
アンソロジーたまご
阿川佐和子/阿川弘之/阿刀田高/池波志乃/池波正太郎/石井好子/伊藤比呂美/荻昌弘/角田光代/片岡義男/河野裕子/窪島誠一郎/源氏鷄太/小泉武夫/佐藤愛子/椎名誠/高橋克彦/高橋義孝/高山なおみ/武田百合子/田中小実昌/檀一雄/筒井ともみ/土岐雄三/永井龍男/野中柊/林望/東理夫/平松洋子/増田れい子/水野正夫/向田邦子/村上春樹/村松友視/森茉莉/吉本隆明/四方田犬彦
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刊行日 2025/03/07 | 掲載終了日 2025/03/06
ハッシュタグ:#アンソロジーたまご #NetGalleyJP
内容紹介
◆37人の小説家、随筆家のエッセイによる「たまごの饗宴」◆
日本人なら誰もが名を知る小説家、随筆家による、「たまご」にまつわるエッセイを集めたアンソロジー。もっとも身近でなじみ深い食材・たまご。たまごかけごはん、たまご焼き、目玉焼き、オムレツ、オムライス…幼い頃に食べた思い出の味、今なお好きな大切なひと皿、37名のエッセイをお腹いっぱいどうぞ。
◆37人の小説家、随筆家のエッセイによる「たまごの饗宴」◆
日本人なら誰もが名を知る小説家、随筆家による、「たまご」にまつわるエッセイを集めたアンソロジー。もっとも身近でなじみ深い食材・たまご。たまごかけごはん、たまご焼き、目玉焼き、オムレツ、オムライス…幼い頃に食べた思い出の味、今なお好きな大切なひと皿、37名のエッセイをお腹いっぱいどうぞ。
おすすめコメント
日本を代表する作家・随筆家たち37名による「たまご」についてのエッセイが大集合! 編者は向田邦子さん、赤塚不二夫さん、佐野洋子のエッセイのほか、数多くのエッセイアンソロジーを手がけているベテラン編集者・go passionの杉田淳子さん(https://gopassion.org/)。バラエティ豊かなセレクトは、読んでいてワクワクしっぱなし、たまご料理が食べたくなること間違いなしです! 別丁で間に挟み込まれたたまごのイメージ写真は、写真集『未来ちゃん』でおなじみの木村伊兵衛写真賞受賞の写真家・川島小鳥さん。神奈川県逗子在住の料理家・山田奈美さん宅で放し飼いにされている元気なにわとりと、産みたてたまごの写真も必見です。装丁は、2024年ノーベル文学賞受賞の『すべての、白いものたちの』(ハン・ガン著)を手がけた佐々木暁さん。
販促プラン
書店様初回指定:一次締切1月23日/最終締切2月14日
書店様初回指定:一次締切1月23日/最終締切2月14日
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784391163674 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 208 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー

三十七人もの作家が「たまご」というテーマでどんな話を繰り広げるのかが気になってリクエストしました。アンソロジーは作家との出会いの場にもなります。私が驚いたのは、この『アンソロジーたまご』は年配の作家が多いことです。年配という言い方は正しくないかもしれませんが、十代の私にとって卵がかつて貴重なものだったこと、戦争時の卵の扱われ方など初めて知ることも多く、時代によってたまごに対する印象は変わるなと思いました。また卵、玉子、たまご、タマゴと人によって表記がばらばらで、それぞれのたまごへの接し方が垣間見えて楽しかったです。合間に挟まる写真がまた良いアクセントになっていて、私は最後の方にあった習字の写真が気に入っています。たまごにまつわるエッセイだけでなく、レシピをがっつり書いている人もいるので、料理に興味がある人におすすめしたいです。食欲が湧いてくるので、夜に読むには危険な素敵な一冊でした。

日本人に一番身近で、頻繁な食べ物だと思う「たまご」。
本作に登場するのは、たまごかけご飯、オムレツ、ゆで卵、茶碗蒸し、オムライスなど様々なメニューが登場します。
たまごに馳せる思いはそれぞれですが、高橋克彦さんの「究極の玉子焼き」が意外すぎて強烈な印象が残りました。
玉子魔人と自ら名乗った著者は、1日に4~5個のたまごを食べ続けたと言う。
その魔人のもとにテレビ局から玉子焼きの企画が持ち上がり、今まで抱いていた野望が実行されることになりました。
その野望は2つあり、1つは「ウズラの玉子を使った玉子焼き」、もう1つは「ウコッケイの玉子焼き」。
前者は玉子の量がとんでもなく、後者は高級であることからなかなかその時が来なかったが、
2つの料理を目の前にした著者はどのような感想を述べるか。
そのおいしさは本書を読む私に、光線のように伝わり、キッチンに向かわせました。

