マイ・グレート・ファーザー
平岡陽明
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刊行日 2025/02/19 | 掲載終了日 未設定
ハッシュタグ:#マイグレートファーザー #NetGalleyJP
内容紹介
1993年、夏--
46歳の私は、46歳の父と親友になった
時岡直志はある日、カメラマン廃業を決意する。
かつて売れっ子だった直志に今やほとんど仕事はなくなってしまっている。妻には先立たれ、一人息子は数カ月前からひきこもりになってしまった。
もはやカメラで食べていくことはできないと観念し、アルバイトのゴミ収集を本業にするしかないと感じていた。
これが最後の仕事と腹を決め、伊東へ出張した直志だったが、偶然訪れた競輪場で決して会うはずのない人物と出会う。
それは、30年前に借金苦の末に自動車事故で死んでしまった父だった--。
初めは他人の空似を疑う直志だったが、徐々に自分が1993年にタイムスリップしてしまったことに気づいてしまう。
しかもそれは父が死ぬ2日前で……。
おすすめコメント
既に「グーっと目頭が熱くなる」「いつまでも浸っていたいと思わせる心地良さ」「読後感が素晴らしい」との声が寄せられています。
最近多い「生きづらさ」を軸とした小説とは一線を画すファンタジーだがド直球の「泣ける大人の寓話」を是非ともご堪能ください。
既に「グーっと目頭が熱くなる」「いつまでも浸っていたいと思わせる心地良さ」「読後感が素晴らしい」との声が寄せられています。
最近多い「生きづらさ」を軸とした小説とは一線を画すファンタジーだがド直球の「泣ける大人の寓話」を是非ともご堪能ください。
販促プラン
皆さまのご感想を店頭のPOPなどに活用させていただいて盛り上げていきたいと思っています。
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784163919461 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
ページ数 | 208 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
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ずっとしばらく不可思議だった。読んでも読んでもタイトルと内容が交錯しない。
カメラマンとして食べて行くことができなくなり、借金で首が回らなくなりそうな男の夢想なのか
8年前に病死した妻への哀惜なのか
「疲れた」とひと言、高校へ行かず引き籠っている息子への悔恨なのか
実父への遺恨か
~このまま流されるようにカメラを置いてしまっていいのだろうか~
~いったい自分はどこで間違ってしまったか~
過去形の文章ばかりが目に残る。
だがしかし、これらはほんの序章に過ぎなかった。
物語後半で私は知る。
これでもかこれでもかと押し寄せる感情の昂り。
息を呑む展開。起こすかバタフライ・エフェクト。
タイムスリップ、ファンタジー。
そのどちらとも似て非なる壮大な家族と人の物語であった。
~時岡さんの中古車引き取りには、いつも端数の5千円がついているんですね~
なんでもなさそうに入り込む1行に、人となりがうかがえる。
いい奴じゃんか、と泣かせる。
~賽銭を1万円奮発してくれたからよ。地獄の沙汰もカネ次第ってやつだ~
粋な演出に、お前はそういう奴だったか!と感嘆。
「お背中流しましょうか」風呂に入る場面の会話が哀しくて愛おしい。
洗い流せたらよかったのに。あのとき、裸の付き合いができてお互いの距離を縮められたらよかったのに。
その教示をいまを生きている私たちは受け止めなければいけない。
途上人物の生い立ちや成育歴から勘ぐれば、親ガチャや毒親のストーリー展開さえ想起させる。
周囲に刷り込まれた思惑と先入観を引き摺って生きてきた。違う?
自らが歩みより、言葉を交わし時間を共有するなかで得た。真実。
~生きろよ。生きろって言ったんだよ。家族のためって言うなら、どんなに惨めでもいいから生き延びる道を探れよ。
それが父親ってもんだろ~
タイトルへの見事な帰結。読み処の要所がそこここにある。読み応え保証付き。