トライロバレット
佐藤 究
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刊行日 2024/12/13 | 掲載終了日 2024/12/12
ハッシュタグ:#トライロバレット #NetGalleyJP
内容紹介
新たなアメコミ的ヒーローが出現!?
乱歩賞&直木賞作家が挑む、
衝撃の、文庫書下ろしダークファンタジー小説!!
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バーナム・クロネッカーはアメリカ合衆国ユタ州のウィットロー高校に通う17歳の少年。彼は8歳のとき三葉虫に魅せられ、今ではその化石を熱心に集めつつ、静かな高校生活を送っている。そんなバーナムへのいやがらせが、ある日突然にはじまった。ロッカーの扉を接着され、頭にジャガイモをぶつけられる。体育会系の人気者コール・アボットのしわざだった。バーナムは、コールの行為を〈攻撃〉と呼ぶ謎めいた同級生、タキオ・グリーンと友人になる。そのときすでに、バーナムを驚愕の事件へといざなう運命の歯車は回りだしていた……。
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著者/佐藤 究(さとう・きわむ)
1977年福岡県生まれ。2004年に佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となりデビュー。‛16年、『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。‛18年、受賞第一作の『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞および第39回吉川英治文学新人賞を同時受賞。さらに'21年、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞と第165回直木賞のダブル受賞を果たす。‛24年、『幽玄F』で第37回柴田錬三郎賞を受賞した。ほかの著書に『爆発物処理班の遭遇したスピン』がある。
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★★★
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★★
出版情報
ISBN | 9784065376225 |
本体価格 | ¥680 (JPY) |
ページ数 | 275 |
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NetGalley会員レビュー
小説を読む時に、ある程度は内容がわかっていた方が読み進めやすい。その心構えで読み進めていくからだ。しかしこの作品については、何も知らずに、予備知識なしに読んだ方が楽しめる。なにしろ「QJKJQ」「テスカトリポカ」を書いた人だ。真っ当な物語があるはずもない。しかもこの作品はかなりのチャレンジングな物語なのだからお楽しみでしかない。知っておくべきことは、三葉虫好きないじめられっ子が主人公のハイスクールものであり、アメコミのようにとにかく面白いということだけ。
銃社会のアメリカのハイスクールでは、銃の乱射事件がけっこうある。身近なところに銃があり、怒りの爆発でアクティブ・シューターに豹変する瞬間があっても不思議でないからだ。このことだけ知って、読書の快楽の海に出航するがいい。しかも文庫オリジナル、料金はたったの748円、ペパーバック価格が嬉しい。次は「爆発物処理班の遭遇したスピン」を読む予定。
アメリカのニュースを見ていると、ときどき高校などの建物内で銃乱射事件が発生する。佐藤 究さんといえば、テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞と第165回直木賞のダブル受賞した人であり、あれは名作だった。ということでチャレンジしてみた。三葉虫オタクのいじめられっ子、父は銃マニアで自己で死ぬ。母は警官、不倫している。友達は同じいじめられっ子の たけお だけ。いじめられっ子を天誅という展開かと思いきや、まさかのラスト。こんなのありなのか。
ユタ州には行ったことがない。もちろん、現地の高校に行ったことはない。
それなのに読み終えた今、ウィットロー高校の構造や、高校からバーナムの家までの風景、ニューオグデンの街並みがありありと目に浮かぶ。その場にいる臨場感が半端ない。
バーナムとタキオの友情が育まれていく過程、コミュニケーションの図り方が、ユーモラスかつエッジが効いていてめちゃめちゃアツい!海外小説を読んでいる気持ちに何度もなった。
あらすじからダークヒーローが暴れ回る展開なのかと思ったので、残り少なくなるページ数に戸惑いながら、最後は満足して読み終えました。
復讐を決意する過程をこんなにも入り込んだ構造で表現出来るなんて!夢と現実がないまぜになる浮遊感と、パズルがピタリと収まるような終盤の畳み掛けが最高でした。
あまりの面白さに一気読みしてしまった。そしてジャンルのとらわれなさが今何を読んだのだろうと思わせた。三葉虫がこの物語移動絡んでいくのか不思議だったけど杞憂でした。二つのフォントで書き分けられるそれぞれの世界、それが融合して走り出すともう止まらなかった。それぞれの登場人物が細やかな筆致で書き分けられることでこちらにリアルに迫ってきて、リアルタイムのドキュメントを読んでいる気持ちにさせる。もっと長くてもいい、もっと読みたかった、そう思えた。そして映画化されてもいいんじゃないの、と思った。
『テスカトリポカ』から大ファンになった佐藤究先生の新作!!
