オール電化・雨月物語
青柳碧人
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刊行日 2025/03/13 | 掲載終了日 2025/03/10
ハッシュタグ:#オール電化雨月物語 #NetGalleyJP
内容紹介
「白峯」「菊花の約」などで知られる上田秋成の古典「雨月物語」を下敷きにし、近未来を舞台に人間の業と怪異と家電(?)を描いた不思議で恐ろしい九つの短編集。
・大企業「シラミネ」の経営者はデジタル遺影を片手に亡き祖母の思い出を語りはじめ……(「シラミネ」)
・オンライン空間「Kikka」の中で出会ったアカナと共に、ゲームの世界大会を目指す祐介だったが……(「キッカの契り」)
・縁談の場で、正太郎は義父から古めかしい炊飯器を渡される。その炊飯器には曰くがあるようで……(「キビツの釜」)
おすすめコメント
雨月物語×最新家電=新感覚ホラー!?
古典「雨月物語」をベースにしつつ、人間の業と怪異と家電(?)を描いた短編集。
雨月物語×最新家電=新感覚ホラー!?
古典「雨月物語」をベースにしつつ、人間の業と怪異と家電(?)を描いた短編集。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784569858821 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 336 |
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NetGalley会員レビュー
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いつもの青柳さんの名調子です。軽妙で読みやすくて短くて。
ただ、今回は下敷きにしているのが「雨月物語」なので、本歌取りのおもしろさを感じるのが難しかった点が残念。
冒頭に原文の引用がありますが、せめて現代語訳まで引用していただいたほうが良かったように思います。
シンプルな短編として読むと、もちろん私個人の率直な感想としてですが、凡庸です。
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「むかしむかしあるところに〜」「赤ずきん〜」の青柳碧人さんの新感覚ホラー、読まずにはいられません。
最新家電との結び付きに、未来への進化の畏れを感じます。
探りながら読み進めるも、思わず加速する結末への普通と違うであろうと期待する結末。人々の会話や、繋がりは今の延長線上のようでいても、読了後苛まれる不穏な騒めきは、新たなホラーの幕開けだった。
9つの短編集、斬新な魅力に溢れていました。
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古典「雨月物語」を下敷きに、近未来の最新電化製品が狂いゆく人の心に寄生し、恐ろしい世界を創り出す、9つのホラー短編集。
読者視点では俗に言うイヤミス。でも登場人物からするとそう悪くはないのかもしれない。とても不思議な感覚のホラー。
デジタル遺影、遠隔手術、VRゲーム、炊飯器など、最新の家電が人の心に寄り添い、蝕んでいく。恐ろしい状況にあっても何故か高揚してしまうような、家電に踊らされていく過程が面白くも薄気味悪く、そんな焦れを楽しめる作品。
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軽やかで読みやすい文章が紡いでくれるのは、新しい技術がぎゅっと詰まった近未来が舞台になっている奇妙な怖い話。
最新の家電から感じる未来の息吹きはとても興味深くて新鮮な面白さに溢れてます。それと張り合うかのように、本当に怖いのは化物でも怪奇現象でもなく、ほの暗く我が道をつきすすむ、途方もない人間の欲望なんじゃないかと思わせる展開の多様さ!
怖いだけじゃないんだけど、出来れば今夜は夜中に目覚めることがなければいいなぁ、と願ってしまう。
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古典怪異小説「雨月物語」を現代にアレンジした短編集。
原典「雨月物語」の各編を現代風にしている中で、登場するのがVRアバターや全自動掃除機(ル〇バ?)、冷却スーツなどと現代技術の粋なのがなんともコミカルに感じられる。しかしながら原典各編のテーマを見事に落とし込んでおり、結果嘘ら寒い結末に陥るのが見事というほかない。そしてそれは、夜の闇が少なくなったともされる現代でもやはり、闇を恐れる気持ち、怪異に惹かれてしまう気持ちは残っていることの顕れなのだろう。
単純な怖さだけでなく、切なさや不思議さまで漂う短編集。
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それぞれ個性の違う短編で、
バラエティに飛んだ内容でした。
ミステリーあり、
ホラーあり、
そして感動、さらにはどんでん返し…
過去と未来を上手く融合して、
おどろおどろしさを感じさせながら
SFの世界にも連れて行ってもらえます。
最初から最後までドキドキ、ワクワク…
作品ごとに好みは分かれるかもしれませんが
きっとお気に入りの物語が見つかるはず!
ありがとうございました。
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上田秋声の雨月物語各章の一部分を扉にすえ、確かにそれと相似する物語が展開される。しかしながらそれは現在ではなくもう少し未来に足を踏み入れたオール電化の時代である。AIを駆使し、無人化を成し遂げた社会での怪奇譚である。逆にいうとそれ以上の未来ではなく私たちが現在でも手の届きそうな科学の近未来の中での人間模様といっても良さそうである。それゆえにそれぞれがもがく怪奇な世界でも価値観そのものは新しくはない。学生は受験に悩み、会社員は出世に勤しむ。男と女もそれぞれの地位とより良い生活への葛藤を模索しながら幸せがどこにあるのかを見失うことも少なくない。そうした人間を書き表すには雨月物語は様々な生活を拾う絶好の素材であり、時代を俯瞰する力のある作家にかかればこんな面白い物語として蘇る。怪奇とは人間と人間の気持ちの惹き合いや齟齬の中に生まれる偶然であることは時代を経ても変わらないものなのかもしれない。そう思ったらもう一度雨月物語を読み返してみたくなった。
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現代よりも少し先の未来のお話かな。
科学は進化すれども人は全然相変わらず。
ヒトコワのお話だと思うけど、尻切れトンボのように感じてしまうお話も何個かありました。
「あのお話は実はこんな結末だったんだ!」みたいに、1つのお話の結末が別のお話で明らかになるような遊び心があったら良かったなぁと思いました。
個人的にはヒンプク論が一番好きです。
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「雨月物語」と最新家電の見事な融合!まさに令和版の雨月物語だ。
一話ごとにベースとなっている雨月物語の現代語訳を読みながら本編を読んでみた。人間の業と奇怪な物語として雨月物語は今読んでも面白い。
それをベースにするというというのはなんというハードルの上げ方だろうか。そのハードルを軽々と超え最新家電が登場し、この話をベースにこう来るか!と読んでいて楽しかった。
雨月物語のなかでも一番好きなのは「菊花の約」だが、この話をベースにした「キッカの契り」での胸が締め付けられるようなラストもとても良かった。
この作品で雨月物語に興味を持ったらそちらもぜひ読んでほしいです。
二重に楽しめる贅沢な時間を味わえると思えると思います。
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雨月物語の原典があやふやで
今ひとつピンとこないものもあったけど
現代ならでの怪談は元の話とは全くちがうシチュエーションになっていて、確かに怖い。
怖いと感じるポイントも古の人とは異なってきているのだろう。
闇なき現代社会では暗がりよりも中身が見えない家電に闇を見るのかも。
雨月物語を再読したい。