二十四五

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刊行日 2025/01/14 | 掲載終了日 2025/01/14

ハッシュタグ:#二十四五 #NetGalleyJP


内容紹介

// ロングセラー『旅する練習』の著者がはなつ待望の新作!//

*第172回 芥川賞候補作*
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大事な人が、かつてここにいた

確かなしるしを何度でも辿る──

喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。
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「これは、叔母がどんなに私を思ってくれていたかということを、その死後も巧妙なやり方で繰り返しほのめかされ時には泣かされたところでぴんぴんしている、根深い恨みである。」

実家を出て二年、作家になった二十四五の私は弟の結婚式に参列するため、仙台に向かっている。
五年前に亡くなった叔母の痕跡を求めて、往復する時間の先にあるものとは。
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著者/乗代雄介(のりしろ・ゆうすけ)
1986年北海道生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。2015年「十七八より」で第58回群像新人文学賞を受賞し、デビュー。2018年『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞、2021年『旅する練習』で第34回三島由紀夫賞、2022年同作で第37回坪田譲治文学賞、2023年『それは誠』で第40回織田作之助賞、2024年同作で第74回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。そのほかの著書に『最高の任務』『皆のあらばしり』『パパイヤ・ママイヤ』などがある。

// ロングセラー『旅する練習』の著者がはなつ待望の新作!//

*第172回 芥川賞候補作*
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大事な人が、かつてここにいた

確かなしるしを何度でも辿る──

喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。
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「これは、叔母がどんなに私を思ってくれていたかということを、その死後も巧妙なやり...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
ご理解のほど、宜しくお願いいたします。

○お名前・所属などに詳細な記載がなく、プロフィールにてお人柄が伺えない方
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※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。

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販促プラン


読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。

※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 書籍営業部>まで直接お問合せをお願いいたします。

★★


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★★★
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出版情報

ISBN 9784065383285
本体価格 ¥1,500 (JPY)
ページ数 112

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NetGalley会員レビュー

仙台で開かれる弟の結婚式に参加した景子の3日間が綴られている。家族と話していても、弟の結婚相手の家族との食事会でも、結婚式の最中でも、景子が思い出し、考えてしまうのは亡くなった叔母のこと…。という内容だった。
叔母と景子との間に何があったのか、どのような関係だったのか、具体的なエピソードなどはあまり語られないが、景子にとってどれほど大切だったのか、その死によって、どれほどの痛みを感じているのかが伝わってくる。最後の偶然出会った大学生との会話もよかった。

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読みおえた。日曜早朝。空が白みはじめた。新雪だ。なんと今日にふさわしい物語なのだろう。
足跡が、残る。
音が、ない。
新幹線が仙台駅に到着するや「青葉城恋歌」が流れ
市内を見下ろす伊達家の墓所から市内を見下ろせば、何百ものカラスが一斉に鳴き騒ぎ
弟の結婚式に参列するための来仙だから、お嫁さんは弟の幼馴染だから、
だれもかれもなんでも知っててあの頃話が続く続く。
それなのに、閑か。
光はゆっくり弱い。キラキラではない。
鹿が長く鳴いて映像が終わる。ケーンとは鳴かない。
華やか、がない。
2年ぶりの家族との対面、仙台駅前の結婚式場、わたしの職業は作家。
色彩が、ある。
5時を過ぎると、青灰色に染まった空の方が白く浮き始めていた。
青空は目を刺すようだ。 
なんか。好きなんだよね。その言葉がしっくりくる。
それらの何処にもどんな時間にも感じる、叔母の跡。
叔母は2年前に亡くなった。
ふと「ともだちになるために」の歌が耳をよぎる。卒業式でよく歌われるあの歌。
私は94ページの会話がとても好きで何度も其処に戻っていた。

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きっとあの少女のその後が書かれているだろうと思われるタイトルに、つい引き寄せられて読みました。「十七八より」の時は本当に難解で、読むのに苦労しましたが、今回はその時より読みやすく感じました、冒頭で私も最近夢中になって読んだ「違国日記」が登場して、就活中の女子大生に共感したからか、著者の作品を何作か拝読して、文体やその世界観に慣れて来たのか、主人公が大人になって少しだけ世間に歩み寄って来たからなのか。亡くなった叔母の存在が、景子の真ん中にあることが印象的です。そしてそのことを弟や、両親も分かっているような。けれど、景子には受け取ったものを誰かに渡す番が来ていることが、終盤で伝わってきました。大切なものが受け継がれていくことで、景子の気持ちも整理されてゆくのかな、と思いました。

