クレンショーがあらわれて
キャサリン・アップルゲイト
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刊行日 2019/10/03 | 掲載終了日 2019/10/02
ハッシュタグ:#クレンショーがあらわれて #NetGalleyJP
内容紹介
10歳のジャクソンのまえに、ちいさなころに作り出した想像上の友だち「でかネコのクレンショー」がふたたびあらわれた。ジャクソン一家が家を追い出され、ミニバン暮らしをしていたころ以来、一度も姿を見せていなかったのに…。もしかしてこれは、また悪夢のような貧困生活がはじまる前触れ? イマジナリーフレンドの再来をきっかけに、少年ジャクソンが家族と、 自分自身に正面から向き合っていく姿を描いた物語です。
10歳のジャクソンのまえに、ちいさなころに作り出した想像上の友だち「でかネコのクレンショー」がふたたびあらわれた。ジャクソン一家が家を追い出され、ミニバン暮らしをしていたころ以来、一度も姿を見せていなかったのに…。もしかしてこれは、また悪夢のような貧困生活がはじまる前触れ? イマジナリーフレンドの再来をきっかけに、少年ジャクソンが家族と、 自分自身に正面から向き合っていく姿を描いた物語です。
おすすめコメント
●原書は2015年アメリカで出版され、15万部を売り上げた大ベストセラー! 世界21カ国に版権が売れており、アメリカのAmazonがえらぶ「2015年編集者が選ぶ100冊」、 また「ニューヨーク公共図書館が選ぶ2015年100冊の児童書」など 多数に選書されています。
●テーマは、昨今日本でも問題となっている「子どもの貧困。日本の子どもの貧困率は13.9%、7人に1人が貧困状態にあると言われており、すでに目を背けてはいられない問題になってきました。しかし本作では、10才の主人公を助けるために現れる「でかネコ・クレンショー」の存在が、物語中でも、読者にとってもテーマの重さを緩和する役割を果たし、希望ある未来を感じさせる結末とも相まって爽やかな読後感を残します。
●本国では、本書をきっかけに子どもの貧困を救済するために「CRENSHAW FOOD DRIVE」の活動も始められ、学校や図書館を中心にその活動は広がってきています。
●著者のキャサリン・アップルゲイトは、全世界で大ヒットした「アニモーフ」シリーズの作者で、“Home of the Brave”で2008年ゴールデン・カイト賞、『世界一幸せなゴリラ、イバン』(講談社)で2013年ニューベリー賞を受賞。邦訳された作品に『願いごとの樹』(偕成社)など。
出版情報
ISBN | 9784577048306 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
●「七転び八起」
人生の縮図のうようで
一生懸命に生きていてもうまくいかないときもある
でも一生懸命生きるしかないっていうのが
すごく伝わってきて、
今一生懸命目の前にことに取り組めているのかと
自分を省みるきっかけになりました。
そういえば、いたな私の場合は
絶世の美女だったけれども……
友達の、白鳥の夫婦からの話が
結構私の中では
素敵な表現でいて、
外国の子どもってオシャレだなーって思った
主人公の少年が感じる息苦しさ、閉塞感がひりひりと伝わりました。
貧困とはなんでこんなに恐ろしいのか。
読むのが辛い、でも、眼を背けられない。
イマジナリーフレンドがいることで、少年は苦難に耐え、成長する。
少年の今後に幸あれ。
ジャクソンの両親は決して不真面目な人たちじゃない。でも父親が病気になって仕事を失ってから、お金からは見放されてしまったらしい。家を手放してミニバンで暮らしていた期間は短かったけれど、福祉とか人から助けてもらうということが受け入れられない父親は必死だったことを覚えている。その後アパートで暮らせるようになったけど、再び我が家の経済状況は厳しいらしい。
クレンショーが何故自分の前に現れるのか分からない。他の人には全く見えないらしいけど、ジャクソンにははっきり見えている。クレンショーはジャクソンにこう言う「ぼくはきみにとって必要だから現れるんだ」ってね。
