大人をお休みする日

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刊行日 2025/02/14 | 掲載終了日 2025/03/17

ハッシュタグ:#大人をお休みする日 #NetGalleyJP


内容紹介

「大人」をお休みする日があっても、

それは「わたし」を生きるため。


中原中也賞受賞詩人が贈る、恋と暮らしに寄り添う第五詩集。

雑誌「mina」「婦人之友」人気連載を含む、著者最多の45篇を収録。


恋をすること/自分を愛すること

暮らしていくこと/抗うこと

女ともだちへ/選択すること

別れを選ぶこと/心を生かすために

ーーままならない日々のなかに光を見つける全8章。


「みずみずしくて、たのもしくて、ほんのり光をまとった言葉たちに、ずっと身をまかせて漂っていたくなる。

言葉のひとつひとつからふと視線をあげたとき、自分の見ている世界の鮮やかさにうっとりしてしまいます。」(上白石萌歌)


自分の機嫌は、自分でとる。

そう努めることが、

よい「大人」の秘訣でしょうか。

「自分の機嫌くらい」、ね。

ちくりと刺された心地がしてうつむく。

「自分の機嫌だから」むずかしいのに。

世話を焼く対象が外にいてくれた方が

そっと見守ることができるだろうに。

ーー「大きくなるために必要なこと 」より抜粋


ひとりの夜に思い出す。

もう交わることのない関係を、

会わなくなった人たちのことを。

雲間から、月と目を合わせるみたいに

ぽっと記憶が灯る。

そんな過去からの小さな受け取りが

わたしの心を、思わぬ角度で照らしてくれる。

ーー「冷めない夜」より抜粋


「大人」をお休みする日があっても、

それは「わたし」を生きるため。


中原中也賞受賞詩人が贈る、恋と暮らしに寄り添う第五詩集。

雑誌「mina」「婦人之友」人気連載を含む、著者最多の45篇を収録。


恋をすること/自分を愛すること

暮らしていくこと/抗うこと

女ともだちへ/選択すること

別れを選ぶこと/心を生かすために

ーーままならない日々のなかに光を見つける全8章。


「みずみずしく...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784758414753
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 152

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NetGalley会員レビュー

冬の午後、温もったも毛布に包まれるような心地。
温かなのはタイトルが放つ絶対安心感のせい。
表紙が奏でる静謐な弦のおかげ。
いつも誰かを意識してしまうわたしに
空気のように寄り添ってくれることばの連なりの仕業。

文月悠光さんが放つ言葉は
わたしたちではなくわたし
影ではなく光
子から個
~大きくなるための必要なこと~ 
~部屋は聞いている~
~朝の名前~
そして本書のために書き下ろされた
~メダル~
生活の何処かで過ぎりそうな言葉の風景が記憶に残る。

いつもの私を俯瞰してみる。日常を切り取ってみる。ふうと大きく息をする。
春の匂いがした。
もう一度、「待ち合わせ」を読んだら歩きだそうと思った。

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ぬくもりが冷めてしまわぬうちに時を止めたいのに、ボタンを押せないまま湖に沈んでいく。泥を掻き分けた感触、小さな扉、開けると一輪の花、かすかに届く明かりを頼りに。詩に触れると、不思議な世界が心の中から生まれてくる。凪になるまでおやすみ。いつまでもこのままではいられないけど、日が暮れるまででもいいから。光の当たらない月は冷たい石。読者は言葉に込められた想いを受け取って追体験する。善い詩人はその情景を言葉で紡ぐ。「ひとは満ち足りてしまうものが怖いだけではないかと」恋、自愛、抗い、別れ、選択など45篇、文月悠光。

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文月悠光さん、初めましてでした。多分、1個下の方。16歳のときに現代詩手帖賞を受賞、ほかにも中原中也賞などを受賞している詩人さん、らしい。第5詩集。やさしくて心地良い言葉に包まれる時間だった。個人的には、星の採取、春の膝、部屋は聞いている、辺りが好きだったかな。前から気になっていた作品が文月さんの作品だったということを知ったので、そちらも読んでみたい。

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『大人をお休みする日』というタイトルが気になって初めて文月さんの詩集を読みました。
わたしの中の気持ちのどこかで大人をお休みしたいと思っていたのだと思います。大人をお休みする日という言葉は「大きくなるために必要なこと」という詩の中に登場し、心に留めておきたい言葉が紡がれていました。

一番印象に残ったのは「わかるよ」という一編です。
「わかるよ」と言って欲しいのに誰も言ってくれないときは、自分で自分に「わかるよ」と私も声をかけようと思います。
大人だからこそと我慢したり、無理したり、声を上げられなくなったりと自分を偽ることもあると思います。
この詩集を読んで心がじんわりと温まるのを感じながら、たまには大人をお休みしましょう。

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久しぶりにじっくり詩集を読みました。
「大人」もお休みしたいし、「自分」も休みたい。
そんな人はきっととてもたくさんいて。
誌を読むゆとりを持てない人もたくさんいると思うけれど、
そんな人にほど、短い時間でもいいから、
一度に数篇だけでも読んだら心が少し凪ぐのでは、と感じました。

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詩を読んだのは、本当に久しぶり。時に独白のような、そして時に私小説のような。夏、冬、朝、夜。いろんな季節や時間帯の持つ揺らぎ、におい、温度感が、あぁそうそう、そんな事があったよね、そんな風景を見たよね、そんな気持ちになったよね、というように、まるで自分の記憶のように懐かしく思い起こされる不思議さ。大人をお休みする日、というタイトルに惹かれて読み始めたけれど、私もこの詩集を読みながら、大人をお休みして、若い頃の私に戻っていけた。何度も読見返して、言葉の一つ一つを味わいたい、一冊。

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恋をするときの気持ちが詰まっているとことから心を掴まれる。
私はその経験したことがないのに、さもその心境にある自分のように切ない。
忙しい時間の中、自分を認めて、ふとこの詩の許す言葉を思い出そう。
日常の中、ありふれた風景もとてもかけがえのないもの。
読みだして私の体験なのかなと思われた雰囲気も、
だんだん著者の心情を分かって理解してあげたい友人や家族のような応援感に代わる。
とても読みごたえがあって、さっぱりとして心揺さぶられる詩集でした。

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凪のように優しい文章なのに深く芯まで沁み入る。
とことん泣くために言葉を摂取するか元気なときに読んで慈しむか。立ち向かうためのエネルギーをもらうか。読解に正解なんて無いと思うけれど、個人としては大切な人を失ったときに読むと堪えるものがあるだろうなと思いました。
「あなた」「夜の海へ」が好みでした。

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