ささやきの島

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刊行日 2024/12/18 | 掲載終了日 2024/12/20

ハッシュタグ:#ささやきの島 #NetGalleyJP


内容紹介

マイロの父は死者の魂(たましい)を船に乗せて送り届ける渡し守をしていた。島の住人は死者が出るとその靴(くつ)を渡し守のところにもっていく。そうしないと死者が島じゅうをさまよい歩いてしまうのだ。ある日領主の娘が亡くなった。ところが領主は娘の死を受けいれず、渡し守から靴を取りもどし、魔術師(まじゅつし)の闇(やみ)のまじないで娘をよみがえらせようとする。マイロの父は領主の手の者に殺されてしまい、このままでは島じゅうに死者が放たれる! 怖(こわ)がりのマイロはなんとか父のかわりに船を出すが……。

『嘘(うそ)の木』の著者による傑作YAファンタジイ。英国を代表する絵本作家エミリー・グラヴェットによる挿絵満載。

マイロの父は死者の魂(たましい)を船に乗せて送り届ける渡し守をしていた。島の住人は死者が出るとその靴(くつ)を渡し守のところにもっていく。そうしないと死者が島じゅうをさまよい歩いてしまうのだ。ある日領主の娘が亡くなった。ところが領主は娘の死を受けいれず、渡し守から靴を取りもどし、魔術師(まじゅつし)の闇(やみ)のまじないで娘をよみがえらせようとする。マイロの父は領主の手の者に殺されてしまい、このま...


出版社からの備考・コメント

【ネットギャリーをご利用の方へ大切なお願い】
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784488011420
本体価格 ¥2,200 (JPY)
ページ数 128

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

死んだ娘を取り戻そうとする領主と、殺された父に代わって、渡し守として〈夕べの雌馬〉号で海に出て娘の霊を送ろうとする少年マイロの物語。
高密度に物語全編を包む、豊かで異様なイメージに圧倒され続けた。

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ハーディングの作品を読むのは3作目だが、短めの物語に今まで以上にギューッと詰め込まれた、様々なイメージに圧倒され続けた。
死者はすぐに靴を脱がさないと島中を歩き回って荒廃させる。しかし、この島はかすかに語りかけてくる霧に覆われているので、魂は天に昇れない。だからマイロの父が渡し守をしているが、自らの安全のため死んだ魂に興味を持ってはならないし、眼を合わせてもならない。他にも、頭のない鳥や魂が昇る〈壊れた塔〉をはじめ数え切れないほどの異形なイメージで何重にも包まれた様子は、今まで読んだ経験がないほどの異様な世界だった。そのため、単に〈読む〉と言うより〈視覚で捉えていく〉ために、読み進めるのに普通の何倍もかかった。でも、それに酔うだけの価値があった。

更に、登場人物の描き方も独特だった。主人公のマイロ達以外は、〈領主〉〈白の魔術師〉などと名前も示されずシンボリックに描かれていく。何らかのヒロインかと思っていた死せる娘さえ、名前がガブリエルとわかるのは半ばをすぎてから。でもそれだけに、この異形な世界で、マイロの気持ちや行動が浮き出るように描かれていた。

状況に流され、それでも父の誇りを引き継いで、渡し守をしたこともないマイロが
父を含む6人の死んだ魂を乗せて〈夕べの雌馬〉号で海に出る。そして魂が旅立つ〈壊れた塔の島〉を目指す。
でも、困難が後から後から湧き上がってくる。でもいつしかマイロが自分から動き、状況を利用するまでになるとは。また、ガブリエルが死んで苦しがっていた理由が、このよいな心残りだったとは。でも、心残りとは得てしてそういうものかもしれないと感じた。そして、それが分かったのは禁じられていた死んだ魂とのやり取りをマイロが行ったから。その交流は非常に危険。そして前からそれに惹かれていたために父から厳禁されていた彼が、優しさと勇気と注意深さを両立させることができたから。

そしてマイロは島へと戻り、渡し守となる決意をする。そうなると自ら言っていた兄がすっと身を引いたのは、それだけの資質を見てとったからだろう。

ロマンスこそなかったが、それだけに異様な世界と、その中でだんだんと自分の道を切り開いていくマイロの成長譚が浮き彫りになっていた。

ハーディングの筆力がまた広がったと感じられる物語だった。これからもまた読んでいこう。

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