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弟の結婚式のために仙台にやってきた景子。五年前に亡くなった叔母との思い出の地を巡り、誰かの一言で叔母を思い出す。
景子の喪失感と叔母への思いが切なくて、瞼の裏にためた思いを知るたびにこちらまで泣きそうになる。
大切な人を思い出すときとはきっと何気ない瞬間なのだろう。
弟が問うた思い出の地を巡るのは悲しいことなのか、嬉しいことなのかと深く考えた。
冒頭で『違国日記』が登場するのが印象に残る。叔母と姪の関係性はあの漫画のようなものだったのだろうかと考えるが、景子の綴る言葉のように鉤括弧の中の言葉は二人だけの思い出でしかないのだ。

私はこの作品を時間をおいて二回読んだが、喪失感とどう向き合うのかという答えは見つからなかった。でも生きていた頃の叔母を知らない人と出会い彼女の言葉を聞きやっと私も深呼吸が出来た気持ちになった。
大切な人を亡くしたときの喪失感は辛くて言葉に出来ないが、時間は過ぎていく。喪失感を抱え立ち止まっていることに気付いたとき私はまたこの本を読み直すだろうと思う。

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静かな物語の中にある、熱のこもった想い。
大切な人がこの世からいなくなっても、進んでいく時のなかにいる主人公に、思いを馳せながら読みました。
折り合いのつかない気持ちを抱えたまま、いつだって頭の中はいっぱいで、思い出すこと、想像することしかできない。まだ先へは進めないけど、夏葵ちゃんとの出会いで、主人公がふわっと軽くなったように感じました。
そして、タイトルは思い出せませんが、夏葵ちゃんが歌ってくれた歌、知ってます!優しい歌に癒されます。
私自身もまだ再生の途中で、この作品を読むことができてよかったです。
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました!

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5年前に亡くなった叔母を忘れられない“私”は、弟の結婚式に参加するために2年ぶりに仙台に行く。2人のぎこちないやり取りに姉弟愛を感じるほか、様々な想いが読み手の心に静かに染み入ってくる小説。
また何年か後の“私”との再開が楽しみだ。

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「十七八より」の〝私〟が「ニ十四五」になった今、憧れの叔母は5年前に亡くなり、2年前に家を飛び出し、デビュー作が二つの賞をとった作家となっていた。

そんな〝私〟が、弟の結婚式に出席するために故郷の仙台にもどっての様子が一人称で綴られていく。

まだ抜け出せない叔母への想いが、憧憬として湧き上がってくる。弟とのぎこちないやりとり、あられもない会話の中に、姉弟愛が滲み出てくる。まだ打ち解けきれない両親との距離感。義妹となる幼馴染への複雑な心境。それらが結婚式へと集中していく。そんな〝私〟の着飾らない内面が、読み手に静かに静かにしみこんでくるのに、身を任せた。

そして式後、その全てを受け入れたかに見える〝私〟が、その心の波をあえて隠して、新たな旅立ちを始めるのを、見守った。

また何年後か〝私〟と再開するのを楽しみに。どんな内面を持つ〝私〟となっているのかを楽しみに。

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大切な存在である叔母を失った主人公が、弟の結婚式に行く。
主人公は作家キャラで、ガワはリアルタイムのイベントを姉として無難にこなしつつ、内側では過去を思い出したりして掘り下げていく。
結婚式なんだけど葬式みたいな。
ありきたりであざとい悲しみの見せ方ではなく、ちょっと逆張り精神みたいなのを感じさせる主人公が胸にどうしようもなく抱いた傷をじわじわとわからせてくれるので、味わいがあるなと思いました。好きだなと。

親世代との絡みがリアルでした。親の持っている定規があって、はみ出すと嫌そうにしたり心配したり、他人の目を気にしたり、普通にしてっていう気配みたいなのを出したり。
でも、子供への愛情があって、ちょっと悲しくなる愛しさ。弟について書いた作文を巡るエピソードとか、好きだなあって思いました。
弟と弟の嫁や友人キャラは安心感のあるキャラたちで、人間関係や平凡な生活が肌で感じられて、ほっこりとしました。

