やなやつ改造計画
吉野万理子
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刊行日 2025/01/16 | 掲載終了日 未設定
ハッシュタグ:#やなやつ改造計画 #NetGalleyJP
内容紹介
きままな男子中学生の光也は、生徒会長に立候補することを決意する。
選挙を勝ち抜くために、まず仲間と「リーダー」の研究をはじめた。
リーダーは、「いいやつ」という印象が必要だが、
では、「いいやつ」とはどんなやつで、「やなやつ」とはどんなやつなのか。
ソクラテスによると善く生きるとは「教養を身につけて魂をみがくこと」
友だちのヤナギがいう「よし、光也、魂をみがくんだ。そうすればきっといい人になれる」
「これから『やなやつ改造計画』を始動させよう」
はたして光也は、「いいやつ」になれるのか。
中学校の生徒会長選挙を通して、「いいやつ」と「やなやつ」を仲間と共に考えていく爽やかな青春小説。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784751532263 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
ページ数 | 264 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
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人を惹きつける生き方を
物語で楽しく学べてしまう一冊。
爽やかな青春の香り立ち込める
ストーリーでしたよ。
主人公は思いつきのようなノリで
生徒会長を目指すことになった少年です。
自己評価はとてもいいのに
友人たちの見方は辛辣という残念な彼が
人に喜ばれる振舞いを模索する中で
新しい自分に目覚めていきます。
二物も三物も持っていそうな子や
クールに周囲を眺めるご意見番など
あ~、中学にこんなやついたな~って
ウンウン頷きたくなる瞬間がしばしば。
お調子者で欠点だらけの主人公も面白く
口元が綻びまくりでしたよ。
選挙応援といいつつ実は楽しんでそうな
友人たちとの作戦会議にもニンマリ。
それぞれの意外な一面が
垣間見える展開からは
簡単に人をわかったつもりには
なれないと思い知らされました。
ごちゃ混ぜの個性が作り出す
フレーバーはすこぶる美味。
登場する議員さんの言葉や振舞いにも
人生のコンパスになりそうなものが
満載でしたよ。
やなやつ偏差値58といわれる少年は
はどうやって認められるのか?
道に悩んだときどう進んだらいい?
上手な感謝の伝え方とは?
こんな問いに少しでも惹かれたら
すぐチェック!
みんなに「いい人」と呼ばれる少女の
はずむスクールライフにも注目ですよ~。
(対象年齢は11歳以上かな?)
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「やなやつ」と友達からも認定されている光也。
親戚の集まりで、市議会議員を務める叔父に「政治家にならないか」とおだてられ、生徒会長に立候補してみようかという気になる。
生徒会長になるには、「やなやつ」から「いいやつ」にならなくてはいけない。
生徒会長なんて、人気のあるやつがなるものだから。
生徒会選挙までの奮闘が前半で、その後、「やなやつ」を隠し通せるか、「いいやつ」でいられ続けるか、というのが後半。
光也は、「やなやつ」といわれながら、友だちはいるし、素直だし、わりといい奴なんじゃないかと思った。
性格って、本人の資質もそうだけど、周りの人や環境に影響もされるから、一緒に過ごす人たちによって、性格が丸くなったりもするんだろうなと思う。
人は、いろんな側面があるから、単純に、「いい人」、「悪い人」ときっぱり分けられないよね、というのが、いろんなエピソードにちりばめられていた。
全てのキャラクターが立っていて、とても面白く読んだ。
章が細かく区切られていて読みやすいと思ったら、朝日中高生新聞に連載されていた作品だったらしい。
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あることがきっかけで生徒会長に立候補することを決めた中学二年の光也。
ヤナギとモリリに声をかけて協力を仰ぐと、2人の遠慮ない自分の印象を聞き
選挙対策を始めますが、テンポ良い会話に笑えるシーンが続出でした!
選挙までの道のりだけでなく、その後、立候補した2人の姿も記され
まわりの印象だけではわからない、人の奥深さを感じました。
「人望選手権」、「やなやつ偏差値」のくだり、そして政治家の伯父さんのアドバイスも含めて
自分自身はどうなのだろうと振り返るきっかけにもなる1冊でしょう。
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やなやつ偏差値高い=いいひと偏差値低いわけでもない、
…とは思いつつ、最初頃のの主人公はわりとホントにやなやつで。
でも、ムッとしながらも周りの声を聞けるのって大事。
耳が痛い指摘があった人もいそうだなと思いつつ、
(黒い雲出す人、周りに大人でもいますからね)
さすがは中学生、可変域が広くていいですね。
やなやつ偏差値が少し下がるといいやつ面が見えやすくなるのかも?