文庫書き下ろしの作品が出ると告知で知ってからとても楽しみにしていたので一足先に読むことが出来てとても嬉しい。
三葉虫に魅せられたバーナムが、友達とともに学校で嫌がらせを受ける。なんて陰湿な嫌がらせだと思ってしまう。
そして突然フォントが変わり語り手の分からない心情が綴られる。
これは現実なのか、夢なのか、境目のないような世界観にあっという間に引き込まれた。繰り返される言葉に頭の中が支配されていくのもたまらなく好きだ。思いもしないラストが格好良すぎる!ただそれだけだ。
我が家では夫婦揃って同じ作家さんの本を読むことはほぼないが、佐藤究先生の作品だけは読んでいる。暴力性もありながらも繊細に描かれる心情描写がたまらなく好きだ。
この作品の感想を夫は何と言うだろうかと、今から発売が楽しみでならない。
第一章では何が起こるのかわからなかったが、まさかの二章で2人が交錯して銃乱射事件を起こそうとしているとは、驚いた。そしていつのまにかヒーローものになっているのも非常に予想はずれな展開で面白く読めた。三葉虫の描写が非常に詳しくてそこも興味深かった。
(これは実際に私が感じたことなのだが)一個のヒーローが強靭な敵と絶えず戦いを交わすわけではないので、アクション小説として読むと後半までもどかしい思いにさせられるだろう。
では、本作の一番の魅力がどこにあるのか。それは、戦地帰りの男と高校生活を最下層で暮らすバーナムが、『夢と現実』の間を揺蕩いながら、徐々に戦いの闘志を燃やし始めるところだ(とりわけバーナムのそれは涙ぐましいものだった)。
過去から魔の手を伸ばす、男の『敵』。いま現在のバーナムを脅かす『敵』。
二人がいざ『敵』の討伐に乗り出すとき、物語は大きなうねりを持って読者に襲い掛かる。ここからが怒涛の後半パートの幕開けだった。
それぞれに与えられた正義の役割は、あるいは輝かしくあるいは荒涼に、私の心を揺さぶった。
なぜ、人は戦うのだろう。
さんざん考えたが、本作においては、『生き残るため』が一番しっくりときた。
印象的に残ったことが二つある。まず一つが、孤独に追いやられ、何もかもに置き去りにされたバーナムが、最後には大衆を置き去りにしていく格好良さだ。
そしてもう一つは、銃乱射事件がもたらす不条理な恐怖だ。その土地に暮らしているから仕方のないことだ──と命の軽視にも近い割り切りをしてはならない。
社会情勢も味わえる、一気読み必至の作品だった。
佐藤究さんの全著作(ちなみに『純粋思考物体』『裂果と雷鳴 或る天使刑の破片』も)を読了した大ファンです。
今回も佐藤さんならではの詩的な表現を満載した作品である気がします。河村悟さんの影響を受けているのではないでしょうか。
また『テスカトリポカ』や『幽玄F』でも感じられたエキゾチックな雰囲気が漂っており、外国小説といってもおかしくないほど生々しい描写に脱帽します。三葉虫に関する描写も細かくて大好きです。アメリカの高校生活や銃乱射事件という着眼点が斬新で、かつてない面白さが味わえたのです。
佐藤究さんのさらなる進化を楽しみにしております。
佐藤究さんの新作がNetGalleyで読めると知り早速リクエスト。今回はアメリカの高校が舞台。なんだかヒーローコミックみたいだなと思っていたが、そんなに甘くない。三葉虫に取り憑かれた高校生は、いじめにあったり、同じようにいじめられる同級生と親しくなったりするが、そこに予知夢が入り込み、戦争の影が押し寄せてくる。高校での大事件に発展する中、彼はヒーローたりえたのか? 両親とも友人とも打ち解けられない孤独な青年の安らぎは、絶滅した三葉虫。三葉虫に包まれ変身した時に彼の心が開いたのだろうか。世田谷美術館にある屋外彫刻「三葉虫」を思い出した。続編がありそう。期待してます。
イジメに悩まされる、三葉虫に魅せられたぼっちの高校生・バーナム。同じくターゲットにされている同級生と、マニアックなオタクトークを通じて仲を深め、自然淘汰に抗っていく、アメリカの高校を舞台にしたダークファンタジー。
バーナム視点と退役軍人視点がなんの脈略もなく交互に綴られる不思議な世界観。イジメと戦争の「本質」が次第に重なり、物語がシンクロしていく流れが圧巻だった。
伏線回収の点でいうと、もはや作中のすべてが無駄のない伏線で形成されていて、回収後には完璧な場所におさめ幕を閉じる。意外性が強いのに矛盾がなく、リアリティまでついてくる、生命の面白さを満喫できる作品。
アメリカの高校で起きた乱射事件に関わる2人の内的世界においては、当時最強の捕食者だったアノマロカリスと、弱き餌の三葉虫(トライロバイツ)との、5億年後の代理戦だった。
若きダークヒーロー「トライロバレット」の壮大な二面性の運命は?