このお話、最初に夏葵ちゃんと出会うんですけど、その後で家族との結婚式関連のエピソードに移って(いいホテルでいい格好して恥ずかしくない振る舞いして)、夏葵ちゃんのターン再びって感じで切り替わるんですよね。
ちょっと疲れちゃう場から解放された感じというか、過去から未来へと変わっていく感じがあって。なんか風や空を感じて。
ガワを取り繕いながら内側で思案したり過去を想ったりしていたフェーズは成長した後の大人って感じがしたんですけど、夏葵ちゃんといるうちに「まだ子供」「まだ若い」みたいな気持ちになってきて。
このあとも主人公は生きていくんだよなあって。

私事で恐縮ですが、兄を亡くしているので、なんだかしみじみと読んでいました。
読み終えた後で情報を検索してみたのですが、主人公の阿佐美景子というキャラは過去作にも登場しているみたいですね。過去作が未読なのですが、これ1冊だけでも楽しめました。
「文学賞の選評を読んでおらず、他人に話を振られ焦る」というのも、作者の乗代先生自身の「それは誠」インタビューでもあったエピソードみたいですね。面白いなーって思いました。

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読んでの第一印象が、「芥川賞候補作。なるほど、納得」です。
誰にでも読みやすいとは少し言えないけれど、ぴたっとはまる人にははまるだろう、そういう作品です。

読んでわかるのは、

・主人公景子は弟の結婚式に出席するために仙台に向かっている。
・家を出ていて、家族との折り合いがいいようにはあまり見えない。
・どうやら叔母が亡くなっている。
・仙台は叔母と旅行をする計画を立てていた土地である。

など、行動や主人公が今おかれている状態の大枠のようなものだけなのである。
何が原因で叔母が亡くなったのかとか、どうして家を出ることになったのかとか、
ラストシーンのその後主人公はどうしたのかとか、そう言った細かい事柄の描写はほぼされていない。
そのくせ、主人公の目に映る景色、相対する人物の発言、行動、表情は、事細かに描写され、
その場の音や匂いまでも読んでいて感じる気がするほど。

そして、最初から最後まで貫き通して漂うのは、叔母を亡くした景子の、喪失感。

小さな音でロードムービーを見ているような、そんな作品だと思いました。

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叔母さんとの関係性とか後半で明かされるのかと思いきや、そういうことが無かったので調べてみたら連作だと……。単体で読めないこともないけれど、複雑な人間関係等理解したいなら他もきちんと読むべきなんだろう。だが、その曖昧さが景子の喪失感を際立たせる。大切な人がいなくなってしまったあと、残されたものはどう生きればいいのか。深く考えさせられる作品だった。

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芥川賞候補作。いよいよ受賞なるか。
最近は、趣向を凝らして差別化を意図的に図るような作風の作品が多い中で、ある種『小説』というものはこうあるべきであるという模範的な作品だと思う。主人公目線での作品の進行でありつつ読者としてその背中を追い続けるような言葉の動きがあってあくまで一つの世界に自分が入り込んでやりとりを見せてもらっているような感覚になる。
難しく考えなくとも人の微細な動きを捉えてそれを息をはくように自然と描いているからこそ情景が浮かぶ。その人の顔も会ったことがあるかのように形成されていく。きっとまだ一度も踏み入れたことのない仙台も懐かしく思う事だろう。

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初めて読むのに、懐かしい。
あの少女の、その後のお話。

今は亡き叔母との濃密な幼少期を過ごした少女は、読者からすると予想通りの職業を得たらしい。
両親や弟にとっては未だ扱いにくさを湛えている彼女だけど、自分自身の扱いにはだいぶ手慣れてきたようだ。かつてのようなひりひりする感じは薄れて、少し解れてきた印象がしてホッとした。

舞台となった仙台の街や郊外は、行ったことのある所はもちろん、知らなかった、行ったことのない場所でも景色が目に浮かぶようだ。彼女と共に旅している気持ちになり、実際に足を運んでみたくなるのだった。

あの少女が、これからどんな人生を歩むのか、これからも続編が楽しみで仕方ない。

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第172回芥川賞候補作。弟の結婚式で仙台に行く。家族との会話、亡くなった叔母の思い出、偶然出会った女子大生との会話。さりげない中に、心の起伏が見えてくる。著者の経験から描かれているのかと思ったが、著者は男性だし、主人公は女性だ。この微妙なニュアンスを文章で表現しているのは上手いなとは思った。

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