない」、「理解されない」そんな葛藤が2人の人物を通してストレートに伝わってくる。
決して順風満帆ではない2人だか、ひょんなことから不思議な体験をする。
果たしてこの体験が問うことは?
それを機に、2人の関係性に大きな変化が訪れるわけだが…。
読み終えたあと、大きな困難が立ちはだかるであろう、これから訪れる2人の未来を想像した。
決して楽な壁ではないはずだ。
しかし、2人なら必ず届け会うことができるだろう。
そんな気持ちで本を閉じた。
何気ない当たり前の環境や人間関係など、もろもろと見直すきっかけにもなった。
子どものジェンダー問題に触れながら、本当の友情とはなんなのかを問う物語。
全く知らない他人の記憶が脳内に流れ込むという不思議な現象を絡めたミステリー要素もあるので、年齢、性別を問わずお薦めしやすいと思います。
児童書として発刊されています。
自分が主人公たちの年齢の時
こんなにしっかりした考えを持っていただろうか。
この本のように不安な心を導いてくれるものは
あっただろうか。
闇のような心と向き合う主人公たち。
冷たい世間の視線。
大人でもひるんでしまうようなことに
主人公たちは立ち向かいます。
出来ることを頑張る。
思わず背筋が伸びるような読後感でした。
『あの子の秘密』大好きだけど、今回もとても良かった。ファンタジーと現実のバランスが絶妙。
翔真のまっすぐさと危うさがきらきらと眩しい。螢一のどこか気の抜けた、とぼけたような語り口も好きです。たまにサムく感じるのもまたご愛嬌というかなんというか。
『キャンドル』
いつも冗談を言っている父さんが、夜中に「ごめんな」と言いながら…
の場面で涙が溢れた。
世の中どうしようもないことがある。
あきらめる。
おとなになるってそういうこと。
確かにどうしようもないこともある。
子どもたちにそう思わせているかなと思うと寂しく感じる。
自分が子どもだった頃はどうだっただろうか…
この物語の子どもたちは、しっかり向き合って生きていて、たくましいなと思った。
この本を読んだ子どもたち大人たちにも、勇気と希望を授けてくれる物語だった。
辛すぎても世の中にはどうしようもないことがあるんだ。そう思う事で心の平静を保ち続けてきたぼく。
決して自分らしく生きることをあきらめないあいつ。
親友として互いを認め合ってきた2人が成長するにつれ、考え方の違いにより壁にぶつかってしまう。
そんな2人の絆を更に深めることになる事件がすごく印象的でした。始めは何が起きているのかわからなく、気がついたら、引き込まれるように読み進めていました。
ジェンダーやいじめなど、現代社会で自分らしく生きることはすごく難しい。悩み苦しむ子供たち。
でも、例え、何かのきっかけで一度心の距離が離れてしまったとしても、心の底から思いあう気持ちがあれば、やりなおすことができる。あきらめない勇気。とても大切なことを教えてくれる作品でした。
小学六年生の物語ではあるのですが、中学生が読んでも十分面白い作品
だと思います。ただ、主人公が小学六年生だと中学生対象だとは思われない
のが残念なところです。この仕掛けに満ちた物語のテーマ性やユーモアなど
もう少し、広い年代に楽しんでもらえる作品だと思うので、この魅力をどう
伝えるか考えていきたいところです。
ファンタジーというテコが、条理では越えられなかった心の壁を越えさせる
ジャンプ力を与えることがあります。女装男子に、ごく常識的な感性の少年
が歩みよるには無理があり、そのアクロバットを実現させる物語の仕掛けが
実に巧妙に働いていると思います。友人を理解できないままでも、そのサイド
に立つことはできるのだと、そんな力強い意志を感じ、感慨深いところでした。
ジェンダー?LGBT?クロスドレッサー?言葉の使い方をよく知らないことに気づいた、そしてそれはほんとうはとても大切なことだってことにも。
児童書、という線はどこでひかれるのだろう。受賞一作目、とあるが書く方はプレッシャーを感じるものなのかもな、とも思う。
著者の作品を初めて読ませていただきいたが、大人でも十分に読み応えのある作品だった。
女装男子、がまず登場するのでそよインパクトたるやかなりのものなのだが、登場人物それぞれがかかえるもの、抱えて生きるしかない重いもの、喪失、後悔、でもとりもどすことのできるもの。
若い才能が今後ともはなひらいてゆきますように。