おねえちゃんって、きょうもやきもき！

『おねえちゃんって…』のシリーズ6作目。
ここまでくれば“おねえちゃん”もプロ級かと思いきや、またまたナッちゃんの天真爛漫っぷりに振り回されてます。
今回はなんだかお母さんの体調があまり良くないみたいです。病気なんじゃないかとココちゃんはとても心配でもやもや。そんななかでも、ナッちゃんは相変わらずマイペースで更にやきもき。
底抜けに明るいナッちゃんに困りながらもどこか楽しめてる、そんな“リアルな”おねえちゃん成長ストーリー!!

あたしには妹がいる。ママが結婚してパパになった人の娘で、あたしより３つ下なのに体は大きくて、やかましくて怪獣みたい。近頃ママの元気がなくて病気みたい。あたしは心配でたまらないのに、ナッちゃんは、相変わらずわがまま放題。
　突然できたエネルギッシュな妹・新しい家族の中で奮闘するお姉ちゃんシリーズの６冊目。

　この家族はステップファミリーなのだけれど、親子関係も姉妹関係も、とてもうまくいっている。姉妹がけんかするのも、ナッちゃんが平気でわがままをいうのも、家庭が安定しているから。だから読者も、ナッちゃんの怪獣ぶりにいらいらするあたしに同情しつつ笑って、明るい気持ちで読んでいけるのだろう。

　今作では、ママの体を心配しているのはあたしだけでなく、妹もだったと、あたしが知る出来事が起こる。妹は、まだ小さい（体は大きいけれど）から、物事が不器用にしかできなくて、惨事になってしまうけれど。妹のしたことを、あーあと嘆きはしても、妹の健気さに気づいてあげられるところに、今作でのあたしの成長がある。

　それにしても、この姉妹、この先の続刊ではさらに大変なことになりそうだ。

小学校の図書館でも人気のシリーズ。
お姉ちゃんは、お母さんの体調を心配して、元気な妹が面倒を起こさないか不安に思っています。でも、小さな妹もお母さんを心配していることが分かって、安心します。
ステップファミリーでありながら、両親や姉妹も仲良く自然で、これからは家族の形が多様になると思うので、こんな風に自然なお話が増えるといいなと思いました。

おねえちゃんは、ほんのちょっと妹が羨ましくて、妹には負けたくなかったりします。この物語のお姉ちゃんは、妹よりも背が小さいけど、やきもきしながら自然にかまって、素直に怒る。そこがとても良いなと思います。

去年の春ココちゃんが小学一年生のとき、お母さんと、3歳年下のなっちゃんのお父さんが結婚したので、4人家族となり、ココちゃんには念願の妹ができました。ところが、なっちゃんは、ココちゃんが思っていた理想の妹とは、ほど遠かったのです。おまけに、お母さんの体調が悪くなる。でもこのことがきっかけで、ココちゃんはなっちゃんの優しさを認識します。そしてお母さんの体調が悪くなった訳とは。この作品を読んで、みんな最後はほっこりした気持ちになるでしょう。

大好きな　いとうみくさん。つい最近も、「車夫」シリーズを一気読みしたところだ。

親同士の再婚で、姉妹になったココちゃんとナッちゃん。イマドキの家庭事情が舞台になっている。共感できる子も多いかもしれない。

ほしかった妹ができたけれど、理想の妹とはほど遠いナッちゃんに、ココちゃんはヤキモキしてしまう。
そんな姉の気持ちを丁寧に描きながら、妹を受け入れることになるエピソードをうまく重ねていく。さすが！
ラストも、ほのぼのと終わるのかと思ったら、絶叫で終わり、笑ってしまった♪

つじむらあゆこさんの挿絵もかわいくて、とても良かった。

#おねえちゃんってきょうもやきもき #NetGalleyJP