恋話ミラクル１ダース

本書に収められているのは基本的には、Ｙ市立未良来中学校に通う男の子と女の子の恋愛話だ。ただし、普通の恋愛話ではない。なにしろ、男の子の頭に花が咲いたり、恋する女の子の胸にハート型の穴が開いたり、男の子と女の子が性別が逆になる着ぐるみを着たり、果てはアンデッドの女の子の恋物語だったりと、タイトルの通りミラクルな設定が組み込まれているのだ。そして１２番目の話では、ここから新たな物語が始まるような余韻が感じられる。ちょっと変わった恋物語が好きな人にお勧めの一冊。

頭に花が咲くという発想が面白いです。
実際に、頭に花が咲いている男子がいたら、凝視してしまいそうです。
全体的に、小中学生向けな印象を受けました。
コミカルな場面もあり、小中学生が本を読むきっかけになりそうなショートショートでした。

だいぶ大人になってしまった私が読んでみましたが「青春っていいな」と思いながら読んでいました。ちょっと普通の恋じゃないけど、そこが面白くて私は好きでした。
ショートストーリーという点も良かったです。何話もあるので楽しみながら読めました。
大人が読んでも楽しい作品になると思います。

イマドキの中学生が読みたがる、ショートショートの恋バナ。
読みやすくて楽しく読めました。
好きな相手の名前のアプリがある日突然インストールされていた話、男子の頭に花が生えていた話…。と、ありえない設定が多いので、私はあんまり感情移入出来なかったです。イマドキの中学生なら感情移入できるのかも？
似たような本が沢山出ている昨今、中学校の図書室に入れるかどうか、は、悩むところではあります。

ちょっと(だいぶ？)個性的な恋のおはなしが12編。
短編なのでとにかくするする読めます。
普段“恋愛に興味ないでーす”な子でも、アプローチが独特なので構えずに楽しめそうだし、恋愛モノ大好物な子には、いつもと少し違った雰囲気のなかで、ひとくちに“恋”といっても様々な可能性が秘めていることを感じてもらえる、本当に無限大の楽しみ方が出来る作品でした!!

ちょっとふしぎな「未良来（みらくる）中学校」で起こる、ふしぎなふしぎな恋物語の短編集。
頭に花が咲いてたり、矢を撃ちあっていたり、おなかがすいてクラスメートをぱくっとしちゃったり。
軽快な語り口は読みやすく、内容の不思議さもあってするする読めます。
出てくる子どもたちは、みんな今どきの子らしく、他人に優しく、思いやりもあり、ジェンダー観がマイナス方向に偏ってはいないことも、30代の私にはすごく良いと思えました。
絶対に起こらないような、でもあったら不思議な出来事の裏で語られるのは、中学生の優しくて可愛くて、そして「こんな自分なんて」とうつむきたくなるようないじらしい恋物語。
独り占めしたい、話してみたい――すごくすごく、いじらしくも可愛い心を描きつつも、いじめられていたり、自分を信じ切れなかったりする登場人物もいて、恋だけではない心も癒されていくようなお話も多かったです。

少し不思議な恋のお話で、恋愛小説が苦手だと思っている人も楽しくて読めると思います。舞台は同じ中学校、物語同士が時々交わるのも別の視点から楽しめる気がして面白かったです。変な設定が強調されず、さらさらと進むのも心地よく、お互いを好きだという気持ちの表現も微笑ましくて、心が温かくなる読後感でした。

中学生たちの等身大の言葉や気持ちや日常をリアルに表現しながら、そこにいろんな"ミラクル"な要素とあるあるを盛り込んだ、読みやすいタッチの作品。タイトル通り12編のストーリーには、どれもちょっとドキドキするような恋の展開があり、先をイメージさせるような描き方が上手い。思春期の多感な子どもたちの願望や悩みを、逆手に取ったり極端に飛躍させたりしながらも、悩む気持ちには寄り添う優しさも感じられる。児童文学・YAには子どもが直面している重い現実をじっくり読ませる作品も多いが、それが苦手な生徒にもすすめてみたい1冊。

頭にお花やキューピッドの矢など、どれも現実離れしているお話ですが、暖かさもあり、こんな世界もあれば行ってみたいな～と思いました。特にキューピッドの矢の話はリア充で微笑ましかったです。私の勤務校では真似する子がいそうで少し怖いですが…ショートストーリーなのでサクサク読めて朝読で読むのにちょうどいい感じです。

中学生におすすめしたい作品。
頭に花が咲いたり胸に穴が開いたり、好きってことを伝えるためにフリマサイトで買ったキューピッドの矢をつがえて相手を射抜こうと奮闘したり。
およそ現実にはないことですが、でも現実に中学生の頭の中では起きている、ある意味リアルな恋愛短編集。
ハチャメチャに見えるけど実はこんなんだったんだよなと自身の初恋を思い出すような甘酸っぱい作品でした。

未良来（みらくる）中学校の生徒の恋愛短編集です。発想がとても斬新。頭に花が咲いている男子の秘めたる思いを突き止める女子が何となく好きだ。ユリ科の花が頭に咲くんだよ。彼女の名前は「ゆりか」。ずっと、彼女のことばっか考えているから、「ユリ科」の花が咲く。AIアプリの人間に対する恋愛とか、ステルス化した少女は誰にも気づかれないし、恋のキューピットの矢を射る二人は両想いだし。ゾンビの恋もおもしろかった。ほっこりできるアイデア満載のミラクルラブストーリーでした。