貧困という問題は深刻だけど、それ以上に深刻なのは、親が子供にその原因や事実について話をしないってことなんだなぁ。子供には正直であれと言うのに、親は子供に対して正直じゃない。そんなこと子供には分からないって思ってるみたいだけど、子供はけっこう分かってるんだから、隠したってしょうがない。ちゃんと話しあって、一緒に頑張ろうって気持ちを持つことの方が大事だよね。
子供向けの本だけど、とっても重いテーマを持ってるなって思いました。どんなことであれ、子供には内緒でなんて思っていることがあったら、それは間違いだよって伝えたくなりました。
子どもの貧困。日本でも無視できない問題になってきているそれを、子どもに寄り添って描いた一冊。自分の住む場所、食べるもの、通う学校、何もかも自分で決めることのできない子どもが、自分の感じていることを言葉にすることで救われる。そこにいないはずなのにいて、どこからも助けなんてこないはずなのに助けてくれるクレンショーが誰のそばにもいますように。
Imaginary Friend....想像上の友だちをテーマにした作品はたくさんあるけれど、それがふてぶてしいおっさんネコという設定がユニークで、子どもの貧困という深刻なテーマを扱っていながら変に感傷的になっていないところがとてもいい。
訳者あとがきによると、アメリカの5人にひとりがじゅうぶんな食事ができていないそうだが、日本も7人にひとりが貧困状態にあるというから、他人事ではない。
それに、子どもってあんがいプライドがあって、「うちにはお金がない」なんて口が裂けても言えなかったりする。でも、これを読んで、「つらいよ」「助けて」「いやだよ」と言うことは、ぜんぜんかっこわるいことじゃないと知ってほしいな。
表紙が猫だったのを読んでから気づいた。ワーキングプアの家庭で育つ兄妹の心の動きに胸が痛くなった。途中から引き込まれた。想像上の友だちは自分から来たいわけじゃなく、呼ばれたから来る…のくだりがとても印象に残った。大人も読んでいろいろ反省すべき(笑)。
想像の友だちのことを軽やかに話せる子は幸せだと思う。
心の友だちとして、お互いを大切に思えている証だから。
想像の友だちのことを軽やかに話してみせなければならない子は、苦しいけど息継ぎを繰り返しながら苦しさの川を泳ぎきれると思う。
この本の子は、想像の友だちを全力で否定する。質感まで伴っているのに。
私にも想像の友だちに近い存在がいた。2才のときから一緒だったクマのぬいぐるみ。毎夜布団の中で話していた。何もかもわかってくれて、いつでも一番必要な答えをくれた。必要な答えが見つかるまで、いつまでも話をしてくれた。とても落ち着く匂いがした。でも小学校4年生になった頃、帰ってきたらいなかった。母が、捨てていた。「ゴミ屋さんに出したのよ」と言う母に泣いて怒った。母は心配だったのだと今なら思う。あのときの母の台詞も声も表情も、まだ覚えている。
だからわかる。想像の友だちを全力で否定するのが、どんなに心に悲鳴をあげさせるか。
それは必要なもうひとりの自分なんだから。
想像の友だちを否定するしかないほど、痛みを抱えた子どもに、ふわっとした空気感ですすめたい。
この表紙なら、きっと手渡せる。
人語を話す猫。二足歩行をする猫。身近によくある光景である。もちろんお話の中の世界で、という話だが。子どもの頃、本を読んで頭の中に思い描くことをよくした。しかし、今は本よりも先にテレビやDVD、インターネットでの動画と様々に技術を駆使された映像が手に入る。自らが想像することを、今はどれくらいの子どもができるのだろう。自分で作った自分の友だち、クレンショーのような友だちを持つ楽しさを味わってほしいと思う。
少年ジョンソンには、クレンショーという言葉を話せる猫の友達がいる。猫は、他の人には見えない想像上の生き物。じぁ、何で、そんなことになっているの?というのが、この物語の主題で、子供の貧困問題です。万引きをし食うにも困る子供がいる反面、カートに色んな食べ物を満載にしている同級生の子がいる。餓えた子供のいる世界は、どこか間違っている。それが作者の訴えたいことだと思いました。いきなり、トラック暮らしになる不安。大切なことは大人が決めてしまう。子供は従うだけ。ガレージセールで玩具やベットを売られてしまうのは悲しい。