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2人とも〝自分にとっての正義〟。でも、運命の悪戯で善と悪の側にたってしまうとは。そんな運命の皮肉もさることながら、やはり一番の驚きは、現実の事件と関係者2人の内的世界がこれほど異なっていたことだった。
父の死がきっかけに、バーナムの現実が崩壊していく。
「ぼくはきみになってもらいたい」
トライロバイツ(三葉虫)+バレット(弾丸)=トライロバレットからの言葉に導かれて。
すでに現実が半ば崩壊していた帰還兵のフランクの運命を決定づけたのは、5億年前の海洋で最強の捕食者だったアノマロカリスの言葉だった。
「皆殺しにしろ」
フランクが1人で営む「フィンチ金物店」に、トライロバレットの服の材料を探しにきたバーナム。2人の邂逅を、ハラハラしながら読んだ。フランクがヘリコプターの話題を出した時、ヒヤリとした。更にフランクが書いたアノマロカリスの緻密な絵を見た時。まさに捕食者と被食者の関係としての運命なのか。
そして、アクティブ・シューターとなるための準備を進めるバーナムの作ったバレットの弾頭は、三葉虫の化石を砕いたものとは。五億年の年月がこもった弾頭。彼も夢の中で生きる者となったのか。こうして、5億年の業を背負ったアクティブ・シューターが2人揃った。
そして、先に動くフランク。そのあまりにも冷静な行動に息を呑む。一方的に射殺した相手に「もっとがんばりなさい」と励ましながら進んでいく彼に寒気を感じだ。
異常に敏感になった聴覚が捉えたその「もっと頑張りなさい」との声に支えられたから、真にトライロバレットとなるバーナム。何という皮肉なのか。
そして、フランクに撃たれた者が三葉虫に、床の血の跡が三葉虫が歩んだ〝生痕化石〟に見えるとは。だから、守るのか。三葉虫を捕食するアノマロカリスたるフランクから。
生物の99.9%は全滅し現在の生態系に至る。そんな生態系を破壊していく人類。そのいくばくかを救った、ダークヒーロー「トライロバレット」。でも、人類の絶滅は運命づけられたこと。バーナムの行動もその運命に飲み込まれ消えていくことになるだろう。でも、5億年の月日を閉じ込めたバレット。その膨大な時間が、この運命に僅かでも影響を与えることを願う。
ユタ州ニューオグデンのウィットロー高校で陰湿ないじめに遭う三葉虫コレクターのバーナム、戦争後遺症に苦しむアフガン帰還兵、全く接点のない二人が交錯する時、大きな事件が起こる。
銃社会のアメリアの暗部を描きつつ、予想外のアメコミヒーロー的なエンタテイメント展開もあり、とても面白かった。
三葉虫の使われ方が絶妙。
これは続編あったら嬉しい。
佐藤さん3作目です。
『QJKJQ』は途中あまりにも人が死にすぎて
挫折してしまい、「もしかして今回も・・・」と思いながら読みましたが、
佐藤さんの描くアメリカの学校内銃乱射事件のきっかけと
事件発生までなのかなと。
『ダークファンタジー』?ファンタジーではなかったですが
こんな感じで始まるのかも。飛んでる考えもまたあるよなー。
海外の作家さんが書いたフィクションな感じでした。
人間の心の中の入り混じった考えかたの表現が理解はできないけれどよかった。
#トライロバレット
#NetGalleyJP