かぶきもん
米原信
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刊行日 2025/01/22 | 掲載終了日 未設定
ハッシュタグ:#かぶきもん #NetGalleyJP
内容紹介
第102回オール讀物新人賞を受賞した現役大学生による初の作品集。幼い頃から歌舞伎や演劇に親しみ、どっぷり浸かってきた著者が全身全霊で書き上げたデビュー作にして会心の勝負作。
文政2(1819)年。江戸歌舞伎の二大スター三代目尾上菊五郎、七代目市川團十郎はそれぞれの芝居小屋で時期を同じくして「助六」を演じる。江戸芝居イチ「粋な男」という役どころの助六は、成田屋市川團十郎が代々演じてきた演目で、上演すれば必ず大入りになるお家芸。対して、”圧倒的劣勢”と見えた菊五郎の助六に人々はなぜか沸き立ち、團十郎の助六は途中で打ち止めになってしまうーー(「牡丹菊喧嘩助六」)。
文政3年。助六で喧嘩別れしたままの團菊。「菅原伝授手習鑑」寺子屋の段で難しい見せ場を持つ松王丸を演じることになった團十郎は、なんとか菊五郎の助六をしのぐ工夫(その役者ならではの演じ方)をしたいと悩む(「ためつすがめつ」)。
文政6年。共演こそ再開したが、いまだわだかまりの残る團菊を仲直りさせようと奔走するは、立作者の鶴屋南北。「浮世柄比翼稲妻」で二人を配役するが、鞘当の場面に差し掛かると、二人はなんと舞台上で真剣を抜いてしまう(「伊達競坊主鞘當」)。ーー他3編
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784163919355 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
ページ数 | 256 |
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NetGalley会員レビュー
江戸歌舞伎の二大スター・三代目菊五郎と七代目團十郎が、同時期に同じ演目を行うなど好敵手として互いに影響しあう。役者に、立作者に、裏方に、舞台に心血を注ぐ男たちの本気が描かれた「歌舞伎」小説。
お芝居の華やかな部分と、その背後にあるたくさんの苦悩や葛藤を、舞台袖からじっくり観させてもらったような感覚。持って生まれたもの、努力で手に入れたもの、互いを妬みながらも常に改良していこうと二人の役者魂が最高に煌めいていた。
私が明るくないため「歌舞伎」特有の事柄に気付けないのが悔やまれるが、舞台でのイレギュラー時に求められる柔軟性なども興味深く描かれていて、とても面白かった。
歌舞伎のことについては、あまり詳しくはないのですが、若い役者の真剣さや、苦悩、それを見守る手練れの役者や、大道具方や、狂言役者の心意気が伝わってくる作品でした。金の亡者で、自分の思い通りにならなければすぐに切り捨てようとする小悪党の今助がことあるごとに邪魔をしてきて、はらはらしますが、それがかえってみんなの結束を固め、最後にはスッキリとした結末で良かったです。歌舞伎は伝統芸能だけれど、役者の「工夫」で変化したり、最後の芝居の仕掛けのように観客に楽しんでもらおうとする情熱が感じられる一冊でした。作中に出てきた演目も機会があったら見てみたいです。