スタンリーとちいさな火星人
サイモン・ジェームズ
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刊行日 2018/08/20 | 掲載終了日 2018/11/14
ハッシュタグ:#スタンリーとちいさな火星人 #NetGalleyJP
内容紹介
お母さんが泊りがけの仕事に出かけることになりました。
幼い少年のスタンリーは、庭にでて火星へと向かいます。
すぐに戻ってきたスタンリーは、火星人になっていました。
これは、スタンリーの『なりきり遊び』ですが、本人は本気です。
小学校にいっても火星人を貫きとおします。火星人を信じない友達とケンカになり、つき飛ばしてしまいました。
数日後、お母さんが帰ってきました。
火星人は、大急ぎで火星に帰り、戻ってきたのは……?
母親がいない間、父親が子供のめんどうをみるのですが、ごく自然にスタンリーを火星人と認めた態度をとります。
母親が不在の時の、子どもの心を見事に表現した絵本です。
おすすめコメント
<著者紹介>
サイモン・ジェームズ 作
1961年生まれ。イギリスのブリストルとエクセターで育つ。高校卒業後、さまざまな職に就いた後、大学でグラフィックデザインと美術史を学ぶ。絵本に『ふしぎなともだち』『はじめのちいさないっぽ』(ともに評論社)、『さあ、とんでごらん!』(岩崎書店)などがある。
千葉茂樹 訳
1959年北海道生まれ。国際基督教大学卒業後、児童書編集者を経て翻訳家に。『笑う化石の謎』(あすなろ書房)、『どれがいちばんすき?』『ハックルベリー・フィンの冒険』(ともに岩波書店)、『甲虫のはなし』(ほるぷ出版)など訳書多数。北海道札幌市在住。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784751528402 |
本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
内容はNetGalleyの紹介が殆どすべてを表しているように、主人公が母親が不在の一日だけ、「火星人」として振る舞うお話です。母親がいないときの子供の心理をうまく表現した絵本……と解説されていますが、子供が自分だけの世界に浸ろうとするときの気持ちは、なんとなく分かるような気がします。誰しもああいう時代があったはずなのですが、すっかり大人になってしまえば「そんなものはくだらない妄想だ」と切り捨てられてしまうものです。だからこそ、子供の持つ想像の世界は大切にしたいと思えます。
子どもは変身が好きだ。
今いる自分の世界は、もしかしたら仮の世界で、
ほかに自分の力を発揮できる場所があると、信じている節がある。
今いる世界でなんとかしなければならないと気づいて、もがくことがきっとオトナになるってことなんだろう。
スタンリーを取り巻く家族の温かさに、ホッとする。
でもだからこそ、火星人になる。
温かい家族の1人、それも大好きなお母さんが仕事で不在だから。
スタンリーは、お母さんが出かける時からスタンリーではない。言葉を発することで彼のアイデンティティを自分で確立していると自覚しているから。見送りの時も無言だ。
だから自分も火星人になって過ごす。
そんな気持ちが、スタンリーの家族にも、そして読む側にも愛おしい。
寂しさを知っているのに、武装しているオトナにも、子どもが大好きなお父さんお母さんに読んで欲しい。
児童書に興味が高まりつつあるこの夏。NetGalleyとあすなろ書房のご厚意で
『スタンリーとちいさな火星人』に出会った。
親と離れて一晩過ごすというのは、子供にとってはそれがどんな理由でも、大イベントで青天の霹靂である。
このお話の主人公、スタンリーも、ママが短い出張に出かけることになった。
ママの出発直後、スタンリーと入れ違いに、なんと彼にそっくりな火星人が現れた!
何故に火星人なのか。とか、彼は何者なのか…だとかは、読者ご自身の手に取られて、
可愛い顛末を御覧願いたい。
この絵本、良いなと思ったところは、火星人をちっとも子供扱いしていない。
さらりと整った地の文が、それをよく表している。
スタンリーの家族が、大真面目に火星人に接するところが、ユーモラスでとても優しい。
多少のことはおおらかに受け止め、ちいさな、でも注意しなくちゃいけないアクシデントには
きちんと目を配るところが、スタンリーのお家が、愛にあふれていることを、教えてくれる。
ママが出かけた余波は、実はみんなにちいさく、現れているのだけど…
乗り切り方が、おとなもこどもも、みんな素敵で。
夏休みは、子供がちょっぴり背伸びする季節。
はじめてのお泊り、はじめての遠出。はじめてのお留守番。
どの時も、子どもたちは、平気だもん!と胸を張る。
頑張れるのもほんとう。ドキドキしているのもほんとう。
そして、温かいぎゅーっとしてくれる手を待っているのもほんとう。
このおはなしも、紛れなくこどもの、冒険譚のひとつ。
この夏の、ちょっとお兄ちゃん、お姉ちゃんになった出来事を振り返る…。
日常の中の大冒険をテーマにしたブックシェアに、ぴったりの絵本だと思う。
絵も、星の王子さまやタンタンなどが好きな方なら、眺めているだけで楽しく
好きになれる絵柄で、大人も子供も長く手元における一冊だった。
この内容は、私のツイッターにも投稿されます。また、ブクログにも
上記の内容をUPさせて頂きました。
ママがいない一日の小さな男の子の心の中を微笑ましく描いた絵本。
子供ってこんなことを考えたり思い込んだりするんでしょうね(笑)読みながら自然と笑みが溢れました。子供への読み聞かせはもちろん、大人が読んでも懐かしい気分になったり、また、子供がいる人は子供の気持ちを理解するきっかけになるのではないでしょうか。
お母さんが出張に行った日、スタンリーは空き地の段ボール型宇宙船に乗り火星へ行きます。
代わりに現れた火星人はスタンリーそっくり。
火星人は手を洗わないし歯も磨きません。
そんな火星人にお兄ちゃんもお父さんも優しく接します……。
子供の豊かな想像力を、家族の誰もが否定せずに優しく優しく受け止めていく様が、本当に心温まります。
わたしだったらうっかり「火星人?」って言ってしまうかも。
親子で楽しめる素敵な物語です。絵も可愛い。
●「火星人はさみしさを隠す必要があったのかもね」
こころあたたまるほのぼのストーリーです。
さいごのおかあさんの一言が何より好きです。
なんか、すごく子供らしい話で
(次の日まで引っ張るのはどうかと思うが)
とってもほっこりして
幸せな気分になりました!