37名の「たまご」にまつわるエッセイ、大満足でした!
どの作品もブンブン頷けるたまご愛に満ちた日常で、とにかく一番美味しい自分だけのたまご料理を極めようと邁進する姿は、作家であれ、私達であれ、一緒なんだなぁ〜と微笑ましい。
大好きなたまご料理を用意して読む事を、強くお勧めます!空腹は厳禁です。

主役である。彼の存在なしに日本を語ることはできない。
半面、名バイプレーヤーとしてもいい仕事をする。
思い出話が尽きない。好きや苦手、拒否も含め、誰もが一過言を持っている。
白米が合う。酒も合う。麺にも合う。
正月がいい。花見にもいい。遠足には欠かせない。風邪をひくと欲しくなる。
たまご タマゴ 卵 玉子。
37人の「俺に言わせろ」たちのたまご推し。
平松洋子さんの茶碗蒸し、妻不在時の椎名誠さんの男の冷蔵庫と自分の食指とのせめぎ合い
田中小実昌のコレステロールとの確執、高山なおみさんの兄の煮卵、
やばいやばい。食スイッチがピコンピコン鳴り続ける。
最後は本らしく。
「いい仕事には時間が降り積もっているのである」と高橋義孝さん。
ごちそうさまでした。

おいしそうなエッセイだと思い、読み進めました。
卵かけご飯、目玉焼き、オムレツ、茶碗蒸し、卵サンド……。読んでいる間中、よだれが止まりませんでした。
浅草のお店が何度か登場しましたが、浅草にはそんなに卵料理のうまい店があるのでしょうか。気になりました。
随所に、卵の写真が挟まれていて、想像に刺激を与えてくれます。

一番身近な食材の卵。ずっと物価の優等生と言われ値段も変わっていないそうだ。それでも卵の外の世界は劇的に変わっている。貨幣価値は変動しているので以前の20円(今の値段)は随分と高かったのだろう。でも卵はいつも庶民の食卓にあったしその調理方法も変わらないと言っても過言ではないだろう。亡くなった人から現在活躍している人まで卵をめぐる体験は、あるときには微笑ましく、あるときには切なく、誰もが経験しているものと重なって共感を呼ぶ。わたしも私の「卵の物語」を書いてみたいと思ったのも卵の力のなせる技かもしれない。
この珠玉の作品群の中で最も心に残ったのは向田邦子さんの作品だ。愛の本当の意味を感じさせてくれる二つの出来事は映画の一場面のように忘れることができない。
素敵な作品をありがとうございました。

たまご、タマゴ、卵、玉子、EGG・・・全編玉子尽くしのアンソロジー。読み終えた後は、きっとたまごが食べたくなること間違いなし。古今東西の著者が語るたまごに関するエッセーや物語から紡ぎ出されるたまご愛。たまごって、こんなに人それぞれの人生や生活に深く根差しているなだなと改めて愛おしくなりました。次回は、お餅のアンソロジーを期待しています。

もしこの世界から「たまご」が消えたなら、どれだけの料理が失われてしまうのか。私たちを支えてくれている、卵、玉子、たまご、愛されている。その形の自然美。まん丸ではなく楕円形で転がりにくく割れにくい。ぱかっとひらくとつるんとした白み、ぷっくりとした黄みが姿を見せる。ノスタルジーなエピソードも多く、土岐雄三さんの「わがオムレツ」が好み。生卵、半熟玉子、日本では安心して食べられる幸せ。たまごかけごはん、深いな。寒い夜の茶碗蒸し、忘れられないな。あんこまパン、新発見。ぷるんとしたゆでたまご、枝垂れ桜の下で頬張ろう。

向田邦子さんはやはり秀逸だなと改めて思いました。玉石混交感がありました。
以前お弁当に関するエッセイ集を読んだのですが、ちょっとそれに似た感じがしました。
差し込まれている卵料理の写真は効果的だったと思います。