連載も読んでいましたが大幅加筆修正されていたので、
だいぶ印象が変わった気がします。
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生徒会長に立候補することにした光也。当選するために、友人たちと戦略を練ったり、叔父さんや、その知り合いの政治家の話を聞いたりします。生徒会長として必要な資質とは何か。盗撮事件や、迷い猫、SNSでの中傷などの問題とも向き合いながら成長する主人公を通して、人間のいろいろな側面に気づかされたり、政治についても少し考えるきっかけになるのではないかと思いました。
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『いい人ランキング』も大人気ですが、こちらも人気になりそうな予感。
誰にでもいい所はあるとよく耳にしますが、この本を読むとそうかも知れないと思えてきます。
モリリの哲学者の名言や、政治家の言葉など、心に響く言葉がたくさんありました。
性格が悪くても周りに助けてくれる人がいる。つまりさそこまで性格が悪くないのか!?やっぱりいいも悪いも紙一重というか相手の捉え方次第なのかな。
自分の性格に悩むお年頃の子どもたちにぴったりです。
「心に絆創膏を…」みたいなかわいらしい2人のゆるやかな関係性も良かったです。
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友人たちから「やなやつ」認定されている中学生の光也。ひょんな事から生徒会長の立候補を決め、「いいやつ」目指してブラッシュアップしていく、ドタバタ青春物語。
いいやつ、やなやつ、の定義は何なのか?必ず人はどちらかに分類されるものなのか?中学生らしいまだ初々しい素直さと、知り始めた悪意が混ざった思考がとても面白かった。
朗らかに毒を吐くモリリや、性格分析官、ホンモノのいいひとなど、周りを強いキャラに固められながらも存在感を放つ光也のなんとも言えない絶妙な立ち位置もまた良かった。
一つの出来事だけで人を決め付けるのではなく、全体をしっかりと見通す視野を培う事の大切さを訓えてくれる作品。
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最初は伯父さんに言われてなんとなく…だったのが、生徒会長に立候補することへ真剣に向き合うようになっていく光也。
当選するために仲間と始めた“いいやつ”の研究も、自分=やなやつを改造することから、周りの人間を観察しながら関わっていくなかで人は“ひとつの面”だけではないのを実感して、己れを省みつつ足りてない部分も含めて認める感じにシフトしていくのが読んでいて興味深かったです。
物語も生徒会長選挙だけで終わるのではなく、ちゃんと“その後”も語られ、光也がゆっくり成長する姿にハラハラしたりドキドキしたりムズムズしたり…、読んでいるこちらまで豊かな感情の変化を楽しめました。
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世の中に「やなやつ」と「いい人」の分類しかなかったら、自分はどちらだと思うだろう。かなり難しい問いである。物語の主人公、中学二年生の京座木光也は市議会議員である伯父の勧めもあり、中三になったら生徒会長に立候補することにした。しかし同じ写真動画部で友人のヤナギに言わせると、光也はすぐにイライラして、頑固で、人の悪口をいう、つまり「やなやつ」だからとても生徒会長には選ばれない、という。そこで幼馴染のモリリこと森莉乃とヤナギ、そして光也の三人で「選挙対策委員会」を作り、光也を「やなやつ」から「いい人」に改造する計画がたてられていく。このあたり、光也がどうやって「いい人」になっていくのか、非常に興味がわき、わくわくした。また、いい人ってどういう人のことを言うんだろう、と思ったとき「性格分析官」の小笠亜紀が登場し「いい人」の定義をする。思わず、そうだよなぁ、そういう性格の人だったら「いい人」って言われるんだろうなぁ、と思うと、今度はその「いい人」の代表、秋山葵が登場する。「やなやつ」「いい人」を軸にユニークな人間が登場し、後半では大人の「やなやつ」も現れる。けれど大人の場合、「やなやつ」が表面化しないように最初は「いい人」でふるまうあたり、または、本当は「いい人」なんだけど「やなやつ」に仕立て上げられている場合もあり、子どもと違って大人の方がもっと複雑だな、と思ってしまう。さて、光也は生徒会長に選ばれるのか。恋愛あり、友情あり、嫉妬あり、のハラハラどきどきの展開だが、非常に読みやすく、楽しめる。最後に、最初の問いの答え。結局、「やなやつ」「いい人」の分類でどちらかに所属するのは自分では無理。いっそ、誰かに聞いてみたいものだ。ただ言えるのは、「やなやつ」が「いい人」に変わる過程は本当の「自分」を知り「自分らしく」なっていく、ことのように思う。だったら「やなやつ」でもいいのかな(笑)。(完)