大人、子ども、どちらにも
大人には良いと思うが、子ども向きではない、という絵本が増えている。
大人が「感動した。ぜひ子どもにも」と思った絵本を子どもに読んでみたら、相手は意味がわからないのか
ポカンとしていた……そんな苦い経験をした方も多いのではないだろうか。
もちろん絵本は子どもだけに向けたものではないし、大人が読んでも、否、大人にこそ読んでほしいとも思う。
それでもやはり「大人に向けたもの」と「子どもに向けたもの」の中には厳然とした差がある。
そんな意味で、本書は大人が読めば大人ならではの味わい方をし、子どもは子どもならではの反応を示す本
だろう。両者の反応に大きな差はあるだろうが。
子どもの想像力は無限だ。大人からするとただのグラス、でも「これは魔王のグラスなんだよ」と、声をひそめ、
目をきらきらさせて言う子どもたちが、筆者の身近にもいる。
「かあさんが とまりがけで でかけることになった。
そのひ、スタンリーは ちきゅうを はなれることにした」。
それが冒頭。さてこの冒頭で、子どもはどう反応するか。どういうこと? と身を乗り出すような気がする。
スタンリーって、宇宙人?
その後も面白い。
母親が出張で不在の間、火星人と入れ替わる……?
心細い思いをしながらも、同時にどきどきわくわくする展開なのではないだろうか。さらにその火星人は
「ては あらわない」「カセイジンは、すきなときに ねていいのだ」とやりたい放題を、スタンリーと同じく
お留守番のお父さん、お兄ちゃんに言う。なんと翌日、学校に行ってからも!!
子どもには、そんな無茶を学校で行うこと自体が、ドキドキワクワクかもしれない。
作者のサイモン・ジェームズといえば、即座に「ふしぎな ともだち」(評論社)が思い浮かぶ。
また翻訳の千葉茂樹。実は外国文学系の読み物に対し、作者というよりは、翻訳者との相性で、読みやすい・
読み辛いがはっきりとでてしまう事が多いと見聞している。
そんな中で、千葉茂樹の訳は、癖がなく、大変に読みやすい印象を持っている。本書同様、あすなろ書房から
出ている「スピニー通りの秘密の絵」なども読破してきている。
また筆者は、子どもたちの身近で本を手渡す立ち位置にいるが、「外国の人が書いた物は苦手」という子が
比較的多い中、千葉茂樹の訳のものを渡したところ、外国文学にすんなりと溶け込んでいった姿も見た。
その子どもたちは「千葉茂樹さんの訳のもの」を探しながら、様々な外国の著者のものにであっていった。
その千葉茂樹の訳。楽しんでもらいたいと思う。
お母さんの不在が寂しかったのか、それともチャンスだと思ったのか?スタンリーはダンボールの宇宙船に飛び乗って火星に行ってしまいました。そして、ダンボールの宇宙船で地球に戻ってきたのは、スタンリーにソックリの火星人。火星人は誰の言うこともききません・・・。まるで、ヨシタケシンスケさんの絵本に登場する男の子のようなスタンリー。
息をするように、自然に空想の世界を楽しんだ子供の頃を思い出させてくれる絵本です。
幼い少年スタンリーは、お母さんが留守の間、火星に行き、なんと火星人になって家に帰ってくる物語。
スタンリーは自分の意志をしっかり伝え、大人に近づこうと火星人になった!そんなスタンリーをお父さんは、きちんと火星人として接する姿が素敵。息子の少し、ほんの少しの成長を認めたいと思うお父さんは、もしかして自身の幼い頃の自分と重なる部分があったのかもしれません。
スタンリーには、これからもどんどん冒険の旅を続けて、大人になってほしいと、この絵本を読んで思いました。
きっとお母さん、お父さんもそう思っているはず!
母親が仕事で不在となり、父親と兄と留守番することになった少年が、宇宙に旅立ち火星人になりきって過ごすというイギリス人作家が描く絵本作品。
内容が身近にリアリティを感じられるが、それは作家自身の実体験によるものなのだろうか?子供の心の弱さや繊細さを改めて理解でき、作家が子供の立場に代わって、大人に対するメッセージ性を感じられる。
また、子供が読むとどんな風に感じるものなのかも、とても興味深く、観察してみたい。
ストーリーがシンプルなところが逆に多面的な深い気づきが得られる。
大人であれば、共働きをする若い夫婦の方に特に読んでもらいたい。子供であれば、小学校低学年の男の子にお薦めである。