奥多摩に「卵道(ランウェイ)」という店がある。
だし巻き卵の専門店という珍しさが受け、テレビではお馴染みの店。ただあまりに遠いので行ったことはない。卵と出汁にこだわり、提供するのはだし巻き卵をメインとする定食とプリンのみ。最近は立川の駅ナカに出店を出したらしい。これってかなりもったいない戦略。僻地にある不便なこだわりの店というのが有り難みだったのに、駅ナカに入ってしまうと途端に有り難みが減ってしまう。でも食べやすくなったことは有難いし、店としても商売が広がったのは有難いところであろう。
子供の頃、正月になる前に卵焼き、それもちょっと大きめで美味しい卵焼きを買うのが習慣だった。浅草に住んでいたので、吉原の方にある老舗の卵焼き店でいつも買っていた。
寿司屋の卵焼きは、海老そぼろが入っているちょっと甘めのものが好き。しかしうちが買っていたのは昔ながらの無骨な下町の卵焼き。それが美味かった。子供の頃の記憶なのではっきりしないが、確か工場みたいなところで、店頭で販売のみ、食べる所はなかった。まだあるのか、今度確かめに行ってみたいと思う。確か昔の東映の映画館の横、寿司屋の多い通りを抜けてしばらく商店街を行った所。
このアンソロジーを編んでいる編集プロダクションは、ほかにもカレーライス、餃子、そば、ラーメン、おやつ、ビール、ごはん、お肉、弁当など、美味しそうなアンソロジーを生み出しているようだ。
この本も、「たまご」をテーマにさまざまなエッセーを集めている。たまごは、生のままでご飯にのせてもいいし、ミルクセーキにもいい。お湯でゆでたまごに、目玉焼きにオムレツ、ポーチドエッグにスクランブルエッグ、炒りたまごなんてのもある。読んでいるととにかく食べたくなってしまう。店にも行きたいが、とりあえずはなんとかして自分で作りたくなってしまう。
「たまご」さまの魅力を120パーセント引き出した好著、しかも中に挟まれる「たまご」の写真もまたいい。たまごの魅力全開、たまごラブの一冊だ。

「食物とは記憶である」
37名の文筆家によるたまごにまつわるエッセイアンソロジー。
日本は卵の年間消費量が世界第二位だという。
昔は贅沢品であった卵が物価の優等生といわれるまでになりそしてまた贅沢品になりつつあるところにこのエッセイ集。
向田邦子や武田百合子などエッセイのお手本のような一編。

庶民の味方『たまご』。最近はちょっと購入を躊躇う位に高くなってしまった。そんな私でもこの本を読むと食べたくなってしまう卵料理の数々。たまごへのこだわりや、たまごに纏わる思い出などなど。身近なたまごだからこそエピソードも多種多様。シンプルこそ難しい代表のたまご料理。私の思い出たまご料理はやはり母の味。カレー味の挽肉のオムレツやパンプディングである。TKGの食べ方や目玉焼きに何かける論争など『たまご』だけで何時間も話せる、こんな食材はそうあるもんじゃない。

37人の日本を代表する作家が描く、日本の食卓に馴染み深い「たまご」にまつわるエッセイを集めたアンソロジー。
大好きな「たまご」語りから、レシピ的なもの、幼少期の思い出、特に家庭の味としての「たまご」料理への想いが印象的だった。
阿川佐和子さんのちょっと甘酸っぱい「たまご」の思い出が微笑ましくて好き。
村上春樹さんはこれぞ!という村上節があの短い中に出てくるのが流石と思った。
窪島誠一郎さんの「ウエノ詣で」には時代を感じて、これもまた微笑ましかった。
さらっと読みやすいアンソロジーだが、「たまご」と日本人の結び付きを深く考えさせられる重厚感があった。

たまごに関しての、それぞれの想い。
読み進むうちに、自分にとってもたまごは特別なものであるかのような気持ちが深まっていく。
たまごは特別な栄養源だった時代のことを書いている著者が多いことにも驚く。
1つのたまごを2人で分け合って食べたり、体力が落ちたとき、療養中の栄養摂取として
たまごを食べたり。そんな風景も、いろいろな筆にかかり多角的に浮かび上がる。
多くの著者による贅沢なこの本。すでに亡くなっている著者の声もまたたまごを
通してよみがえるのがこれまた贅沢である。