ゆっくりおやすみ、樹の下で
高橋源一郎
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刊行日 2018/06/20 | 掲載終了日 2018/10/31
ハッシュタグ:#高橋源一郎 #NetGalleyJP
内容紹介
夏休み! 小学5年のミレイちゃんが、鎌倉の「さるすべりの館」で、バーバと犬のリング、ぬいぐるみのビーちゃんと過ごすひと夏の物語。さるすべりの館には、隠されていた遠い過去の謎があった。赤の部屋には何があるの? なぜ止まっていた時計がとつぜん動き出した? 緑の部屋にある肖像画はいったい誰? 謎をおいかけるうちに、大バーバや彼女の戦争に行った恋人ムネヒコさんのことも知る。ミレイちゃんのひと夏の冒険は4世代をつないで、赤いさるすべりの樹の下で、大事な人に出会う。やさしい柔らかな文体で、かけがえのない何かを見つける、著者が精魂をこめた物語。
「朝日小学生新聞」2017年7月1日から9月30日まで連載。著者にとってはじめての、小学生から大人まで楽しめる長篇小説。人気漫画家・今日マチ子さんの絵も90点収録!
出版社からの備考・コメント
【国際アンデルセン賞受賞作家】角野栄子さん推薦!!
おすすめコメント
小学生から大人まで楽しめる著者の新境地。文芸書コーナーだけでなく、児童書コーナーでもご展開をお願いいたします!! 書店の方だけでなく、図書館・教育関係の方にもぜひお読み頂きたい作品です。
小学生から大人まで楽しめる著者の新境地。文芸書コーナーだけでなく、児童書コーナーでもご展開をお願いいたします!! 書店の方だけでなく、図書館・教育関係の方にもぜひお読み頂きたい作品です。
販促プラン
・朝日新聞、朝日小学生新聞、朝日中高生新聞、ジュニアエラ、AERA with Kidsなど、多数の媒体で紹介予定。
・朝日新聞、朝日小学生新聞に広告掲載予定。
・平積みラック(⇒ご希望は弊社販売部まで)
・朝日新聞、朝日小学生新聞、朝日中高生新聞、ジュニアエラ、AERA with Kidsなど、多数の媒体で紹介予定。
・朝日新聞、朝日小学生新聞に広告掲載予定。
・平積みラック(⇒ご希望は弊社販売部まで)
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784022515537 |
本体価格 | ¥1,300 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
子供たちのためにとても丁寧に書かれた贈り物のような本でした。
子供たちにとっては遠い昔で身近に感じられにくい戦時中の様子も、ファンタジーの中で自然に受け入れられるのではないかと感じました。
優しく甘いだけでなく、しっかりと現実を描いていて、夏休みに高学年の子供たちにお勧めの1冊です。
ただ、主人公の心情説明など、伝えたいことを書きすぎている感じがあって、もう少し読み手の想像力を信じてもらえるといいのに、という感も受けました。
子供だけでなく、大人でも...
小学校高学年以上の子供に、是非夏休みに読んでもらいたい本だと思いました。
ミレイちゃんのバーバの家出の不思議な夏休みの体験。とてもやさしく、素敵なお話でした。
「毎日が楽しみになるような物語り」
朝日小学生新聞に掲載されていた物語が1冊になっているのですね。
最初それをわかってなくて なんで1話1話こんなに切れているのだろう
いや、子どもには良いかもしれなけれども ちょっと切れ過ぎているから
こんなの集中して物語に入っていけないわって思いましたが
そういう事情をしたあとではこれは、この物語りを沢山の人が
胸をワクワクしてまっていたに違いないと思いました。
文章は案外現代風です(笑) 特に最初の方の語りかけのところなんかは
僕がしっている絵本の世界観ではないですね(笑)
でもその方がむしろ今の時代自然で。
それがスゴく良いように感じました。
この本を購入してまだちょっとこの本を読めない年代の子供達に
一話一話寝る前に読んで上げるのもいいかも。
早く続きが知りたくて布団に入るのが早くなったりして!
