きみひろくん
いとうみく/作 中田いくみ/絵
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刊行日 2019/10/25 | 掲載終了日 2019/10/01
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内容紹介
どうしてきみひろくんは、ぼくにだけうそをつくんだろう?
小学校2年生のぼくには、きみひろくんという友だちがいる。ぼくの家のむかいのアパートに住むきみひろくんは、スポーツも勉強もできる優等生で、同級生だけでなく、保護者や先生までもが、きみひろくんのことを大好きで、尊敬している。でも、そんなきみひろくんには、「ぼくにだけうそをつく」という、ちょっと困ったところがある。きみひろくんのうそは、だれも傷つけないし、ちょっと笑っちゃうようなうそだから、ぼくはいちいち、指摘なんかしなかったけれど、ある日突然「ぼくのお母さん、本当のお母さんじゃないんだ」という、本当なのか、うそなのか、ちょっとわからないことを、きみひろくんは言いだしてしまった。 満月の夜に「公園の土管をくぐって、アメリカにいる本当のお父さんに会いに行く」というきみひろくん。きみひろくんのことが心配で、どうしても一人で行かせられないと思ったぼくは、彼と一緒に夜の公園にむかった。アメリカに行くために、真っ暗な土管のなかに入ったぼくと、きみひろくんは……。
きみひろくんとぼく。ふたりの物語をとおして、読者に「友だち」や「家族」について考えるきっかけを与える児童文学です。 見開きごとに、今注目の画家、中田いくみさんによる挿絵を掲載。最後まで楽しく物語を読みすすめることができます。
おすすめコメント
大人気の児童文学作家、いとうみくさんの、小学校低学年・中学年を対象とした児童書です。
「正しいこととか、友情とか、そんなものじゃない。ただそばにいるだけ。それだけで、強くなれることってあるのではないでしょうか。」いとうみくさんから寄せられた言葉です。
大人気の児童文学作家、いとうみくさんの、小学校低学年・中学年を対象とした児童書です。
「正しいこととか、友情とか、そんなものじゃない。ただそばにいるだけ。それだけで、強くなれることってあるのではないでしょうか。」いとうみくさんから寄せられた言葉です。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784774328768 |
本体価格 | ¥1,100 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
今は決して珍しくなくなった複雑な家族の在り方を描かせたら、この方に勝る作家はいないでしょう。そして、どの作品も対象年齢にピッタリな心情の描き方、冒険の仕方、どれも秀逸で、毎回やられたなと感じるのですが、今回もまたやられました。どちらが賢いのかわならない2人ですが、2人とも、彼らなりに精一杯生きている姿や2人の友情に、ほっこりしました。小学生の子のいるお母さんが読んで聞かせても、お母さんもきっと胸を打たれるでしょう。私の職場は中高の図書館なので、購入はできなさそうですが、小学校の司書の皆さん、購入して間違いなしです!
きみひろくんの嘘は、誰かを傷つけたり陥れたりする、いやな嘘じゃない。主人公のともくんに「すごいね」って言ってもらえるからかな、優しい嘘が多い気がします。そんなきみひろくんのお母さんは、きみひろくんを橋の下で拾ってきた、なんて、よくある嘘をきみひろくんにしたそうです。純粋なきみひろくんはそれを信じてしまって、私はそこから、きみひろくんに無垢な印象を受けました。
きみひろくんのお父さんは本当にアメリカにいるのかわからないどころか、きみひろくんと最後に会った日はいつなのかさえわからない。それでもきみひろくんはお父さんに会いたかったのでしょう、ともくんとアメリカに行こうとする姿が切なかったです。
土管にいた黒猫も、いつか家猫になれたらいいね、なんて思いながら読みました。
挿絵が清書されたバージョンも読んでみたいです。
●「とても素敵な 冒険!」
いやすごい素敵でした。
是非色がついて本当のイラストになったのを見たいと
思いました。
そういえば私も言われたな……
でもそういうのって実は結構あること
そういうときに寄り添ってくれる友達がいるって
本当に素敵なこと。
この本は絵のように本当に暖かく
ストーリーも暖かいです。
良い本!
きみひろくんは、誰も傷つかないささやかなウソを僕だけに言う。クスッと笑っちゃうけど、毎度毎度のことに僕はちょっと困ったなと思いながら受け止めている。
そんな小さくて優しい間柄だからこそ告げられた「ウソみたいだけどホントのこと」。
子どもが害にもならないウソ(嘘をつく意識もなさそうな軽いもの)を言うことはよくある事だと思います。それにくらべて、きみひろくんに告げられた、お母さんの嘘のなんと重く罪なことか。
真正面に受け止めたきみひろくんの困惑と、お母さんへの優しさに切なくなりつつ、その状況でも寄り添い打開する切っ掛けを作った僕の思いやりにほわっと心がほぐれました。
大人の嘘はささやかななつもりでも辛い。このお母さんの言葉は、言ってはいけない嘘だと思います。その重大さと子どもたちの温かな友情を軽く優しく伝えられるお話でした。