なまえのないねこ
お試し版
竹下文子/文 町田尚子/絵
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刊行日 2019/04/25 | 掲載終了日 2020/09/30
ハッシュタグ:#なまえのないねこ #NetGalleyJP
内容紹介
第25回日本絵本賞・受賞!
第12回MOE絵本屋さん大賞2019第1位!
第3回未来屋えほん大賞・大賞!
第10回リブロ絵本大賞・大賞!
第8回静岡書店大賞〈児童書新作部門〉第2位!
八百屋や書店、パン屋、蕎麦屋、喫茶店などの飼い猫たちが、みんな持っている「名前」に憧れている、ひとりぼっちの猫。
ある日、お寺の猫に「自分で好きな名前をつければいいじゃない」と言われ、名前を探すことに。
名前のない猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは?
愛猫家で猫が主人公の作品を多く発表している作家と、同じく愛猫家で猫の絵が人気の画家による猫愛に溢れた絵本。
出版社からの備考・コメント
一部を抜粋したお試し版です。
販促プラン
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ご投稿いただきましたレビューの一部を、文化通信社が発行する月刊新聞B.B.B.9月号にて掲載予定です。レビューが選定された方には、NetGalleyよりメールにてご連絡いたします。また、掲載された新聞紙面をプレゼント送付いたします!
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レビュー投稿締切:2020年8月31日(月)
《注意事項 》
・選定発表は、出版社からのメールをもってかえさせていただきます。メールは9月14日(月)までにお送りいたします。
・メールアドレスを出版社に開示設定されている方が選定の対象となります。
・発送の都合上、国内在住の方を対象とさせていただきます。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784338261333 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
「猫」は不思議と飼い主に似る。
あれはどうしてなんだろうか?。
これは「名前のない猫」の話だ。
私の住む町にも「名前のない猫」はいる。
ようするに野良ネコだ。
よそ様の家の屋根とか、塀の上とかで半分目を閉じて寝てたりする。
普段は気にならない、そんな光景が、この本を読んでいると気になるのはどうしてだろうか?。
あの子はきっと孤独である。
あの子はどんなことを求めながら生きているのか?。
この優しい絵本の猫の絵や文章を見ていると
思わず、そんなことを想像してしまう。
最初のページの
ぼくは、ねこ。なまえのない、ねこ。
だれにも、なまえを つけてもらったことが ない。
この文章が心に刺さってくる。
路地裏でこっちを見上げてくる猫の絵が
「ねぇ、僕に名前をつけてください」と語りかけてくるようなのだ。
すごく切ない顔なんだ。その大きな目で見つめられると
とても切なくなる。
名前がないねこが、なまえをもらうまでの過程が子供にもわかりやすく、納得できる形で表現されていると思いました。絵がまた素敵で、学校で読み聞かせした時に猫好きの子供が食いついていました。学校図書館に入れたい1冊だと思います。
そうか―とほしかったものに気づいたときの、猫の横顔にグワッと胸をつかまれました。いまにも動き出しそうな、さわりたくなる質感まで描かれた猫ちゃんたちの魅力、佇まい、猫に対する大きな大きな愛情が堪能できる傑作です。
よく犬派、猫派なんて比べられるけど、好きな人にとっては猫は笑顔を運ぶ不思議な力を持っていると思う。この作品には、そんな猫好きな人の心を揺さぶるものがあると思う。同時に飼い猫に比べ野良猫のペーソスが伝わってくるようだ。
我が家のねこは、保護猫シェルターから引き取った白猫。誰かの手によって保健所に持ち込まれ、なまえもなくシェルターのケージのなかで眠っていた。
しかし、連れて帰る途中家族で名前を決めて、家に着いてすぐその名で呼び始めたら何日かするとすぐ、呼ばれると自分と認識するようになった。
その時、名前を付けること、猫がその名を自分で認識することで彼女(彼猫?)の存在が実存化し、我が家の一員が誕生したことを実感したのだ。
この本のねこは、自分以外に名前があり、自分に無いことを認識している。そこに寂しさと、不条理さを感じている。
不思議なことに、名前とは自分から付けて名乗るものではなく、他者から付けられることで実存化していくものなのだ。
だから、自分から名を名乗ることも出来ず宙ぶらりんの状態。
そこには叫び出したくなるほどの、焦燥感と羨みがある。
たかがなまえ、ではないのだ。是非この本をきっかけに周りを見回していろいろと感じて欲しい。
周りの飼い猫たちは、みな名前がある。
でも、野良猫の自分にはない。
「自分の好きな名前をつければいい」と言われ、猫は、あることに気づく……。
訴えるような目をした猫の表紙に、ドキッ!