大人も充分に楽しめますが、
子どもに読み聞かせするならフライングはしないで
大事に読んであげてください。
かなり好きな作品になりました!
誰にでもあった「あの頃」を思い出させてくれる1冊。
みるもの全てにわくわくし、びっくりして、嬉しくなって、
いろんな事が楽しくて、たまに悲しくなったりもした、あの頃。
そんな感情が溢れ出していた頃が誰にでもあったはず。
小学校5年生のミレイちゃんを通して、そんな懐かしいものが流れ込んできた。
瑞々しくて、温かくて、いつまでも大切に読んでいたいと思いました。
読み始めは、ぬいぐるみとお話ができて、パパやママと仲良く暮らすちょっと不思議な女の子の、少し不思議な経験を、子どもによみやすい軽めの語り口で綴られているな…という印象でした。
しかし、『館』での暮らしやバーバとの会話から、ミレイちゃんの年頃に学んでおきたい事や知っておきたい気持ちが優しく汲み取られて、とても素敵だと思いました。
お料理にもお掃除にもリズムや歌を合わせて、何でも楽しくしてしまうバーバがかっこいい!過去に関わったたくさんの人たちの笑顔を描きつづけているところも素敵です。
色々な経験を経たからこそ、大バーバの気持ちに寄り添えるようになったミレイちゃんの成長と、それを優しく見守るバーバの振る舞いは、子どもにも大人にも読んでほしいと思いました。
いい作品でした。
久しぶりに児童文学に触れました。
最初は、誰かがいちいち話しかけてくる文体に馴染めず物語に入り込むことができませんでしたが、
舞台が館での生活に入り、謎に挑む頃にはスピード感を持って読み進めることができました。
実に不思議な作風でした。
終盤、綿密な設計図が見えてきた時に感動がありました。
テーマは「大切にされること」「大切にすること」でしょうか・・・
私は家族や友人、仲間に大切にされているのだと、この本を読んで強く感じました。
その実感があれば、私もまた相手を大切にしたいと思えてきます。
しかし残念なことに、世の中には私が当たり前に受けてきた愛情を得られない子供達もいます。
この作品に触れることで、自分が大切にされること、人を大切にすることを感じ、考えるのではないでしょうか。
あとがきでありましたが、ちょうど夏休みに連載をしていたということですから
子供達も自分たちと重ねて楽しく読んだことでしょう。
(1章が短いのは新聞連載だったからですね。短い連なりは飽きずに読むことができるかも?)
小学生から中学生・・・いえ大人にこそ読んでもらいたい1冊です。
子ども時代、毎年夏休みに出掛けていた母の実家のこと、今1歳の娘のことなどを思いながら読みました。
祖母は、戦争のことを聞いても首を振るだけでなにも話してくれませんでしたが、私も過去に戻れるなら、
悲しい時代の祖母の話し相手になりたいです。
胸に静かな悲しみのかたまりが残る朝、ミレイちゃんが小さな体いっぱいに「ありがとう」を感じるところは、PC画面にぱあっと明るく柔らかい色が見えたような気がして温かい気持ちになりました。
今日マチ子さんの挿絵も素晴らしく、作品の世界観とぴったりだと思います。
ミレイちゃんと同じ年の姪にプレゼントします。
このお話の主人公の11才のミレイちゃんの視点はなんとなく「赤毛のアン」に似てる感じでキラキラしてるし、夏休みは久しくないのもあってアラサーの私にはとても眩しかったです。「夏のかけら」、「時間の香水」など素敵な表現もあって夏はやっぱり日本人にとって特別な季節だと思いました。
読み終わった後、暫くしてから、ポロポロと泣いた。 あたたかくて、優しい作品だけれど悲しくて切ない作品でもあった。
けれど、流れる涙はあたたかくて、「自分はこの涙が流れる思いを、大切にしよう」と強く思った。
この作品は、とある女の子が体験した不思議で特別な夏休みの話だ。
