わたしのおじさんのロバ
トビー・リドル 作 村上春樹 訳
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刊行日 2018/12/03 | 掲載終了日 2019/02/14
ハッシュタグ:#わたしのおじさんのロバ #NetGalleyJP
内容紹介
もし、家の中でロバを飼ったら、どうなるのでしょう?
おじさんのロバは、おきにいりの椅子にすわったり、台所でさかだちをしたり、ブタやイヌのともだちが遊びにきたり、靴下をはいたり、ピアノをひいたりします。
これが、なんともいえない予測のつかないおかしさを生み出しています。
村上春樹氏のあとがきによると、「ロバの顔や仕草がなにしろとてもすてきです。見ているだけで飽きない。さて、ロバはほんとうにいるのでしょうか? ほんとうはいないのでしょうか? ロバは見える人にしか見えないのでしょうか? ひょっとして、あなたの隣にロバがいたりしませんか?」と書かれていて、想像して楽しむことをすすめています。
このロバは実在するのでしょうか? 家の中にロバがいることをおじさんは知っているのでしょうか? この微妙なあいまいさは、最後まで維持されます。おじさんは平然とロバのいたずらが見えないふりをしているのか、あるいはぜんぜん気づいていないのか、そのどちらかですね。
おすすめコメント
<著者紹介>
トビー・リドル
1965年、オーストラリア、シドニー生まれ。1985年、シドニー大学でビジュアルアートの学士号取得。1991年、建築学の学士号取得。1986年から、フリーのイラストレーター・漫画家として活躍。1988年より、絵本作家としても活躍。2011年、オーストラリア児童図書賞絵本部門オナー受賞。
村上春樹
1949年、京都府生まれ。早稲田大学文学部卒業。主な著書に『ノルウェイの森』(講談社)、『1Q84』(新潮社)。訳書にサリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)、『急行「北極号」』などのオールズバーグ作品、シルヴァスタイン『おおきな木』(共にあすなろ書房)ほか多数。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784751528464 |
本体価格 | ¥0 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
どの年齢層にもおススメの絵本。
現実と非現実を繋いでいるのは想像力と、創造力。
一切出てこないわたし、が語る
わたしのおじさんのロバ。
わたしのおじさんのロバ、なのがまた、
直接的ではないからこその羨望と、一歩引いた視点を読む側と同目線で感じられる。
飄々としたおじさんの過ごしっぷりと、
人間くさすぎるロバがまた良い。
どうやってピアノ弾くの?など各ページに突っ込む子どもの声も聞こえてきそう。
楽しくもあり、愉しくもある深い一冊。
色を抑えてあって目に飛び込む赤いシマシマがかわいい
ロバに何を見るのかで見方が変わる気がします。
空気のような存在
夫婦に当てはめてみたり兄弟だったり
そばにいる気配が安心をくれてるのかもしれません。
『わたしのおじさんのロバ』
何度も読みました。何度もロバとおじさんを見ました。
ロバは絶対におじさんの家にいる。
おじさんは、ロバの存在を知っている!
と、思うけど、どうかな!
見れば見るほど、ロバの表情、仕草がとても自然。家にロバがいるのが当たり前になっていて嬉しくなる。
いろんなロバの動きが可愛く面白い。
おじさんも実は知っているのかな。
ロバが可愛いことを。
楽しく過ごしているロバは、人と同じ。
それがこの『わたしのおじさんのロバ』の物語、絵で伝えたいことかもしれない。
と、読んでいるわたしは思うけど…どうかなあ。ロバはどう思っているのかなあ。
いろんな想像をしてしまう。
やんちゃで、みんなを楽しませてくれるロバ。ロバも、もちろん楽しんでいる。
ユーモアとしっかりした“意思”があるロバの表情と動き。そしておじさん。
楽しい物語です。
素敵だなあ。
わたしの隣にも、いつもいるよね。
おじさんのロバ。
究極的にシンプルな本。
起承転結もない、驚くべきオチもない。こんな読書体験は初めてに近い。村上春樹訳と聞くと俄かにカーヴァーの匂いもするが気のせいかも知れない。
子どもは読んでどう感じるだろうか。ろばの生活を面白がる?ろばもきちんとお風呂に入るんだから自分もやろう、と思う?大人が予想もできない反応を示すかも知れない。読み聞かせる場合、大人の思惑次第でどうとでも読ませることができる。
とにかく読む人次第なので、価値観の押し付けにならない。どの国の出身だろうと、どの宗教を信じていようと、少なくとも嫌な思いは与えづらいだろうし、意外とプレゼントに向いているかも知れない。
大人が読むとなると人によって反応が異なるだろう。少なくとも、この本から何を感じたか、何を得たか、などを挙げようとするのではないか。普通読書をすると誰でもそうすると思う。効率重視の現代では、本にいつでも強烈な感動や役に立つ知識を求めている。
しかしこの本にそれが必要なのかどうか、分からない。そもそも読書に絶対に必要なのか、分からなくなった。
読み終わって、これはこういうことを言っているのでは?と思うことが私もあったが、きっと必ずしも他人と一緒ではない。でもそれで良いはず。
イラストがおしゃれ。モノトーンの中で赤や黄色が効いている。冷蔵庫に貼られている絵は語り手のおじさんの姪の作品だろうか。何かの隠喩や比喩があるのだろうが浅学な私には残念ながらわからなかった。そのため子供の視点で読むのに近いかもしれない。でも、繰返し読むと新たな発見があり、楽しい。表紙や挿絵に惹かれて本を選ぶことが多いのでお勧めしたい本の1冊。