開くと、見返しで、さまざまな猫がこちらを見ている。(よそ見もいるけれどね(笑))
猫の話だけれど、人間に置き換えることもできる。
だれもが、この猫と同じ想いを抱いている気がする。
だからこそ、この作品は、猫好きさんだけでなく、多くの人に愛されているのだと思う。
竹下さん、本当に素敵な話を書かれるなあ。
そして、町田尚子さんの絵が素晴らしい。
文章と絵が見事にひとつになっている。
読み終えて、後ろの見返しを見る。
あ! いるいる! ちゃんと素敵な名前と一緒に!
よく見たら、猫でないものも混じっていた(笑) 遊び心にくすっ♪
放課後デイや敬老会で読んでみたい。
この絵本は最後まで読まないと、物語の良さがわかりません。
女の子の台詞が何とも愛しくて優しくて
、猫好きにはたまらないのです。
猫たちの表情豊かな優しい絵に、大人も子どもも引き込まれ、猫を愛でたいと感じさせてくれる作品です。
商店街に暮らす「ただの」猫。
野良猫なので、名前はない。
そんな「ねこ」が商店街のお店に暮らす猫たちの名前を紹介していく。
みんなそれぞれ名前をもらっている。
中には2つも名前がある猫もいる。
自分だけの名前を持つことへの憧れと名前を持たない自由さ。
最後に名前をもらった猫の気持ちは、ハッピー
ぼくはねこ、なまえのないねこ。ちいさいときはただの「こねこ」いまはただの「ねこ」町のねこたちはみんな名前をもっている。ぼくも名前が欲しいな・・・というと「自分で好きな名前をつければいいじゃない?」って言われたので、ぼくにぴったりの名前をさがして町を歩いてみたよ。「のらねこ」なんかじゃない、「あっちいけ!しっしっ」なんかじゃない素敵な名前・・・。ある雨の日、あまやどりをしていたぼくに「きれいなメロンいろのめをしているね」「おなかすいてない」と声をかけてくれた人がいたよ。ぼくはわかったんだ。ぼくがほしかったのは、名前じゃないんだ・・・。メロン色の目をしたねこ、思わず抱きしめたくなりました。
町田尚子さんのファンでこの絵本を知り、作品内容に惹かれたのがきっかけです。
個性溢れるいろんなねこたちが現れ、ストーリーにどんどん引きこまれながら、主人公のねこの気持ちや状況を考えたら…でしたが、最後はほっこりします。
そして「なるほど!」な展開があり、思わずクスッとしました。
うちの子たちが拾ってきた愛猫が主人公と同じくキジトラ、グリーン色の瞳でとても似ているので重ね合わせてしまい、心がキュンとしながら読みました。
猫好きさんはもちろん、特にお子さんと一緒に是非ぜひ読んで欲しい絵本です。
アーシュラ・K・ル=グインの『ゲド戦記』には、名前の持つ力について触れられている箇所があります。
この絵本の猫には、名前がありません。ほかの飼い猫には、それなりの由来や、誇りもあるのに。
主人公の猫の、この寂しそうな目を見てください。明日の食事も、今日しのぐ雨の場所もない。
しかし、この猫は、なんの力もないのでしょうか。
いいえ、違います。この絵の猫の瞳の奥に光る、芯の強さを見てください。
彼(または彼女)は、たしかに名前はありません。力もないでしょう。
だけど、希望はあるのです。
ふしぎな絵本です。
なまえは、そんざいのあかし。
なまえは、しょぞくのしょうめい。
なまえは、つながりのひろがり。
なまえをもつねこは、ほほえみにむかえられる。
あるひ、じぶんもそのなまえをもつねこになったことをしるぼく。
せかいでいちばんあたたかくてあんしんできるばしょは、なまえをよんでくれるひとのそば。
とても温かな心に残る絵本です。
主人公はエメラルド色の目をしたとらねこ。とてもかわいらしいのに名前がない。のらねこなのだ。このねこが、町をまわって、かいねこたちを見て回る。自分専用の箱を持っている靴屋のレオ。お客さんたちに人気の本屋のげんた。
満ちたりた顔をしたかいねこたちを、名前のないねこはじっと見つめる。その目はとても寂しそう。
かいねこたちは、名前で呼ばれるのを当たり前と思っているけれど、名前のないねこにとっては、とてもうらやましい。ななぜなら、名前があるってことは、かけがえのないものとして、自分を愛してくれる人がいるってことだから。
小さな子どもから大人まで、名前のないねこに心を寄せずにいられない。胸に響いて、抱きしめたくなるような1冊。
猫好きにはたまらないこの表紙。思わず手に取りたくなります。名前にあこがれのある猫の話ですが、本当は名前じゃなくて…というところが素敵ですよね。表紙の猫の表情には、絵本を手に取りたくなるのと同じように、猫に声をかけたくなります。
名前、みんなに当然あるものだから、子供たちは名前の大切さを特に普段考えたりしないと思う。
自分の家にいるペットたち、どういう風に名前を決めたのか、その名前をこのなまえのないねこさんはどういう風に思っているのか。名前だけがあればそれでいいのか、大切なことを考える、良い絵本だと思いました。