素敵なお友達と、語り部さんも、常に一緒だ。この子達が、これからもこの夏に体験した出来事をいつまでも心に刻んでいってほしいと心から思った。
児童書で戦争をテーマにした作品は、少なくない。 けれども、これから夏休みに入る今の子供達に、ぜひこの作品を届けたいと思った。
周囲を思いやれる優しさや、自分の事を大切にしてくれる人達が傍にいてくれる本当の意味がわかった人は大人も子供も関係なく、強いと思う。
多くの子供達に、心からの優しさや、人に何かを伝えることの意味、生きていく事のあたたかさを、作品を通して気付いて貰えたらなと思う。
勿論、大人の方にも。
当たり前の事は、何一つ当たり前ではなく、いつなくなるかわからない大切な事だらけだ。
大切な人に大切な言葉を伝えられる幸せを、改めて考えさせられた。
そして、お恥ずかしい事ですが、高橋先生の作品を今回初めて拝読しました。
初めての出会いが、この作品であったことに、心からの感謝をこめて。
そして、大好きな今日マチ子さんの表紙の素敵なイラストにとても心を奪われました。中の挿し絵もとても素敵です♪
この夏の、ベストな一冊。
「いい本を読んだなあ。読み終わるのが惜しいな」
本気で思いました。幸せな夏休みが終わるのが
残念な気持ちと似ていて。
朝日小学生新聞に連載されたこのお話、
まず表紙の美しさに惹かれ、次いで著者名を
拝見して驚きました。
高橋源一郎さんが児童文学を?
過去、一冊、高橋さんが大学でお講義をなさった
記録を、ご本として読んだだけなので、小説は
拝読しておらず…最初の一冊をいつか読もうと
思っていた私。
見事に大ヒット!と相成りました。
小学生のミレイちゃん、鎌倉のさるすべりの花が
美しい館で、バーバとひと夏を過ごすことに
なります。
そこには、美しい緑と花。かつて豪奢だった館。
寄り添うように優しい人々。
ふしぎでおだやかな空気に包まれた毎日。
開かない扉の部屋。動かないのに自分にだけ
時を刻む柱時計。
バーバに導かれて知る
だいじなだいじなことがらたち。
一度はこういうところに迷い込んでみたいと
憧れる世界が、そこにあります。
それは、幼い頃、綺麗な箱に気に入りのあれこれを
入れて、一人の時にそっと開けてみる、あの感じ。
戦争が残した、消えがたい痛みも描かれていますし
昨今の世相を映した著述にも、はっとなったり。
甘く美しいだけのお話ではありません。
それでも、最後の一行まで、全編、とても幸せ。
全ての年齢の読者にきちんと目線を合わせた、
心地よい物語でした。
そして、もう一つ良いなと感じたのは。
ケストナーやリルケなど、この本の次に
読んで欲しい名作が、印象的に作中に生かされ
出典が明記されている点。
実に印象的に、作品や作家が作中にいろいろ
出てきます。
それが少しも押し付けがましくなくて。
本を旅に例えるならば、この旅が終わった後
次の扉を開ける楽しみも、ふんだんに
散りばめられているのが、とても良くて。
「あの本に出てきた、あのお話、次は読もう。」
って、わくわくしたことありませんか?
しゃっちょこばった読書案内のリストを睨んで
いるよりも、ずっと『その次』に手を伸ばしたく
なる。読み巧者を育てるうまい道標ですね。
読んでも読まなくてもいい。
でも、良い要石は置かれている。
子供時代にはそういう
出会いが、とても大事で。
あそこで見たな…というきっかけ、
意外と覚えているものです。
ちょっとお話が逸れましたが…。
ミレイちゃんが何を見て、何を知ったのか。
夏の終わりに、スマホの電源をOFFにして
彼女の体験した愛の時間を、ぜひ
多くの方に読んで頂きたいなあ。
きっとこの夏を猛暑の記憶だけじゃなく、
忘れがたい夏に変えてくれると思います。
この本を抱きしめて、鎌倉散歩をしたら
私にもさるすべりの咲く館が、見つかるかしら。
久しぶりに、読み終わるまでに
「買おう。」
と決めてしまった本に出会いました。